【炎症して開腹手術!?】1週間以上続く“38度の高熱”は子宮に原因が…→検査で判明した“疾患”とは!

【炎症して開腹手術!?】1週間以上続く“38度の高熱”は子宮に原因が…→検査で判明した“疾患”とは!

婦人科疾患の症状は個人差がありますが、生理痛や出血多量などが挙げられます。

一方、全く関係ない症状だと思っていても、実は婦人科疾患が原因である場合も。

そこで今回のMOREDOORは、「疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。

監修者:ひなたクリニック院長、三橋 裕一
1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。
産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。
新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。

ひなたクリニック

42歳/主婦Dさんの場合……

「両側付属器膿瘍・腹膜炎・両側子宮内膜症性嚢胞・感染」を患いました。

「子宮内膜に菌が入ることで感染症を起こし、高熱が続いている。また、卵巣や卵管も腫れて膿が溜まっている」状態です。

11月下旬に38度以上の高熱が出てしまい、近くのクリニックを受診しました。

薬をもらって1週間安静にしていましたが、咳や下痢の症状も出てきてしまい、体調は悪くなる一方でした。

同じクリニックを再度受診し採血したところ、通常は0.3程度である炎症反応の数値が33あり、近くの大きな総合病院に紹介状を書いてもらうことに。

即日入院し、抗生物質の投与など適切な治療をしていただいたのですが、熱も炎症反応の数値も下がらず、原因が分かりませんでした。

PET-CT検査でようやく子宮内膜に原因があることが判明し、婦人科がある大きな病院に転院して病名が確定しました。

どんな治療を受けましたか?

点滴による抗生物質の投与と開腹手術をおこないました。

手術は転院の翌々日に実施。

炎症部分に溜まった膿などをきれいに洗い流し、左右の卵管全てと卵巣の一部を切除しました。

その後は無事回復し、2週間ほどで退院できました。

退院後は抗生物質を1ヶ月ほど服用し、4回ほど通院して問題なしとの診察を受けたので、治療終了となりました。

世の女性陣へ伝えたいことは?

私の場合、不妊治療の一環で膣剤(膣に固形の薬を自ら入れて使用するもの)を使っていたのですが、その挿入時にバイ菌が入ってしまった可能性が高いです。

衛生にはかなり気を付けていたつもりでしたが、不十分なところがあったのだと思います。

なお、子宮内膜や卵巣・卵管に菌が入って炎症を起こした場合、チョコレート嚢胞がある方の方が重症化しやすいそうです。

私のケースは珍しいと思いますが、チョコレート嚢胞がある方はどうかご注意ください。

気になる症状があれば病院に相談を

高熱の原因は、両側付属器膿瘍・腹膜炎・両側子宮内膜症性嚢胞・感染だと判明したDさん。

Dさんは開腹手術など適切な治療を受けたようですが、子宮周りの痛みなどでなくても高熱などが婦人科系疾患に関係している場合もあるかもしれません。

もし体調がおかしいと感じたら、まずは近くの病院を受診してみてくださいね。

今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました!
※監修医:ひなたクリニック院長、三橋裕一

※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。
※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。
不安なときは必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

(MOREDOOR編集部)

三橋裕一

三橋裕一

ひなたクリニック院長

1964年生まれ。医師になり28年目。

福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。

趣味はお酒とバイクジムカーナ。

利き酒師やフードマイスターの資格も保有。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。