シンセ番長・齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第七十六沼 『心霊沼!』

SPICE

2020/7/31 13:31


「welcome to THE沼!」

沼。

皆さんはこの言葉にどのようなイメージをお持ちだろうか?

私の中の沼といえば、足を取られたら、底なしの泥の深みへゆっくりとゆっくりと引きずり込まれ、抵抗すればするほど強く深くなすすべもなく、息をしたまま意識を抹消されるという恐怖のイメージだ。

一方、ある物事に心奪われ、取り憑かれたようにはまり込み、その世界にどっぷりと溺れること



という言葉で比喩される。

底なしの「収集」が愛と快感というある種の麻痺を伴い増幅する。

これは病か苦行か、あるいは究極の癒しなのか。

毒のスパイスをたっぷり含んだあらゆる世界の「沼」をご紹介しよう。

シンセ番長・齋藤久師が送る愛と狂気の大人気コラム・第七十六沼 『心霊沼!』

暑いですね。夏が来ますね。夏といえばアレですよね。。。。

写ってしまった。

いわゆる「心霊写真」というものが、、、、、、。

私は、心霊現象やオカルティックなものが大好きだ。それはちょうど多感な小中学生の頃、第一次オカルトブームをいうものを体験したから他ならない。

一見、ホラー映画などは「人間の闇深さ」を描写し、そこに没入し「暗く怖い気持ち」になってしまうという間違えた認識をされる事が多いが、実のところホラーやスプラッター映画は映画館の大スクリーンで「爆笑」しながら見るのが本筋だと思うのだ。

あるいは、自分がポジティブすぎて、すこしばかり暗い自分を演出し、悦に入るとか。

現に、映画大国で育った多くのアメリカ人達がそうで、ショッキングシーンが登場すると、怖がりながらも映画館内は爆笑と拍手喝采の両方で盛り上がる。

ポップコーンが空中に飛びまくる。

お相撲の座布団投げと同じなのだ。エンターテインメント。

そして特に根っからの明るいタイプの人間は「暗い」ものを好む傾向にあるのではなかろうか。

暗い音楽が好きな人はだいたい超ポジティヴ思考が多いし、ホラー映画を見て爆笑している。私もだ。

「目に見えない何か」が存在しないというわけでは無い。

間違いなく存在しているのだ。

ただ目に見えない、あるいは耳で聴こえないから認めないだけなのだ。

人間の目に見えない物とは、つまり人間が自ら退化させてきた機能であり、本来なら全てを見る事ができた。あるいは聴く事や感じる事が出来た。

おそらくだが、言葉がなくても相手の意思を理解できる動物たちは未だに言葉では無いツールを使ってコミュニケーションをとったり、危機察知をしているのだろう。

動物たちは視覚以外にも嗅覚、聴覚などが退化せず活きているのだ。

しかし、もしも人間に言葉が無ければ、相手の意思が全てわかってしまったとしたら、、、

争い事は無限に続いてしまうだろう。

以前の沼でも書いた通り、私のライフワークは「特殊釣り」だ。

何故特殊かといえば、餌に似ても似つかない巨大ルアーをぶん投げているから、なかなか釣れない。

そのため、8年も魚を手にしたことがなかった。

ところが、、、研究に研究を重ね、本年5月13日から2ヶ月の間、なんと10本の50cmオーヴァーの魚を連続して釣りあげているのだ。

週に1本の50UPなんて、プロアングラーでもなかなか無いのでは無いか?

その秘伝を公開すると、簡単に言えば「人が入って行けないような鬱蒼としたアシ(身長以上も丈がある草)を藪漕ぎしながらポイントへ進んでいく」だ。しかも真夜中に。
昼間でもこんな感じだ。しかもコレは獣道があるだけマシ。
昼間でもこんな感じだ。しかもコレは獣道があるだけマシ。

そこには危険が沢山潜んでいる。

極端な鳥目の私にしてみれば、月の光しか便りに出来ず、曇りの夜など漆黒の闇の中で獣道も無いサンクチュアリーに進んでいくわけだ。(獣も通らないんだぜ)

そこでの危険は蜘蛛の巣地獄など甘っちょろい。

たぶんヘビをしょっ中踏んでいる。

側溝に落ちる。

落水する。

まず小水路の好きな私は、闇夜の中、ずるずるに滑る急傾斜の崖を降りていく。

そこで1日の釣行で最低で10回は転倒する。

だれもが「ライトを付けていけばいいじゃないか?」という疑問をいだくだろう。しかし、私の狙う魚は夜行性のため、不自然なライトが寄ってくれば人間の存在に気付き逃げてしまう。

それを見た(というか、一緒に釣りに行って私が水没する現場を目撃した)友達が、「久師さん、アイゼンつけましょう」というので早速導入してみた。

すると、落水度は0回に!これは助かった。
滑り止めアイゼンをHUNTERにくっつけた
滑り止めアイゼンをHUNTERにくっつけた

しかし、落水や転倒が無くなると、私は更に人間が絶対に入っていかないような秘境を目指し始めた。

その日は朝からレコーディングをしていて、気がついたら昼寝していた。

目を覚ますと夜8時。「コレはヤバイ!」と目を擦りながら水路を求め車を出した。(何がヤバイんだw)

現場に行って騒然とする。。。

虫除けスプレーを完全に家に忘れてきていたのだ。。。。。

まあ、3時間もかけて釣り場に行って「あ!釣竿忘れた!」という過去よりはマシだと思い、私は虫除けを付けないまま藪漕ぎをしながら、12年通って1匹も釣れなかった水路の上流を目指した。


人は集中している時(特に私は過集中のため)蚊にさされている事に全く気づかず、おそらく数十年は誰も人が足を踏み入れていないような上流に進んでいった。

帰宅後気絶しそうになった。

写真の通り、少なく見積もっても100箇所以上蚊に刺されており、それを見た瞬間アナフィラキシーショックを起こし(遅っそ!)、熱を出しぶっ倒れたw


幅2m、深さ80cmの小水路は両サイドを竹藪に囲まれてている。

人が歩ける幅は20cm程。ちょっと間違えたらドボンだ。細心の注意を払いながら80m程の道のりを20分もかけて中腰で進んでいった。

タバコをふかしホッと一息つき、いつもと違う釣方を試してみた。

とにかくルアーがデカイので、なげたら「ドバシャ~~~~ンン!!!!!」という音がしてしまう。

私は上流の奥の奥に来たので、ルアーを水面にそっと降ろしてみた。すると、下流の先にある本流(大きな川)に向かってルアーはゆっくりと流れていった。

ルアーが流れていく時、物音を立てずに静かにタバコを吸っていたら、突然嫌な寒気がした。外気は28度もあるのに。

ゾワゾワっとなにか嫌な寒気だ。

そのうち、ルアーが50m(そうとう遠い)も下流に流されたところでリールを巻こうとした瞬間

「ドカン!」

と超ド級のブラッックバスが食いついた。(余談:コロナでソーシャルディスタンスという言葉が馴染んで久しいが、釣りの世界でもディスタンスがとても大事なのである。人的プレッシャーを与えないために)

しかーし!そんな遠く離れた場所でバスがヒットした事が無かった私は焦った。バラしてはいけないという一心で、まるでハムスターの歯車回転のような速さでリールを目にも止まらない速さ(逆に止まって見えるくらいw)でぐるぐる回した。

50mの格闘の末、飛び出したのは55cmのデカバスだ!!!!!!!!!!!

キャッチ&リリースを早急に行わなければ、バスちゃんは酸素が頭に回らなくなって気絶してしまうので、釣り上げて写真をパチリと一枚撮ってすぐに水に戻してあげた。

「バイバイ!また会おう!」とバスちゃんに感謝を込めて。

なにしろ、12年間通い詰めて全く釣れなかった現場で初めて上げた魚がナマズでも雷魚でも鯉やフナでもなく、55cmの巨バスだった事もあり、数日間はその写真をみながらニヤニヤしたり、友達に自慢しまくっていた。しかし、、、

その写真をしばらく凝視していると、なにかの違和感を感じた。

自分の顔の向かって右側にもう一つの顔が見えてきた、、、、、、、。

おわかりだとうか?


あまりのガクブルに友達に写真を送ってみると、「最初みた時、ちょっと違和感かんじていた」という。

そして昨日、SNSにこの写真を投稿したところ、とくに繊細な方々から沢山のDMをいただいた。

Kちゃんからは「お清めの塩がいいよ」とか心配してくれている。

中でもCちゃんから来たメールが怖かった。

クラブで踊っている時に友達にこの写真を見せられ、危険を感じ、すぐに連絡をくれた。

そして、いまそちら方面のプロフェッショナルな方に相談中だ。

なんでも、恐ろしい「男の霊」がくっついているらしいのだ。

ありがとう。

しかし、釣り人はアホーだ。それだけの忠告を受けながらも、その日の夕方、あえてまた同じ場所に行ってみたのだ。

幸い何事も起こらず(寒気もせず)、魚も釣れず帰宅した。

帰りの自動車からハンズフリーで奥さんに電話した。

「塩!大量の塩用意しといて!」

すると、彼女は

「え?あのヒマラヤの岩塩相当高いの知ってる?」

私は

「違う違う、そんなんじゃなくっていいから、とにかく満載の塩用意しといて!それと、家の四つ角と玄関に塩!とにかく塩ね!」

帰るなり、私は頭から尋常じゃ無い程の塩を浴び、車も塩でお清めした。

吉田巨匠が丹精込めて作ってくださった(横尾忠則さんも御用達の)「炭」を全ての場所に配置!


確かに、目に見えないものに対して我々人間は鈍感になっている。

人間を1番多く殺している生き物は「蚊」だという事は以前の沼でもご紹介したが、私が1番怖いのは幽霊でも蚊でも、蛇でも毛虫でもなく、紛れもなく「人間」である。

女装した男性に夜釣りで追いかけまわされた時もあるが、そういう怖さでは無い。

人間の怨念が1番怖い。

その危険に遭遇する原因は自分にもある。「距離感」だ。

もう一度言う。「距離感」だ。

そういった意味で私には残念ながら数人の友達しかいない。それで十分幸せである。

注意追伸:ある日の夜中、田んぼの水路で釣りをしているとリールが故障し、しょうがないのでライトを付けてしゃがんだ瞬間、まるでカミナリに打たれたような電流が全身を走り、いわゆるよくアニメで感電してガイコツになるシーンをリアルで体験した。



釣りをする人は気を付けた方がいい。獣除けのために田んぼの周りに張られている「線」。あれは電流が流れている。それでもまた今夜、私は釣りにいく。


当記事はSPICEの提供記事です。

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