「生きるとは、闘い続けること」崎山つばさらが体現、舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロ・囲み取材レポート

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舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』が2020年7月23日(木)、東京・サンシャイン劇場にて開幕した。映画と舞台を完全連動させるプロジェクト「東映ムビ×ステ」の第2弾作品。本作における主人公・庄司新之助役の崎山つばさらが登壇した囲み取材と、初日直前に行われたゲネプロの模様をレポートする。
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより

2020年6月12日(金)より公開された映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』より引き継いだ新たな物語となっている。本作では毛利亘宏(少年社中)が脚本・演出を手掛けた。
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより

映画で描かれた、仲間との別れから一年。新之助ら侠客たちが「鬼八一家」と名乗り、江戸の町を奔走しているところから物語がスタート。メインセットのモチーフは障子。偶然にも、名前の響きから本作の主人公をなんとなく意識してしまう。
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより

一家となった新之助、権左(松浦司)、義助(松本寛也)、伝吉(北川尚弥)のチームワークは抜群。際立った個性はもちろんだが、一本筋の通った突き進み方や豪快な生きざまは見ていて爽快感すら覚える。
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより

死神は、“死神遣い”の力を持つ人間の寿命の一部と引き換えに、不思議な能力を与えることができる存在。映画では死神遣いの探偵・久坂幻士郎(鈴木拡樹)の相棒だった十蘭(安井謙太郎)は、本作では新之助と行動を共にしている。長く死神として生きているためか飄々としているが、軽やかに舞う姿や感情が露わになる場面は心躍らされた。
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより

お菊(伊藤優衣)から受けた依頼を追いかけるうち、死神にまつわる大きな陰謀に巻き込まれていく新之助たち。新たな死神・メメント (輝馬)やヴァニタス (エリザベス・マリー)のインパクトも強烈だ。彼らを連れている謎の男・天元 (谷口賢志)の礼儀正しさやはつらつさとは裏腹に、得体のしれなさがにじみ出る存在感は見事だった。
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより

映画では非情な死神として君臨した百目鬼(陳内将)の妖艶な雰囲気は、本作でも健在。舞台上に出現するたび、掴みどころのない振る舞いにくぎ付けになる。稽古開始前に行われた対談で陳内が語っていた「美学」「死生観」といったキーワードを、中盤以降は何度も噛みしめた。
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより

新之助は「粋な男」という表現がよく似合うキャラクター。ヤンチャさ一辺倒だった過去に比べ、成熟した男気がまぶしい。「みんなが幸せに笑える世の中を作りてぇ!」というセリフが、違和感なくスッと心に入り込んでくるほどのまっすぐさ。十蘭とのコンビネーションにも、サッパリとしているように見えて芯の強い絆を感じられる。
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより
舞台『死神遣いの事件帖 -鎮魂侠曲-』ゲネプロより

新之助に恨みを持つ喜三郎(櫻井圭登)ら新キャラクターも続々登場し、波乱の展開に。人間や死神の過去や思惑が次々に明らかになっていく。ハラハラさせられる対決が連続し、終盤以降は迫力満点の殺陣シーンが矢継ぎ早に訪れるので目が離せない。観劇の醍醐味をぎゅっと凝縮したような、ぜいたくな2時間30分を過ごした。
(左から)陳内 将、崎山つばさ、安井謙太郎、毛利亘宏
(左から)陳内 将、崎山つばさ、安井謙太郎、毛利亘宏

ゲネプロ前には囲み取材が行われ、崎山、安井、陳内らキャスト3人と脚本・演出の毛利が見どころなどを語った。
崎山つばさ
崎山つばさ

初日までの日々を「なにがなんでも幕を開けたいとの思いで稽古に臨みました」と振り返った崎山。「初日を迎える嬉しさを、身に染みて感じています。まるで初舞台のような感覚です」と板の上に立つ喜びを噛みしめた。
安井謙太郎
安井謙太郎

安井は「映画と合わせて初めて完成する作品。舞台を盛り上げて、第3弾へとつなげられるようにしっかり挑みたい」とし、「人生で初めて剣を持って舞台に立ちました!」と初挑戦となる殺陣についても意欲を見せた。
陳内 将
陳内 将

崎山、安井とともに映画から引き続き出演する陳内は「舞台ならではの演出の良さも詰まっています。お客様が舞台を観に行けないという悲しい日々が続いた分、この作品で『演劇っていいな』ということを届けたい」と力を込めた。
毛利亘宏
毛利亘宏

毛利からは「やっと劇場に帰って来られました」との言葉が。新型コロナウイルスの影響を受け、稽古場での滞在時間を短くするなど従来とは異なる稽古形態となったとのこと。脚本については「もともと一幕構成でしたが、換気の時間を設けるために二幕構成に書き直しています。芝居的にもパワーアップする変更となりました」とし、「生きていくことは闘っていくことだというメッセージをストレートに込めました」と話した。
(左から)陳内 将、崎山つばさ、安井謙太郎
(左から)陳内 将、崎山つばさ、安井謙太郎

「東映ムビ×ステ」の第3弾へつながる作品にしたいと意欲を見せたキャスト陣。崎山は「映画と舞台との連動企画ということで(鈴木)拡樹くんからバトンを受け取り、この舞台では主演として堂々と演じたい。僕らのやり方で、僕らの演劇を板の上から届けることがすべて。一日でも多く、お客様へお届けできるよう努めていきます」と力強く語った。

東京公演を皮切りに、大阪、福岡、広島にて上演。ライブ配信された7月23日(木)の初日公演は、イープラスのライブ配信サービス「Streaming+」などで7月26日(日)までアーカイブ配信される。自宅からでも体感できる“しにつか”の世界に、ぜひ触れてみてほしい。

取材・文・撮影=潮田茗

当記事はSPICEの提供記事です。

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