映画「十二人の死にたい子どもたち」死にたいけど殺されたくない!疑心暗鬼が渦巻く密室劇サスペンス

UtaTen

2020/8/11 18:00

迫る死を前に生を実感する珠玉のミステリー・サスペンス



2019年公開の映画『十二人の死にたい子どもたち』は、ヒットメーカーと名高い堤幸彦監督がメガホンをとったサスペンス作品です。

原作は、ベストセラー作家の冲方丁の同名小説。

SF作品を中心に名作を生み出し続ける著者初の現代ミステリーで、アメリカの大ヒットドラマ「十二人の怒れる男」をモチーフに12年の構想を経て作り上げた力作です。

冲方丁が描くストレートなタイトルと展開の読めないストーリー。堤幸彦監督らしい独特なカメラアングルと緻密な構成が掛け合わされ、平成最後にして最大の衝撃をもたらした映画作品と言えます。

そんな本作の気になるあらすじや見どころをたっぷり紹介しましょう。

集団自殺を望む未成年たちに謎と恐怖が降りかかる


▲映画『十二人の死にたい子どもたち』予告編

ある廃病院に、互いの素性を知らない未成年の男女が集まりました。

彼らの目的は、集団自殺。

自殺を願いながらも、ひとりでは行動に移せないため「みんなで死ねば、怖くないから」という思いで、意を決して参加したのです。

自殺サイトの運営者であるサトシによって企画されたこの「集い」には、1つのルールが設けられています。

それは、自殺を実行する前に決を取り、全員の同意が得られてから実行すること。

反対者が出ればその都度話し合うことが決められていましたが、覚悟をしている彼らにとって無用のルールだと思っていました。

参加者には到着した順番に番号が割り振られ、人数分のベッドが用意された広い一室に集まります。

集いの参加者は、サトシを含めて12人。

しかし、そこにはすでにベッドで息絶えた生温かい1つの死体がありました。

謎の13人目「0番」の存在を前に、この12人の中に殺人鬼がいるのではないかと互いを疑い始めます。

殺人鬼に殺されたくはないと、彼らは自殺の準備を進めながら不可解な「0番」の謎の解明に乗り出します。

それぞれが何かを抱えて集まった12人。彼らは集団自殺という目的を果たすことができるのか。

新感覚の密室劇サスペンスゲームが始まります。

次世代を担う13人の若手俳優陣が集結!


▲【独占】新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、杉咲花、黒島結菜、橋本環奈が360度本音クロストーク! 映画『十二人の死にたい子どもたち』

本作は、キャストに旬の人気若手俳優陣が出演していることでも注目を集めました。

堤幸彦監督からの直々のオファーを受けて起用されたのが、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、杉咲花、黒島結菜、橋本環奈の6人。

様々な映画やドラマで引っ張りだこの彼らが、本作の物語を動かす中心人物として活躍しています。

そして、萩原利久、渕野右登、坂東龍汰、吉川愛、古川琴音、竹内愛紗の6人はオーディションで決定。

彼らも今特に注目度が上がっている俳優で、本作でも多彩なキャラクター性を印象づけています。

主に廃病院内での12人のやり取りで進むため、個々のキャラクターの存在感と細かな演技力が試される難しい作品です。

とはいえ、若者が抱える悩みをリアルに表現する実力派キャストの力強さと危うさを秘めた演技が、ストーリーに厚みを加えています。

また、0番に抜擢されたとまんも、死体役を好演しています。

全員平成生まれの人気俳優たちが魅せるフレッシュな演技のぶつかり合いに、きっと魅了されるでしょう。

直視せざるを得ない現代に潜む闇と命の使い方



本作を面白くしている1つの要因は、密室空間で思わぬサバイバルゲームに巻き込まれていくという設定にあります。

この廃病院は物理的に密室になっているわけではなく、集団自殺の集いのために外部からバレずに目的を果たさなければいけないという意味で、密室と同じ制限が成立。

そして、彼らは全員「死にたい」と思いながらも「殺人鬼に殺されたくない」という感情があります。

しかも廃病院の各所には、0番の存在も含めて不可解なものが多く散りばめられていて、誰もが怪しい状況です。

自分で足を踏み入れた密室空間と、直前まで仲間のように感じていた人たちを前に、急激に不安と恐怖が押し寄せていきます。

画面の中で次々湧き出る疑問と恐れを、観ている人も同じく共有することができる構成は、他の映画ではなかなか出会えない新感覚で引き込まれます。


また、時間を追うにつれて、12人の未成年それぞれが抱えている悩みや思いが明らかになり、深みのある人間ドラマが見えてきます。

なぜ彼らが自殺を選択し、集団自殺を望んだのか。

その理由が見えてくると、この12人が現代社会の闇の縮図であることに気付くでしょう。

未成年の自殺もその1つですが、彼らが経験している深刻な問題は、現代の若者の多くが経験している問題でもあります。

映画の世界の単なる設定としてではなく、それらの重い問題がごく身近にあることを、誰もが真摯に受け止める必要があるのです。

加えて、本作は新しい仕方で死生観を考えさせます。

一般的に自殺をテーマにした映画やドラマでは、死自体に注目を集めます。

しかし本作では、自分で命を捨てることと、勝手に命を奪われることという似て非なる状況が提示され、今ある命をどう生きるかを問われます。

命の大切さよりも命の使い方に焦点を当て、生きる強さを持つ若者たちの心に訴えかけるメッセージを発信しています。同時に、観ているあらゆる世代の人たちに今までなかった考え方を差し出してくれます。

動画配信サービスで視聴が可能な人気作品なので、本作を観てどんな感想を持つのか、じっくり考えてみてください。

「On Our Way」は若者にエールを送る主題歌


▲The Royal Concept - On Our Way (Official Video)

本作の主題歌は、スウェーデン出身のロックバンド、The Royal Conceptが手掛ける『On Our Way』。

2005年にリリースされた楽曲で、CMやテレビ番組で多く使用されるなど、日本でも有名な楽曲です。

この楽曲を聴いた堤幸彦監督が「若者たちの代弁者になるような曲」と感じて、主題歌に採用したそうです。

音楽は電子音を効果的に用いた、爽快でキャッチーなメロディが魅力のエレクトロ・ダンス・ロック。

思わず口ずさみたくなるリズミカルな演奏に気分が高まる一方で、哀愁漂うスローテンポでじっくり聴かせるメロディも取り入れ、緩急の効いた曲調に中毒性があります。

歌詞も若者の心を映したような前向きな内容で、悩みがあっても行動して前へ進む力強さが表れています。

聴く人を明るい気分にし、落ち込んだ背中を押してくれる楽しい楽曲です。

PVでは、一瞬一瞬を楽しむ若者たちの様子が映し出され、曲のメッセージが反映されています。

心をざわつかせる本作のエンディングで、この爽やかな楽曲がどのように用いられているのか必見です。

「十二人の死にたい子どもたち」は命に真っ直ぐ向き合う傑作!



人気キャストの好演が楽しめる映画『十二人の死にたい子どもたち』は、自殺願望を持つ未成年を映しながら、命への向き合い方を考えさせる作品です。

年齢に関わりなく、目の前の大きな問題を前に全てを投げ出したくなくことがあるかも知れません。

とはいえ、顔を上げれば別の問題で同じように苦しんでいる人がいます。

自身の問題を理解できるのは自分だけでも、苦しんでいるという事実を共有できる人は必ずいて、助けてくれる人もいるということは、忘れたくないものです。

映画『十二人の死にたい子どもたち』を観れば、生き方について考えるきっかけを得られるでしょう。

TEXT MarSali

当記事はUtaTenの提供記事です。

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