コロナ氷河期、30~40代サラリーマンが生き残るためのキーワードとは?

日刊SPA!

2020/7/28 15:50

 緊急事態宣言が解除され、経済活動が再開されたら一段落……そんな安心感は幻想にすぎない。経済対策の効果が切れ、企業の体力が尽き、大量の失業者が生まれる「雇用崩壊」はむしろこれから本格化する。リーマンショックをはるかに超える「コロナ氷河期」。その最悪のシナリオと生き残る術を探っていく。

◆現役世代が生き残るには、「付加価値」がキーワード

取材した識者が口を揃えたのが、「コロナ氷河期では10年かけて起こる予定だった変化が1年で起こる」ということ。人材育成コンサルタント・片桐あい氏は「この変化についていけない人と対応できる人で二極化していく」と予測する。

「まず身につけておくべきは、自分の成果をいかに可視化するかという“成果アピール力”。成果で評価するジョブ型雇用が浸透するということは、逆に成果が出なければ簡単にクビを切られるということ。日本では組織の調和を優先して個人の成果をアピールすることが好ましくないとする傾向もありますが、上司の顔を立てれば出世できる世界ではなくなります」

片桐氏の周囲では、「労働時間の“量”でアピールしていた人が、テレワークでどうアピールすればいいのか悩んでいた」というが、それこそ本末転倒だと指摘。

「仕事の目標やゴールが変わったわけではないのに、上司に働いている姿を見せていないと認めてもらえないという働き方がそもそもの間違い。成果を出すということは、言われた以上に付加価値を加えて返せるということ。組織のために自分の強みを惜しげもなく投資し、成果を出して貢献する。そうした仕事の成果を誇れないというのであれば、それは会社にただぶら下がっているだけの人です」

この点で、「仕事はカネのため」と割り切りすぎるのは危険だとも。組織人事コンサルタント・曽和利光氏は語る。

「ワークライフバランスは大切ですが、だからといって『与えられた仕事だけこなす』『給料分だけ働く』というのは極端。そもそもその『給料分』が、成果という質ではなく、労働時間という量に依存した話になりがちです。

これからは会社員といえども、フリーランスに近いマインドが必要になる。どんな仕事に取り組み、どんな過程を踏んでいるかをアピールしつつ、最終的に成果物で周囲を納得させる。こうした仕事への向き合い方ができる人は、テレワークにもすんなり対応しています」

テレワークで問われるのは「仕事のやり方」ではなく、実は「仕事への向き合い方」なのだ。

「逆に、そのマインドになっていないローパフォーマーに限って出社したがる。最悪のシナリオは、そうした人が集まってオフィスという密室で意思決定や合意形成が進んでしまい、その会社自体がコロナ氷河期で淘汰されてしまうことです」(曽和氏)

◆現役世代の管理職に求められる人材は?

だからこそ、現役世代の管理職に求められるのは、「理性的かつフェアで、情報共有の場づくりができる人材」だと片桐氏。

「出社、テレワークにかかわらず、社員が情報発信をしやすい場をつくれる人。そして、各人の成果を公平に評価し、それを上役に正当に報告できる人。こうした上司がいれば、そのチーム全体のモチベーションが高まり、信頼関係によって生産性が向上します」

仏頂面で周囲を威圧し、手柄だけ横取りするような化石上司は、コロナ氷河期によって絶滅する。

▼コロナ氷河期で生き残る人

・ジョブ型移行にも柔軟に対応。仕事の成果をアピールできる

・自分の強みを仕事に投資し、付加価値を創出して貢献できる

・情報発信しやすい場をつくり、理性的でフェアな評価ができる

▼コロナ氷河期サバイバルの心得

・仕事のゴールとプロセスを開示し、周囲にアピールしつつ成果を出す

・仕事の「やり方」より「向き合い方」。単純労働から脱却すべし

・テレワーク組を放置して、出社組の村社会と化せば、会社ごと潰れる

【人材育成コンサルタント・片桐あい氏】

カスタマーズ・ファースト代表取締役、産業カウンセラー。外資系企業を経て独立。著書に『これからのテレワーク 新しい時代の働き方』(自由国民社)

【組織人事コンサルタント・曽和利光氏】

人材研究所代表取締役社長。リクルートの人事採用部門を経てさまざまな業種の人事・採用部門の責任者を担当。著書に『コミュ障のための面接戦略』(星海社)など

<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/サダ>

―[コロナ氷河期の衝撃]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ