日産復活の旗手? 新型EV「アリア」が予感させる高次元の走り


日産自動車が2021年の発売を予定する新型クロスオーバーEV(電気自動車)「アリア」は、高次元な走りを予感させるクルマだ。アマゾンのアレクサを起用していることから考えると、移動中の快適性についても、新時代のクルマの在り方を見せてくれるのではないだろうか。

○アレクサ採用は賢明な判断

日産はアリアの頭脳として、自社開発した技術とアマゾンのアレクサを併用する決断を下した。前者は「ハローニッサン」と呼びかけることで、エアコンやナビなどを音声で操作することができる。後者の機能を使えば、天気予報の確認や家族などとの通話のほか、走行中の車内から自宅の照明を操作したり、エアコンのスイッチを入れたりといった使い方が可能だ。

筆者も2年以上、アレクサを用いたアマゾン「エコー」を使っていて、使い勝手には満足している。自動車メーカーがすべての音声操作システムを開発する例もあるが、実績ではアマゾンやグーグル、アップルなどが大きく引き離しているのが現状なので、日産がアレクサを併用としたのは賢明な選択だと思っている。

さらに、専用のスマートフォンアプリを使えば、乗車前にスマホでドライブコースを決めてアリアに転送したり、リモートでエアコンをオンにしたりすることもできる。

○EVプラットフォームで高性能を実現

次は走りの性能について見ていこう。アリアには1モーター2WDと2モーター4WDがあり、それぞれに65kWhと90kWhのバッテリー搭載モデルを用意する。満充電での航続距離は、最も長い2WD・90kWhモデルで610km(WLTCモード)とリーフの1.5倍近い数字をマークしている。ロングレンジがアピールポイントのひとつであり、ボディサイズも近いテスラのEV「モデル3」の最長560キロを超える航続距離であり、これだけの数字をマークしていれば、電池切れの不安はないと思う人は多いのではないだろうか。

4WDは「e-4ORCE」と呼ばれる最新の制御技術を搭載。前後のモーターと4輪のブレーキを繊細にコントロールし、減速時のノーズダイブを防いだり、リニアで安定したコーナリングを楽しんだりすることを可能としたそうだ。新開発のEV専用プラットフォームはバッテリーを車体中央に置くことで、低重心かつ前後均等の重量配分を実現。バッテリーケース内に骨格を通すことで高剛性も確保したという。

バッテリーは最大130kWの急速充電に対応するとともに、水冷式温度調節システムを搭載し、30分の急速充電で最大375キロの走行が可能な電力を確保できる。日産では、既存のものより強力な150kWレベルのチャデモ規格急速充電器を、国内の公共性の高い場所に設置すべく調整を進めているとのことだ。

アリアの日本における発売は2021年中頃で、価格は約500万円からになる予定だという。今から1年後であれば、デザインは新鮮さを失わないだろうし、航続距離などの性能も色あせることはないはずだ。日産復活の旗手といえるアリア、早く実車に触れてみたいものだ。

○著者情報:森口将之(モリグチ・マサユキ)
1962年東京都出身。早稲田大学教育学部を卒業後、出版社編集部を経て、1993年にフリーランス・ジャーナリストとして独立。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員を務める。著書に『これから始まる自動運転 社会はどうなる!?』『MaaS入門 まちづくりのためのスマートモビリティ戦略』など。

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