ヒカキンのモチベーションに火をつけたのは「悔しさ」だった

日刊SPA!

2020/7/13 15:50

―[魂が燃えるメモ/佐々木]―

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第197回

ユーチューバーのヒカキンが最初にブレイクしたのは、任天堂の名作ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』のBGMやSEを口真似した動画『Super Mario Beatbox』でした。彼はこの動画によって、収益化が可能になるYouTubeパートナーに招待されました。

この動画について、彼は著書『400万人に愛されるYouTuberのつくり方』(日経BP社)で、「たった一本の動画が、僕の『運命』を変えるきっかけになったのです」と振り返っています。しかしだからといって、そのあと何もかもが順風満帆に進んだ、というわけではありません。

この時、彼はまだスーパーの食品売り場でサラリーマンとして働いていました。そして、その状況から抜け出してビートボックスとYouTubeに専念するために、YouTubeパートナーを対象に行われた動画コンテストにエントリーしました。このコンテストの入賞者に贈られる支援金200万円は、脱サラを望んでいたヒカキンにとってどうしても欲しいお金だったのです。

しかし、このコンテストの結果は「最終選考で落選」でした。そして、この落選をきっかけにして、ヒカキンは「日本一のユーチューバーになること」を目標にしたと言います。それまでは「YouTubeで収入を得ること」が目標だったのが、「日本一のユーチューバーになること」が目標になる。このように決断には必ず人物の影響があります。ヒカキンはYouTube主催の動画コンテストで10人に選ばれなかったからこそ、日本一になると決めたのです。

この時の彼の心情は「悔しさ」です。彼は著書『僕の仕事はYouTuber』(主婦と生活社)で次のように振り返っています。

「これまでの人生で、一番悔しかった。悔しくて、悔しくて、悔しくて、数日間七転八倒したあと、僕は開き直りました。『入賞した人に負けないクリエイターになってみせる。会社員やりながら、絶対、抜いてやる!』って。生まれて初めて本気になりました」

こうした悔しさは、僅差だったからこそにじみ出るものです。もし仮に最終選考にも残らず、箸にも棒にもかからなかったら、その心情は「悔しさ」ではなく「落胆」になっていたはずです。

勉強でもスポーツでもゲームでも競争というのは、「もう少しで1位だったのに2位になった」「もう少しで自分が選ばれそうだったのに他の人が選ばれた」という僅差の時に、強烈な悔しさがこみ上げてきます。

◆悔しさは行動の言動力になる

そして、その悔しさは何かを決断し、粘り強く行動するための原動力になります。だからこそ、成功者は「大変な時期や挫折もあったが、それがなかったら今の自分もなかった」と振り返るのです。

成功者の体験談を「自分語り」や「苦労話」として片付けてしまうと、何かを成し遂げるために大切なモチベーションを獲得できません。その結果、ただ「こうすればうまくいく」という理屈を知っているだけで、実際には何もできない、何も続かないという悪夢のような状態に陥ります。

というのも、自分の原動力になるような「人物の影響」に気づくコツは、「共感」だからです。誰かの体験談を聞いていると、「そういえば自分にも同じようなことがあった」と思い出すことがあります。すると、その時の喜びや情熱や悔しさといった心情がよみがえり、それが何かを始めるきっかけになります。

こうした心情は「昔、何かあったかな?」と一人で考えるだけでは思い出せません。人は誰かと接している時にこそ、自分を確かめることができるのです。

猛烈な悔しさを覚えた体験は誰でも一度や二度はあると思います。もしこのヒカキンの体験を知って、「そういえば自分にも似たようなことがあった」と感じたのなら、ぜひその時のことを細かく思い出してみてください。その時の心情がよみがえり、何か新しいアクションを起こすきっかけになってくれるでしょう。

―[魂が燃えるメモ/佐々木]―

【佐々木】

コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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