【秋刀魚の旬】おいしい食べ方と鮮度の見分け方を知って味わいつくそう

E・レシピ

2020/8/6 11:00

俳句の季語となっているほど、日本の秋の代名詞でもある秋刀魚。もはや食材だけでなく、日本の風物詩ともいえる魚です。
でも、本当においしい時期っていつ?おいしい食べ方って塩焼き以外にもあるの?
ほかにも鮮度の見分け方から、栄養素のまで、まとめて紹介します。

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■秋刀魚の旬はいつ?

・秋刀魚の旬は「秋」


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その字のとおり、刀のような細長い形をしていて、ぴかぴか光っている秋刀魚は、誰もが知っている「大衆魚」といえるほど人気の魚です。
北太平洋、日本海、東シナ海と広い海域で群れになって回遊し、エサを求めて生息地がかわります。
日本ではオホーツク海にいる7月ごろから秋刀魚漁が開始されますが、
一番脂がのっているのは襟裳岬沖から南下しはじめる9月中旬~10月中旬。1年のうち、たった1カ月が旬と考えた方がいいでしょう。
この時期には、体長30cm以上のものもあり、おいしそうな秋刀魚を、スーパーなど店頭でもよく見かけます。

・秋刀魚の旬は生食用と加工用で異なる


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意外に知られていないのは、同じ秋刀魚でも、生食用と加工用に分かれていること。もちろん同じ魚ではあるのですが、脂ののった旬の秋刀魚は、お刺身など生で食べることがおすすめ。この時期にしか味わえないぜいたくな一品なのです。
一方、旬を外れた10月下旬以降の秋刀魚は、脂が減り、サイズも小さくなります。これらは主に干物など加工されますことが多いです。

・ 秋刀魚の主な産地は北海道


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漁業・養殖業生産統計を見ると、一番秋刀魚が水揚げされているのは北海道。全体の45%ほどをしめています。
秋刀魚は、北海道よりも北の海域でとれるもの。8月末ごろから北海道東側で水揚げが始まり、10月中旬ぐらいまでは、北海道が主な漁場です。
その後、少しずつ南下し、9月~10月ごろは岩手県、宮城県の東・三陸沖が漁場に。三陸沖は、親潮と黒潮がぶつかり、世界でも3本の指に入る巨大漁場。ここはエサが豊富で、さまざまな魚が集まり、秋刀魚もいちばん脂がのった時期になるのです。

・旬ではなくても年中味わえるわけ


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秋刀魚は秋のもの、と言いながら、1年中店頭で見ることができますよね。実は、これは冷凍されたものなのです。
8月以降の全盛期には棒受網漁とよばれる漁法で、大量に水揚げされ、これらを冷凍していたものが、1年中スーパーなどに出回っているのです。
パッケージに「解凍」などと表示されているものが、このタイプ。ただし、日本の漁港における冷凍技術は、世界でも有数のものであり、おいしさをそのまま冷凍しているので、おいしさは保たれています。

ちなみに、オホーツク海で7月ごろに水揚げされる秋刀魚は、「初物」として人気です。刺身にして食べられることが多いのですが、この時期、大量に水揚げされた秋刀魚と比べ、刺網漁で水揚げされる初物の秋刀魚は、傷つきにくく、鮮度が保たれやすいのです。そのため、この時期ならではの楽しみ方となります。

■旬の秋刀魚のおいしい見分け方

・秋刀魚の鮮度を見極める3つのポイント


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秋刀魚は、比較的新鮮さを見分けやすい魚です。3つのポイントをおさえましょう。

《口先が黄色いものを選ぶ》
口先がとがっている秋刀魚。その口先は、「くちばし」ともいわれているほど特徴があります。このくちばしを必ずチェック!新鮮なものほど黄色く、とがっています。

《おなかが銀白色でハリがある》
秋刀魚は、長さよりも太さでえらぶ、といわれています。餌を追い求めて広い海を回遊し、腹にうま味や脂をたっぷり蓄えられるような体質になっているのです。しっかりハリがあり、皮がぱりっとしているものを選びましょう。

《黒目のまわりが透明で澄んでいる》
どの魚に共通することですが、魚の鮮度は目にでます。どろっと濁ったような色をしている目の魚は、鮮度がよくありません。特に、顔が小さい割に目が大きい秋刀魚は、目で判断しやすいもの。しっかり黒目の周りの白目部分の透明感をチェックしましょう。

・旬の始めと終わりで脂の乗りが違う 


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先ほどお話したように、秋刀魚の旬は、9月~10月。この時期に水揚げされる秋刀魚は、産卵前ということもあり、脂がしっかりのっています。そのあと、秋刀魚は、餌を求めて遠く伊豆半島のあたりまで南下します。
そのため、10月末~11月ごろに水揚げされる秋刀魚は、少しやせ、旬のものに比べて脂がへっています。

■旬の秋刀魚の栄養と効能

・『DHA』と『EPA』で生活習慣病予防


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次は、秋刀魚の栄養素をみていきましょう。じつは、秋刀魚は想像以上に栄養素が多く、あの細長い体にはいろいろな栄養素がつまっているのです。
中でも、DHA(ドコサヘキサ酸)とEPA(エイコサペタンエン酸)と呼ばれる必須脂肪酸が注目されています。人間のからだに必要な必須脂肪酸とは、例えていうなら脂のようなもの。いくつかの種類があり、健康や美容に必要とされるDHAやEPAは、オメガ3脂肪酸と呼ばれるものに分類されています。
秋刀魚は、いわゆる「青魚」と呼ばれる背中の青い魚。この魚の特徴として、DHAやEPAが多く含まれているのです。

DHAは、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やすはたらきがあります。また、脳細胞の活性化や、目の網膜活性化を促す力があります。
EPAも、DHA同様、悪玉コレステロールを減らし、血液などのめぐりをよくするはたらきが。
いずれも、食後の血中中性脂肪の上昇をおさえて内臓脂肪を減らすことを助け、血管のつまりを防ぎます。つまり、血液をサラサラにし、脳細胞を活性化させるはたらきもあるため、生活習慣病の予防によいとされているのです。
ただし、これらは体内で生み出すことができず、食べて摂取するしかない栄養素。定期的に食べてとりいれたい成分です。

・鉄などのミネラル豊富


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また、 鉄分などのミネラルも豊富です。皮付きの秋刀魚を生で食べると、100gあたり1.3mgの鉄分が摂取できます。鉄分は貧血予防に効果的。また、ミネラル群は脂肪燃焼を助け、ビタミンの吸収を促す成分です。これらは、からだの「めぐり」を助けます。

・ビタミンB12もたっぷり


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秋刀魚には、ビタミンも豊富に含まれています。なかでもビタミンDやEが多く、一番多く含まれているのは、B12。
B12は、脂質や糖質の代謝を促し、粘膜を保護する役割があります。

つまり、秋刀魚に多くふくまれる成分は、老化による動脈硬化や血液ドロドロを防ぐ成分がいっぱい。もちろん、シニア層だけでなく、子どものころに日頃から摂取したい成分が、たくさんあるのです。


■旬の秋刀魚のおいしい食べ方
・秋刀魚の塩焼きの上手な焼き方【調理】


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脂ののった秋刀魚は、やっぱり丸ごと塩焼きにして食べたいもの。他の魚に比べて内臓にえぐみがなく、そのまま塩をふって丸焼きにするだけで、とても美味しくいただけます。
ところが、塩を振るだけといっても、ちょっとしたコツで大きく美味しさが変わります。ポイントを3つまとめてみました。

《ポイント1:丸ごと焼く》 
ほかの魚は、身に切り身をいれたり、切って焼いたりすることがありますが、むしろ、秋刀魚には逆効果。うま味や脂が切り口から逃げてしまいます。特にグリルやフライパンのサイズに合わせて半分に切ってしまうことがありますが、できるだけ、秋刀魚は丸ごと焼くようししましょう。

《ポイント2:ウロコをとり、水洗いする》
秋刀魚にもウロコがあることをご存じですか?あまり目立たないのですが、白い腹の部分についているのです。包丁などでこそげ落とし、そのあと流水でさっと洗います。キッチンペーパーで柔らかく抑えて、しっかり水分をとりましょう。

《ポイント3:塩をしっかりふり、なじませる》
ちょっとふりすぎかな、と思うぐらい、塩をふるのがコツ。脂の多い秋刀魚は、塩を多めにふることで、焼いたときにパリパリの皮になります。
塩は秋刀魚の上20cmぐらいの高さからまんべんなくふるようにして、必ず手でなじませます。軽く塗り込むようなイメージで、指の腹を使ってなじませてください。表側だけでなく、裏側も同様に。
このあと、中火でじっくり焼けば、皮がパリパリ、身がふっくらと焼き上がります。焦って強火で焼くのは禁物。外が焦げて、身は生焼けということになってしまいます。

・秋刀魚の塩焼きの上手な食べ方【実食】


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美味しく焼けた秋刀魚の塩焼き。さっそくいただきます…の前に、ちょっと待って! 丸ごと焼いた秋刀魚だからこそ、食べ方のコツがあるのです。
ポイントは骨と身の外し方。これがうまくできないと、食べ終わった後に、ぐちゃぐちゃな残骸がお皿の上に…というはめに。上手に食べられる順番を紹介します。

《1・背骨にそって、お箸を入れ、表側から食べる》
頭から尾に向かって、丁寧に。最初に一直線にお箸を入れることで、身がはがれやすくなります。そして少しずつ上半分を食べ、次に、小骨を避けながら、下半分を食べます。このときも、やはり頭から尾に向かってたべると、きれいに食べられます。

《2・頭から尾へ箸を使って、骨を外す》
表側をきれいに食べた後、反対側を食べるために裏返したくなりますが、これは、NG。
頭についた骨を浮かせて、身を外します。頭のすぐ近くに箸を入れて、尾に向かってすべらすようにすれば、外しやくなります。最後に、尾を折り曲げて骨をはずし、頭と骨を皿の奥に置けば、食べやすくなります。

お箸を動かすのは頭から尾へ、と覚えておけば、身がバラバラになったり、骨が散らかったりすることはありませんよ。

・産地で味わう秋刀魚の刺身


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北海道や三陸沖でとれる旬の秋刀魚は、8月末~10月中旬にしかとれない貴重なもの。この期間の秋刀魚は大きく、脂もしっかりのっているので、初物同様、刺身にして食べるのもおすすめです。
この時期にしか味わえない新鮮な秋刀魚を味わいましょう。
丸ごと買ってきた秋刀魚を自宅でさばくこともできますが、ほかの魚に比べ、細身の秋刀魚は、なかなか上手にさばけないもの。
産地直送の刺身セットも充実しているので、それを利用するのもいいかもしれませんね。
生姜やネギなどたっぷりの薬味とともに、しょうゆで食べるのもおすすめですが、塩やポン酢などさっぱりした味も相性ぴったりで楽しめます。

・煮つけや揚げ物


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刺身や塩焼きに飽きていたら、煮付けや揚げ物に。魚屋やスーパーでは、3枚に下ろした秋刀魚や、はらわたをぬいた秋刀魚も目につきます。ほどよい大きさで、調理しやすい秋刀魚は、主役おかずになる便利な食材なんです。

《甘辛!秋刀魚の煮付け》
お鍋に煮汁を入れて煮付けるだけ!はらわた処理された秋刀魚を使います。
水、酒、砂糖、みりん、しょうゆの煮汁に生姜の薄切りを加えた煮汁が煮立ったら、半分に切った秋刀魚を加えます。
秋刀魚もほかの魚同様、煮ると身が崩れやすいので、途中で裏返したりせず、落とし蓋を利用してじっくり煮るのがコツです。

《秋刀魚の揚げ物》
下ろした秋刀魚の水気をしっかりきったら、かたくり粉(小麦粉でもOK)をまぶして揚げてみましょう。
生姜醤油でしっかり下味をつけて、素揚げにしてそのまま食べるのもよし、揚げた後に香味ネギソース(みじん切りの白ネギに砂糖醤油、酢をくわえたもの)を加えて食べるもよし。
厚みのある身ではないので、170℃ぐらいの中温でじっくりあげるようにしてください。

・洋食にもなる


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和食のイメージの強い秋刀魚ですが、洋食アレンジもおまかせ。しっかり味のソースが相性バツグンです。丸のままでも、下ろしたものでも、好みで選びましょう。

《洋風ソースアレンジ》
バターで焼いた後に、トマトソースやキノコソースを合わせて食べたいもの。このとき、にんにくをしっかりきかせると味にメリハリがつき、ごはんにも合う洋食メニューになります。

《ストックフードにもなるオイル煮》
オリーブオイルでじっくり煮たオイル煮は、密閉容器に入れて、冷蔵庫で1週間ほど保存が可能。オイル煮を作っておけば、そのままサイドメニューになるだけでなく、すぐにパスタソースに使いまわしたり、クラッカーをそえたおつまみにもなったりします。
作り方は、にんにく、ローリエなどをいれたオリーブオイルでじっくり煮るだけ。しっかり冷ましてから、清潔な密閉容器に入れてください。

■秋の秋刀魚を食べ尽くそう!


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日本の秋を感じさせる秋刀魚は、誰もが食べたことのある日本のソウルフード。近年では漁獲量が減り、昔ほど安価に手に入れることができなくなりましたが、それでも、秋を感じるために必ず食べたくなる魚です。
もう一度、まるごと塩焼きを極めても、アレンジレシピにチャレンジしても良いですね。今年の秋も、味わい深い秋刀魚の食べ方を楽しんでください。
(AYA)

当記事はE・レシピの提供記事です。

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