今さらだけど『東のエデン』を一気見してみた。コロナ禍だからこそ心に刺さる3つのポイント

 

「おたスケ」。それはオタクのスケジュールであり、あなたのお助けとなるスケジュール。
本コラムではオタクライフを満喫したい方に向けた時間の過ごし方や情報を、アニメ大好きライターのハシビロコがお届けします。

 

2日で一気見したイチ押し作品

こんにちは、ハシビロコです!
帰省や旅行、同人誌即売会などワクワクする予定が詰まっているはずだったお盆シーズン。今年は新型コロナウイルスの影響で、ほとんど中止や我慢を強いられてしまいました……。

仕方がないので、家でアニメの一気見をしようと思い作品を探していたところ、とあるサイトに行き当たりました。

「人類総セレソン計画」
https://all-selecao-project.com/seleson

なんだこの怪しい名前のサイトは。

 

 

アクセスしてみると、手洗いやソーシャルディスタンスなど、感染症対策のポイントが表示されました。どうやら「セレソン」に選ばれた我々が自宅から世界を救うとかなんとか。

わけもわからず閲覧しているうちに、2009年に放送されたアニメ『東のエデン』とのコラボ企画だと判明しました。
タイトルは聞いたことがありましたが、放送当時田舎のテレビでは見られなかったため未チェック。

ならばこのお盆期間に一気見しようと再生し始めたところ……2日で見終わってしまいました。おもしろすぎてなかなか中断できない。

そこで今回は『東のエデン』の「ここがすごい!」ポイントをご紹介!今の時代だからこそ見てほしい、イチ押し作品です。

 

『東のエデン』って?

 

 

日本を救うために選ばれた12人の救世主候補「セレソン」。100億円と有能なコンシェルジュ「ジュイス」が入った携帯端末を与えられ、命がけのゲームに挑みます。

主人公は記憶を失ったセレソンNo.9滝沢朗(たきざわ あきら)。彼に助けられた森美咲(もりみ さき)、咲が所属する大学生サークル「東のエデン」も加わって、スリリングな11日間の物語が描かれました。

キャラクター原案は『三月のライオン』の羽海野チカさん、監督は『精霊の守り人』や『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の神山健治さん、アニメーション制作はプロダクション I.G。そしてOPはイギリスのロックバンドOASIS。豪華スタッフが結集したオリジナルアニメです。

 

『東のエデン』ここがすごい!1:100億円の価値観が変わる

セレソンは「持てる者」を意味する呼称。たしかに100億円もの大金を有する人物はセレソンと呼ぶにふさわしいでしょう。以前給付金でもらった10万円がかわいく思える……。

しかし個人には多く思える財産も、国を救うためには少ない金額。セレソンたちは「たった100億円で救世主になれるわけがない」とあきらめたり、「せめて自分の身の回りだけでも救おう」と行動したりと、さまざまな使い方を見せます。

100億円を多く感じるか少なく感じるかは自分次第。しかしこれまで考えもしなかった「100億円」や「日本を救う」という夢のような課題に向き合う滝沢たちに、価値観を動かされるはずです。

ちなみにセレソンにとってお金を使うことは権利ではなく義務。ヨーロッパには持てる者が果たすべき責任として「ノブレス・オブリージュ」という概念があり、作中でもジュイスが何度も口にするキーワードとなっています。

 

『東のエデン』ここがすごい!2:今の日本にそっくり

 

作中で描かれている空気感は今の日本にそっくり
国内に10発のミサイルが落ちる異様な事件が起こっても、国民の関心は徐々に薄れていきます。

政府はとくに大きな動きを見せず、停滞する社会。咲が第1話「王子様を拾ったよ」で口にした「自分にはどうにもならない重たい空気」は、社会へのあきらめや絶望感の表れかもしれません。

コロナ禍の現代社会もまたしかり。ニュースで感染者数が発表されても「またか」と思う日々が続き、危機感が薄れてきた人々もいるでしょう。国の上層部は重い腰を上げようとせず、対応は現場任せになっています。

そんな状況下でどう生きるべきか。2009年制作の作品ですが、2020年の情勢にも通じる部分が多いです。むしろ今出会えてよかった。

 

『東のエデン』ここがすごい!3:考えさせられる「自己責任」

『東のエデン』には何度か「自己責任」という言葉が登場します。もしミサイルの被害に遭っても「そんな場所にいた人が悪い」と言われ、ニートたちは「努力が足りない」と突き放される。失敗も成功も本人次第だとする考え方には一理あるかもしれませんが、社会の冷たさも感じます。

最近の情勢を見ていても、国はまるで「努力していなかった人が悪い」と言わんばかりの態度。用心深く感染症対策をしていた人ですら、自己責任だと批判されてしまいます。

さらにニュースやSNSには不確かな情報が飛び交い、どれを信じたらいいのかもわからない。権力者のひと声に踊らされ、混乱をきたす場面も少なくありません。

『東のエデン』でも、セレソンたちによる情報戦がくり広げられ、次々と意見を変える人々が描かれます。はたから見れば、あまりにも無責任。しかし滝沢は人々が秘めている力を信じ、とある方法で日本を救おうと試みました。

第11話「さらにつづく東」のラストシーンは鳥肌が立つほどに鮮やか。重苦しい空気に包まれた日本で、それでもまだ希望はあるのだと思わせてくれる物語です。現実にも王子さまみたいな救世主が来てくれないかな……。

 

劇場版やTwitterもチェック!

『東のエデン』はTVシリーズだけでは終わりません。その後のエピソードを描いた『東のエデン 劇場版I The King of Eden』、『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』も制作されています。

さらに冒頭で紹介した「人類総セレソン計画」は2つのTwitterアカウントも運営していました。

 

謎に思えるつぶやきも、本編を見た後にチェックすると胸が熱くなるほどに作りこまれています。ひとりひとりは小さな存在でも集まれば世界を救うことができる、と前を向けるはず。

「ノブレス・オブリージュ。今後もよい救世主たらんことを。」

ツイートを読んでいるうちに、そんなジュイスのセリフが脳裏によみがえりました。

 

WRITER

  • ハシ ビロコ
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  • アニメとドイツ語とハシビロコウを愛するフリーライター。アニメ好きの両親のもとに生まれたオタク2世で、幼少期はCCさくらとガンダムSEEDを見て育った。趣味でハシビロコウブログを運営中。

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