崎山つばさ×毛利亘宏「芝居を“したかった”“見たかった”を発揮できる」 舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』インタビュー

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2020年7月23日(木)より東京・サンシャイン劇場を皮切りに上演される、舞台『死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-』。映画と舞台を完全連動させるプロジェクト「東映ムビ×ステ」の第2弾作品として、映画『死神遣いの事件帖 -傀儡夜曲-』より引き継いだ新たな物語が展開される。開幕に先駆け、舞台で主演を務める庄司新之助役の崎山つばさと、脚本・演出の毛利亘宏(少年社中)にインタビュー。作品を構築する継承と進化、幕が上がる瞬間を待ちわびる現在の心境について聞いた。

ーー舞台で新たに描かれるストーリーについて教えてください。

毛利:映画から一年後の世界となっています。ある大事件をターニングポイントに、新之助がいっぱしの侠客としてどう変わっていくのかを描いていく物語です。死神遣いではない新之助が、どんなふうに暴れていくのかが楽しみどころになると思います。

崎山:舞台を先に観たとしても、絶対に映画を見たくなると思います。台本を読んで、より新之助像が濃く深くなりました。特に人に対する接し方に“らしさ”を感じるなと。侠客として、悪い人を成敗したがっているだけではなく、自分の中にきちんと芯を持っている生き方がとても魅力的でした。
崎山つばさ
崎山つばさ

ーー本作で新たになる新之助像ですが、脚本を執筆する際にはどのように構築されたのでしょうか。

毛利:ラッシュ(編集中の映画映像)の段階から完成版に至るまで、何度か見させてもらいながら書いていきました。新之助は、ヤンチャで破竹の勢いがあるタイプ。ちょっと成長しつつ、でも悩んでいく。民に寄り添ってみんなの幸せを考えられる無頼漢として、日本人のDNAに刻み込まれた人情味に響くキャラクターを目指しました。映画に比べて、すごくぶっ飛んでる感じはあった?

崎山:そうですね、結構感じました。

毛利:みなさんに読んでもらったのは第8稿くらいの段階なんです。須藤(泰司)さんが書かれた脚本がすごく面白くて、その続きを僕が書いてもよいものかとすごくプレッシャーも感じていました。当初はもっと映画のテイストを守っていたんですが、世界観を壊さないようにするあまりこぢんまりとしてしまっていたんです。もっとガチンコ勝負で、舞台ではもっと舞台ならではの面白さを追求しないとダメだなと思いながら、何度も書き直していったという変遷があります。

ーー執筆の際には映像を通して対面されていらっしゃいますが、お二人がこうしてお会いするのは今日が初めてなんですよね?

毛利:そうなんです。これまで、ありそうでなかったよね?
毛利亘宏
毛利亘宏

崎山:先ほど初めましてのご挨拶をさせていただいたばかりなんです(笑)。個人的にはいつかご一緒させていただきたかったので、お会いできるのを楽しみにしていました。

毛利:ずっと映画の新之助を見てきたので、実際にお会いしてみると役柄とはまったくイメージが違うので驚いています。もしかして、かなり若めを意識して演じられていたのかなと。

崎山:そうかもしれません(笑)。新之助は思いっきり兄貴肌ですが、僕自身は「じゃあ後ろからついていきま~す!」というような真逆のタイプ。ギアを変えて、思い切りアクセルを踏みに行ってる部分でもあります。

毛利:こうしてお話しすると大人っぽくて落ち着いた印象。ますます、どんなふうに新之助を演じるかが楽しみになりました。

崎山:僕、実は(鈴木)拡樹くんと共演したときに、こっそり毛利さんがどんな方なのかを教えてもらっていたんです。拡樹くんいわく「それはそれは、とっても良い方だよ」と。

毛利:あはは! さて、それはどうかな(笑)。

崎山:いえいえ、イメージそのままです(笑)。初対面ではあるんですけど、事前情報があったからか勝手ながら近しく感じていました。拡樹くんに感謝ですね。
崎山つばさ
崎山つばさ

ーー映画では鈴木さん演じる久坂幻士郎とバディだった安井謙太郎さん演じる十蘭が、今度は新之助と行動を共にします。コンビ感の対比も面白くなりそうですね。

毛利:鈴木拡樹くんが演じる幻士郎が舞台にはいないという話しを聞いて、じゃあ舞台では十蘭に対して三角関係のようなものが描けたら面白いなと考えていました。幻士郎がいないことが、物語の大きなファクターとなっています。十蘭と新之助は、十蘭と幻士郎との関係とは全く別なコンビ像を育んでいくことになりそうです。

崎山:舞台では「十蘭との関わりが深くなりそう」という大まかな構想は聞いていましたが、それは新之助にとって未来の話。映画の時点では十蘭とのことは逆に意識しないようにして、幻士郎と十蘭の二人から受けたものを舞台で出していきたいと思って撮影に臨んでいました。

毛利:十蘭にもあっと驚く仕掛けがありますし、新キャラクターの天元(谷口賢志)とのマッチアップも大きな見どころとなっています。新之助と十蘭がどう立ち向かっていくのかを早く見てもらいたいです。

ーー新たに一家を名乗ることとなった侠客たちとのチームワークも重要な要素に。

崎山:映画でご一緒できた時間がある分、舞台で初対面ではないところから始められるのはいいスタートダッシュにはなりそうです。映画の時点ではみなさん初めましてのメンバーだったので、撮影の合間にはなるべく意識して積極的にコミュニケーションを取るようにしていましたが、なにせ一緒に過ごせたのは短期間だったので……。

毛利:短期間で撮影したって聞いたよ。
毛利亘宏
毛利亘宏

崎山:そうなんです(笑)。より侠客としての居方や深いものを共有するためには、もっと親交を深めたいところではあります。

毛利:ぜひしてもらいところではあるんだけど、時勢的にコミュニケーション手段を限定しなくちゃならないんだよね。例えば、稽古終わりにみんなで食事会をするっていう、今まで当たり前にやってたことができなくなるから。

崎山:本当に残念ですよね。でも、舞台ができるということがまず何よりも嬉しい。できることでなんとかやりたいですね。新しい方法を見つけないと。

毛利:リモート飲み会とかいいんじゃないかな。稽古終わりに、家に帰ってから時間を決めてログインしてもらうとか。新型コロナウイルスの影響下における稽古形態や上演方法の在り方など、この規模の舞台としては先陣を切る作品になると思うので、手探りですが、上演できるように努めていきます。

ーーエンタメに触れる機会が制限されていたコロナ禍における自粛期間中、どのような思いで過ごされていましたか。

毛利:この期間中で“しにつか”も稿を重ねることができました。家に籠ってひたすら書き続けている一方で、やっぱり現場に行きたいっていう気持ちはずっとありました。

崎山:過去の出演作を見直したり、いろんな作品を鑑賞したりしながら、舞台の感覚を忘れないように過ごしていました。お芝居ができなかった期間がどんな影響を与えているのかは、稽古をしてみないとわかりませんが、久しぶりになる分、お芝居にはフラットな気持ちで接することができそうです。家でできるトレーニングもしていましたし、稽古開始前から約一カ月かけてこの舞台の準備をしてきたつもり。飢えていた分、発散されるものは大きいはず。お客様もきっと同じ気持ちで観劇にいらしてくれると思います。「芝居がしたかった」「芝居を観たかった」という欲がここで発揮できるのはすごくありがたいです。
崎山つばさ
崎山つばさ

ーー最後に、開幕を心待ちにされている読者の方へメッセージをお願いします。

毛利:舞台チームと映画チームとで共通して担当しているスタッフが多く、よりつながった世界観が生まれています。一歩、進化した「ムビ×ステ」をお見せできるはず。この作品を観ているときはいろんなことをしばし忘れて、心から楽しめるエンタメ作品を届けられたらと思っています。観た人を元気にしたいです。

崎山:「ムビ×ステ」第1弾から第2弾へのバトン、映画で主演を務めた拡樹くんから受け取ったバトンを、新之助としても崎山つばさとしてもしっかり表現していきたい。第3弾へとつなげられる作品にしたいですし、舞台ならではの表現方法でも“しにつか”を楽しんでいただいて、より世界観を深めてもらえたら嬉しいです。

取材・文=潮田茗 撮影=福岡諒祠

当記事はSPICEの提供記事です。

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