育児アドバイザーに聞く、みんなの子育て相談室 第38回 自主的に「宿題」をする子になるには?


「毎日のように怒ってしまう」「言うことを聞いてくれなくて困る」「夫(妻)と育児方針がかみ合わない」……などなど、育児に悩みは尽きません。特に、毎日忙しく過ごしている共働き夫婦なら尚更でしょう。

ここでは、育児中のマイナビニュース会員に"育児の悩み"についてアンケートを実施。寄せられたお悩みに対して"どのようにすべきか"を、NHKの育児番組でキャスターを務めた経験を持ち、現在は育児のセミナー講師や書籍執筆なども行っている天野ひかりさんに、アドバイスしてもらいます。

園や学校が始まって、親もようやく落ち着いてきた頃でしょうか。1カ月前は、園や学校に無事に通えるかな、友達できるかな、慣れるかな、と心配していたようですが、ここにきて宿題やおけいこの課題をちゃんとしたのかどうかが気になるというご相談が増えてきました。

コロナでお休みが続き、学習の遅れも気になる中で不安になる気持ちもよくわかります。そこで今回は、「子どもに宿題やったの? とばかり言っている自分が嫌です。結果ばかりが気になり、待つことがとても下手です。どうしたらいいでしょうか」というご相談に、親子コミュニケーションアドバイザーがお答えします。
○宿題は子どもの自主性が大切

子どもが宿題をしたのかどうか、気にならない親はいないでしょう。終わっていれば一緒に遊べますが、まだであれば急いでやらせなければと思いますよね。

しかし、ご相談者さんもわかっているように、結果を求めても意味はないのです。子どもは、やったかやらないかの結果だけを聞かれていると、早く終わらせるために答えを丸写ししたり、終わってないのにやったと嘘をつくようになってしまうかもしれないからです。

とはいえ"待つ"必要もないと思います。お子さんが小学校低学年であれば、待っていてもやらない子の方が多いので、気になったら、お子さんの隣に座って、一緒に宿題をみてみるのはどうでしょうか。

ここで注意していただきたいのは、「親が宿題をやらせないこと」と「親が解き方(やり方)を教えないこと」です。

なぜなら、これは親が主導権を握ってしまっているので、子どもは宿題をさせられていると感じ、嫌になってしまいます。

理想は、子どもが学校で習ったことを、宿題をしながら親に得意げに教えるようになることです。教わるより教える方が身につきますし、理解していないと人にわかるように教えられないからです。

また、教えながら自分の頭を整理していく作業でもあるので、多少途中の解釈などが違っていても親は「うんうん」と興味深く最後まで教えてもらってください。

ときどき熱心なお母さんお父さんは、「今日習ったことを教えて?」と急に子どもに言わせようとしてしまいますが、すぐにできるようにはならないので、順番に理想に向かうよう心がけましょう。
○宿題に興味を持てるように「言葉かけ」をする

では"一緒に宿題をみてみる"とはどういうことなのか、実際に自分から宿題をする子に育った親がしていることを聞いてみたところ、「宿題に興味を持てるように、日常的に言葉かけをしていた」ようです。

たとえば、漢字の宿題なら「この漢字、このポスターに使われてるね」「こんな難しい漢字、もう習うんだ? 書けるなんてすごいね!」や、割り算なら「クッキーが10枚あるから、2人で分けて食べよう! 1人何枚たべられる?」といった言葉かけです。

つまり「学んでいることと実生活がクロスしていること」を、小さいうちから実感できることが大切なのです。

親は、子どもが勉強を自分と関係のないつまらないものと捉えないうちに、生活の中で子どもが興味のあることに結びつけてお話しするようにしましょう。

水泳が大好きであれば、「さんずいの漢字は、水に関係あるんだね。『泳』『海』『池』……他にあるかな?」などと言いながら、探してみたら楽しくなりますよ。サッカーが好きであれば、世界地図で選手の国を探してみることも楽いのでおすすめです。

我が子が興味を持ちそうなことを1番知っているのは、お母さんお父さんのはずです。お子さんの興味のあることや好きなことを結びつけて、一緒に学ぶ楽しさを実感するようにし、仮に子どもが興味を持たなくても怒らないように気をつけましょう。
○子どもが熱中することは応援しよう

宿題はやらせることが目的ではなく、お子さんの興味を引き出すことが大切だと念頭に置いておきましょう。

そして親は、子どもがお母さんお父さんと一緒に宿題をすると楽しく、知的好奇心がくすぐられ、自分の好きなことをどこまでも探求・集中・達成できることを、小さい頃から実践できる環境を整えましょう。

仮にそれが、戦国武将の偉業を書き出したり鉄道の名前を覚えたりと、宿題をすることよりも熱中させることに繋がってしまったらどうでしょうか。

その時は、どうぞ熱中していることを応援してください。宿題は、一人ひとりの個性に合わせたオーダーメイドではなく、クラス全員に出されるので夢中になれるかどうかに個人差があります。

熱中し始めたら、親は邪魔せずに、最後までやらせてあげたいものです。低学年でも好きなことなら2時間ほど熱中できます。その力がのちのち、自分で考えて行動できる子に育っていくよう、花開くのです。

親は「目に見えること=宿題をやったかどうか」を気にしがちですが、そうではなく、子どもが熱中して取り組んでやり遂げることを応援しましょう。その中で培われる力こそが、将来、自分から宿題をする子に育っていきます。

○執筆者プロフィール :天野 ひかり

・親子コミュニケーションアドバイザー

・NPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事
上智大卒。テレビ局アナウンサーを経てフリーに。
NHK「すくすく子育て」キャスターとしての経験を生かし、全国の親子に寄り添いながら、講演会や講座、シンポジウム、企業セミナー講師などを実施。
自身が立ち上げたNPO法人でも、子どもの自己肯定感を育てる親子のコミュニケーションを学ぶ教室「ことばでおやこみゅ教室」を主宰する。
■HP: h I k a r i a m a n o
■著書
・Amazon子育てランキング1位のロングセラー
「子どもが聴いてくれて話してくれる会話のコツ」サンクチュアリ出版
・最新刊
「賢い子を育てる夫婦の会話」あさ出版 ほか。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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