英ファッションデザイナー「ウィキリークス」創始者の米引き渡しに抗議 裁判所前で巨大な鳥かごに入り「人々は何が起こっているのか知らない」

1970年代にロンドンでパンクファッションを流行させ、「パンクの女王」の異名を持つ英ファッションデザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッド(79)。そのウエストウッドがロンドンの中央刑事裁判所前で巨大な鳥かごに入り、内部告発サイト「ウィキリークス」創始者ジュリアン・アサンジ(49)の米国への身柄引き渡し要求に抗議した。アサンジは米司法省からスパイ活動法に違反したなど計18の容疑で起訴され、現在ロンドンの刑務所で服役中だ。

英時間21日、ヴィヴィアン・ウエストウッドがロンドンのオールドベイリーこと中央刑事裁判所前でジュリアン・アサンジの米国への身柄引き渡し要求に対する抗議活動を行った。アサンジは2010年に「ウィキリークス」でイラク戦争における米軍機密情報を公開、同年にスウェーデンでの性的犯罪疑惑で国際手配され、ロンドンで逮捕された。

保釈中の2012年にはスウェーデンへの身柄引き渡しを避けるため在英エクアドル大使館に入り、2019年に保釈中の逃亡容疑と米国からの身柄引き渡し要請に基づいて逮捕されるまで保護された。米司法省はアサンジを機密文書の漏洩や機密情報への不正アクセスへの手助け、スパイ活動法に違反した容疑など計18の容疑で起訴し、米国への身柄引き渡しを要求している。

現在はロンドンのベルマーシュ刑務所で服役中で、身柄引き渡し審問は今年9月7日に行われる予定だ。米国で有罪が認められた場合、最高で禁固175年が言い渡される可能性があるという。

活動家としても知られるウエストウッドは、長年アサンジを支持している。2016年開催の2017年春夏ミラノコレクションでは当時の英首相デヴィッド・キャメロンへ向けたショートビデオを公開、「私はジュリアン・アサンジの友人で月に一度、在英エクアドル大使館に行き彼に会っています。彼は今すぐ出されるべきです」と訴えている。

21日に抗議を行ったウエストウッドは、カナリーイエローのスーツに身を包み「I AM JULIAN ASSANGE(私はジュリアン・アサンジ)」と書かれた横断幕を付けた高さ3mの鳥かごの中からメガホンで呼びかけた。

「私はジュリアン・アサンジ。鳥かごに入れられたカナリアだ。もし私が炭鉱の中で有毒ガスで死んだら、炭鉱労働者が退去する合図だ。」

有毒ガスを察知したカナリアは鳴かなくなるため、かつては炭鉱労働者がカナリアを鳥かごに入れて坑道入りしていた。そのため危険が迫る前兆だという警告を「炭鉱のカナリア」と表現する。

ウエストウッドは「私は政府の腐敗と政府による法制度のゲームにより半分毒されている。私は今も警告しているが、70億の人々は一体何が起こっているのか知ることもない」と呼びかけ、抗議デモを行う人々を率先した。

翌日22日、ウエストウッドはBBCの朝の生番組にリモート出演し、司会者のヴィクトリア・ダービーシャーから「ジュリアン・アサンジがインターネットで大量の情報を流し、人々の命を危険に晒したことに何か不満があるのですか?」と問われ、嫌みたっぷりに反論した。

「あなたは、彼をコンクリートの中に閉じ込めたいんでしょ? マスコミはみんなバカで、洗脳された人達だわ。あなたもその1人なのね。予習してくるのを忘れたんじゃないの、ダーリン。」

「アサンジは檻から出されなければいけない。彼の身柄がアメリカに引き渡されたら、残りの人生をコンクリートの檻の中で過ごすことになるのよ。」

最後には「鳥かごから出してくれ!」と叫ぶも、ダービーシャーが「鳥かごから出してくれ。これが彼女の最後の言葉だと思います」と冷静に伝えてインタビューを終えた。

なおウエストウッドは、黄色いスーツを着た自分自身は鳥かごに入れられたアサンジであり、真実を伝える人を逮捕するアメリカ政府への警告だとも述べている。

画像は『Vivienne Westwood 2020年7月21日付Twitter「“I am Julian Assange, I am the canary in the cage.” - Vivienne Westwood」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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