今井翼、ダリ愛を語る「すごく興奮するカンフル剤」<『プラド美術館 驚異のコレクション』インタビュー>

 

世界最高峰の美術館のひとつで、昨年200周年を迎えたスペイン黄金期を後世に伝えるプラド美術館にカメラが初密着した映画『プラド美術館 驚異のコレクション』。

今回めるもでは、本作の日本語版ナビゲーターを務める今井翼さんにインタビュー! 「僕自身は、喜びを噛みしめながら何度も観なおしました」と語る今井さんは、実際にプラド美術館へ行ったこともあるとか。人々はなぜ美術品に魅了されるのか、お話を伺いました!

 

 

ーー今回ナビゲーターのオファーを受けた時は率直に何を感じましたか?

 

今井翼:僕がヨーロッパの芸術に初めて触れたのが、プラド美術館でした。今回、勝手にご縁を感じています。僕が当時フラメンコを勉強したくてマドリードに入ったのですが、日中は美術館に行こうと思い、最初に足を踏み入れた場所がプラドだったんです。プラドには“草原”という意味があるだけに、すごく緑豊かな広大な土地にあるので、特別な重みを感じたことを覚えています。

 

ーーその時の印象はいかがでしたか?

 

今井:それはもう圧倒されました。建物自体もそうですし、中に入れば膨大な美術作品があるわけですよね。正直、僕は知識が豊富なわけではないのですが、逆に言うとここでの出会いがあったからこそ、アメリカにしても旅先で美術館に行く楽しみができたんです。日本でもたまに地方に行くことになった時に、美術館があると立ち寄ってみたりするようになりました。

 

ーーインスピレーションを受けるのでしょうか?

 

今井:僕もいち表現者なので、そういう美術を目にすることで曲線美や、アーティストとして感銘を受けることがすごくあるんです。だから出会いですよね。そこにいかないと出会わないものばかり。だから造詣がない僕でも、美術館ってすごく面白いって思うのかも知れません。

 

ーー表現の仕事をされていると、余計に感じるものが多そうですね。

 

今井:そうなんですよね。結局、自分の目でいろいろなものを見て、解説を読み、そのテーマを深く知るとか、ひとつ知識としても身に着けることができたりするんですよね。人間は感性や感覚が一番大事だと思うから、僕はダリなどの芸術品を観ると、すごく興奮するんですよね。物事を表現する立場としてのカンフル剤というか、すごく刺激されるんですよね。

 

ーーダリは、シュールレアリズムという言葉だけ知っています(笑)。

 

今井:(笑)。なんか感覚的にダリのあの感じが好きなんですよね。左右非対称のようで、つねにリンクする感じが存在していたり。日本でいうと、岡本太郎さんと近いですよね、ミロのようなタッチも感じるのですが、ダリは面白いですね。彼の奇抜な感じは、枠にハマっていないというか、もちろん芸術家たちとのつながりであったり、人生観もそうですよね。ガラとの過ごしてきた時間とか、バルセロナの郊外にあるダリの美術館に行くと、その地下に彼が眠っているわけで、感じることが多いです。

 

ーーしかし、てっきり音楽なのかなと思っていました。

 

今井:もちろん、僕は日常的に音楽を聴いたり、違うアートも好きです。僕の中ではスペインはフラメンコがきっかけで、そこからこういうアートであったり、その土地土地が持っている歴史やこだわりを知ると、またすごく愛着が湧いてくると思うんですよね。何事も最初は、無知な状態で物事が始まっていくわけだから、その好奇心をやっぱり持ち続けたいなと思っていますね。

 

ーーそうなると今回のナビゲーターのお仕事は、橋渡しの意味も込めて?

 

今井:そこはやはりナビゲートする立場の吹替えなので、(オリジナル版の)ジェレミー・アイアンズの声を自分の声で表現することはなかなかレベルが高い作業だったのですが、この作品自体が「人を誘う」という大きなテーマを持っていて、僕自身もここまでの経験はなかなかないことなので、その充実感を感じる中で、観る方々にとっても日本語を通して、邪魔をせず楽しんでもらえればいいなと思いましたね。

 

ーー最後に映画を待っているファンにメッセージをお願いします!

 

今井:僕自身は、喜びを噛みしめながら何度も観なおしました。迫力ある作品の数々ももちろん見ものですが、美術館スタッフや各界の第一人者が語る証言にも注目してほしいです。目から鱗が落ちる内容です。最先端の機材で撮影した映像の美しさや素晴らしい音楽との相乗効果で、新しい感動と発見がたくさんあると思います。美術に造詣が深い方はもちろん、初めて触れるという方にもスペイン美術の躍動感と臨場感を感じてほしいです。(取材・文・写真:takashi.tokita_tokyo)

 

映画『プラド美術館 驚異のコレクション』は、2020年7月24日(金)より全国ロードショー。

公式サイト:prado-museum.com

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  • takashi.tokita_tokyo
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  • 「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。映画とディズニー(主にパーク関連)をメインによく取材しているが、パリとクルーズが未体験なことはナイショです。また、ディズニー好きが集まって、あることないことを語り尽くす無害なポッドキャスト「田組fm」が、SpotifyやApple Podcastなどで配信中。

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