くろくも×おさむらいさん 心に希望の火を灯す、歌声と奏でーー配信ライブ『撥雲見天』をレポート

SPICE

2020/8/1 12:00

くろくも×おさむらいさん -撥雲見天-
2020.7.31 Streaming+


YouTube総再生回数5000万回超えの歌い手・くろくもと、超絶技巧を誇るギタリスト・おさむらいさんが、『くろくも×おさむらいさん -撥雲見天-』と題して、7月31日に配信ライブを行った。それは、“暗く厚い雲が晴れ太陽の光がさすように、心配事がなくなり将来に希望が持てる”という意味の四字熟語を冠したタイトルに相応しいものとなった。なお、このライブ映像は8月7日(金)23時59分までアーカイブが配信され、期間中であれば誰でもチケットを購入し視聴することが可能なのだが、ここではネタバレを含んだレポートをお届けする。

始まりは、穏やかで美しいアコースティックギターの奏で。和装のおさむらいさんがまずひとりで届けてくれたのは、彼のオリジナルアルバム『君の影を奪う』に収録されている楽曲「零れ落ちる前に」だ。長い指を魔法のように操ってギターを歌わせるおさむらいさんだが、ギタリストの手元がしっかりと見られるのは、配信ライブならでは。思わず見入ってしまう。

おさむらいさんのていねいな紡ぎにくろくもの歌声が重なったのは「夜明けと蛍」。くろくもが高校生のときに動画投稿したナンバーだ。赤色のブーケを飾ったマイクを手に持ち、低音から高音まで見事に響かせるくろくもの歌力といい、愁い色をたたえたおさむらいさんのギターソロといい、想像させてくれる景色はなんてきれいなんだ。続く「ラプンツェル」でも思い知るのは、心震わせる歌声とギターの音色があれば、ほかになにも要らない、ということだ。

くろくも「ということで、始まりました『撥雲見天』。イェイ!」

おさむらいさん「イェイっ(控え目に)」

くろくも「まずは自己紹介しましょうか。普段はニコニコ動画やYouTubeの“歌ってみた”というカテゴリーで活動しています、くろくもです」

おさむらいさん「“演奏してみた”でギターを弾いているおさむらいさんでございます」

くろくも「いつもはもっと騒いじゃうんですけど、今日は抑えめでいきますね」

おさむらいさん「いやいや、いつも通りでいってください。僕は頑張ってついていくので」

くろくも「ムリしないでください、ありのままでお願いします(笑)」

なんだか和んでしまうトークをはさみ、「次に歌う曲は、和装のおさむらいさん、和風な会場の雰囲気に合わせて選びました」とくろくもが前置きしたのは、倉木麻衣の「渡月橋 ~君想ふ~」。印象的なギターフレーズも、和情緒漂う歌い回しも、本当に美々しい。
くろくも
くろくも

一転、おさむらいさんがアコギでロックしたのは、椎名林檎の「丸の内サディスティック」。くろくもにしても、巻き舌を交え、がなりに近いやさぐれた歌い方もして、先ほどとはまるで別人のよう。一口にアコースティックライブといっても、表現する人によって幅はどれだけでも広くなる。

「夜の道標」は、7月18日に予約開始されたばかりの、おさむらいさんのアルバム『紫陽花は縋り付く』に収録されているナンバー。ギター1本で描くドラマには幻想感も満ちていて、いつまでも浸っていたい心地よさだ。くろくもが6月の終わりに“歌ってみた”動画を投稿した「とても素敵な六月でした」を、アコースティックアレンジで聴けたのもうれしいところ。くろくもの2ndメジャーアルバム『bloom』に収録されている「Black Lily」では、<愛しても愛されない><信じても苦しいだけ>というもがきを2人が情感豊かに表現したが、バンドアレンジとは違った叙情は、受取手の想像力を驚くほど豊かにしてくれる。そして、おさむらいさんが「藍を懐う」の繊細な紡ぎで魅了したあとは、再びやさしい2人の癒しトークへ。

おさむらいさん「くろくもさんのリスナーも含めて、なかなかこういうアコギだけの音楽って聴かないですよね」

くろくも「いやぁ、心地よすぎて寝ないように、必死に手元を見てました。手元のやさしさ!」

おさむらいさん「そういえば、ネイルを昨日新しくしたんです。モノクロの紫陽花をイメージして、“雲”っぽくもなるかなって」

くろくも「ありがとうございます! それにしても……余韻がすごすぎて歌えなくなる」

おさむらいさん「じゃあ、いつものテンションになるためにMC長めでいきましょう。閉じこもっている間、なにしてました?」

くろくも「寝て起きてゲームを繰り返してました。普段あまりゲームをしないけど、『Apex Legends』にハマっちゃって」

おさむらいさん「血を求めてしまいましたか(笑)。私は自宅スタジオでギターを弾いている普段と、そんなに変わらない毎日で。あとは、ニコニコ動画やYouTubeを観たりとか」

くろくも「私も観ます、YouTube……って、なんだろうこの会話(笑)。でもあれですね、この配信を観て少しでもライブ気分を味わって楽しんでいただければと」

おさむらいさん「ですね。梅雨が開けたら高気圧がくるから、そういう曲をやりましょう」

くろくも「この季節にぴったりな曲を持ってきました」

そんな言葉に導かれたのは、「少女レイ」<踏切へと飛び出した>や<二度とは帰らぬ君>など、ドキっとさせるような不穏な言葉もありつつ、伸びのよい歌声、足取り弾むようなギターフレーズが思わせるのは、まさに爽やかな夏だ。
おさむらいさん
おさむらいさん

「日の光を遮る雲が晴れるかのように心配事がなくなり、将来への希望が持てますように、という想いを込めてこの配信ライブを企画しました。少しでも、みなさんが元気になれますように。それでは、最後の曲です」

そう言ってくろくもがタイトルコールしたのは「サマータイムレコード」。サビでは、おさむらいさんがコーラスを重ねる場面も。センチメンタルな気分にひたりながら、画面の向こうで一緒に口ずさんだ視聴者も多かったのではないだろうか。やはり歌は、音楽は、暗闇に光をもたらしてくれるものだ。

「今のご時世、気持ちが沈みがちになってしまうかと思います。私も直接みんなに会えなくてめちゃくちゃ寂しいです。でも、今を乗り切れば明るい未来が待っていると思います。また、どこかで会おうね」

おさむらいさんの穏やかな爪弾きにのせ、約束してくれたくろくも。心に灯った希望の火を絶やさずに、素晴らしい音楽人2人にまた逢える日を心待ちにしよう。

文=杉江優花

当記事はSPICEの提供記事です。

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