LOW IQ 01 ソロ弾き語りとトークで繰り広げた奔放配信ライブ

SPICE

2020/7/30 12:30

LOW IQ 01 Acoustic Show ~LIVE LOVERS~ eplus living room cafe&dining 2020.7.28


待機画面から中継に切り替わると、アップになったアルコール消毒の容器の向こうから「始まってんの?」というLOW IQ 01(以下、イッチャン)の声。カメラがそちらの方向を映すと、イッチャン、バーカウンターで一杯やってる。配信会場となったeplus LIVING ROOM CAFE&DININGは、普段からライブ演奏を観られるタイプのカフェ&ダイニングなのでステージの下手側にカウンターがあり、その造りを活かした演出だ。



ステージMCの田原104洋がカウンターの向こう側、バーテンダーのいる位置にいて、まずはしばしトークを。「みなさん、ガッチリ観ちゃダメ」「俺、歌えるかな、今日。スイッチ入るかな」などなど、ハードルを下げたり不安がってみたりするイッチャン。とは言いつつも、5ヶ月ぶりのライブだ。自粛期間中、バンドマンとして、ステージ立つものとして溜め込んでいた渇望と気合い、そして期するものは相当あっただろう。当初の予定より早く(本人談)ステージへ。



イッチャンの音楽性の軸はパンクだが、これまでのキャリアを通して、管楽器も加えた大所帯編成のMASTER LOW、3ピースバンド編成のLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS、ドラムとの2人というミニマムなLOW IQ & THE BEAT BREAKER/LOW IQ 01 & ANOTHER BEAT BREAKERなど、あらゆる形態のアウトプットにトライしてきているミュージシャンでもある。この日はアコギ一本の弾き語りという最もシンプルな形で、「Snowman」「Delusions of Grandeur」など、おなじみの楽曲を届けていく。パンキッシュでストレートな原曲の面影は残しつつ、アコギの音色と人懐っこいメロディライン、朴訥とした味わいのある歌声もあってか、ところどころカントリーやフォークの手触りも感じるのが面白い。



「5ヶ月ぶんのフラストレーションを溜めてボーンと。それをみんながこうして笑ってくれたり感動してくれたらすごく嬉しい」

曲間には田原がチャットのコメントを読み上げてそれに応えたり、ボケてみたり、自画自賛してみたりと、無観客だろうがステージ上に自分一人だろうが関係なく、いつものフリーダムなイッチャンのペースだ。芸人・SAKURAIのネタのコピーを繰り出したり、ツェッペリンや松田聖子や長渕剛を一節やったり、MC中もまったく見逃せない。本人曰く、思いついたことは全部やるとのこと。というか、曲中だろうがお構いなしで、唐突にACIDMAN・大木伸夫の歌マネを盛り込んできたりする。中盤には盟友・BRAHMANのカバーをする一幕もあったが、ここでもモノマネ+替え歌とやりたい放題やったかと思えば、随所でしっかり聴き入らせてくれたりと、とにかく落差が凄い。



「今までできたことがこんなに有難いんだって思うことがあってさ。やっぱりベースをアンプに突っ込んで音を出す瞬間、普通にウオーってなるし。大事にしたいな。当たり前だったことを大事にしたい」

本来であれば当然、爆音のベースとライブハウスの狂騒がよく似合うイッチャンは、8月8日にバンド編成での配信ライブを行うこともライブ中に発表した。弾き語りスタイルでも笑いあり、感動ありと終始リラックスした雰囲気の中で楽しませてくれただけに、バンドでの配信にも当然期待が高まる。と、その前にこの日のアーカイヴ視聴も可能(7月31日いっぱいまで)なので、未視聴の方はぜひ。



最後は予定になかったという「WAY IT IS」まで演奏してからライブを終え……たかと思いきや、終了画面が表示されてから数分後、アンコールにも応えてくれた。配信ライブというやり方自体は、コロナ禍ゆえ行われることになったイレギュラーなもので、生を超えるものではないと思う。でも、せっかくならこのイレギュラーをとことん楽しんでやろうじゃないか。楽しませてくれる存在がいるんだから。とことん痛快な約2時間だった。

取材・文=風間大洋



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