給付金10万円で買える激安中古車の状態は?

日刊SPA!

2020/6/28 08:51

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆激安中古車店探訪 翔んでディープ埼玉編

ヒマさえあれば中古車情報サイトをチェックしている担当Kは、最近は「給付金の10万円で買うとしたら何かなあ」と妄想して楽しんでおります。カネがかからない趣味です。基本、買いに行ける場所で探しているので関東近郊の店がターゲットなんですが、検索結果を安い順で並び替えると、埼玉の店が上位にきます。今回はそんな激安中古車激戦区に突撃してきました!

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi

◆給付金で買える総額9.8万円も! めくるめく激安中古車の世界

新型コロナの影響で、都市部でも「電車に乗りたくないから、とりあえずクルマ!」という需要は高まっている。

これまでクルマにまったく興味がなかった人が、「買い物用として普通に動けばそれでいい」「自動ブレーキもいらない」「とにかくできるだけ安いのを!」と思った場合、目指すべきは国産の激安中古車しかない。私もそういう基準でクルマを選んだことはないので、今回は埼玉県内の3店を巡って、その刺激的な世界をかいま見てきました。

まずは大型店へ。「今ある一番安いクルマを見せて」と言うと、店の一番隅っこにあった3万円の2代目フィットのもとへ。13年落ちで走行9万㎞だが、内外装ともに十分キレイ! オーディオやナビは取り外されてがらんどうなので、このまま乗るのはちょい悲しいが、それ以外はまったく問題なさそうだ。

ただこのクルマ、3万円出せば買えるわけではない。車検が切れているので再取得し、その他諸経費も含めると、「総額21万円くらいですかね」(店員)。車両本体価格の7倍になってしまう。

初心者はこの「諸経費」の不明瞭さにビビり、「だまされてるんじゃないか」と思いがちだが、中古車を買う場合は、とにかく支払い総額で考えて、それがほかの中古車と比べてどうなのかを見極めよう。つまり中古車を買うときは、いくつか店をまわったほうがいいってこと。面倒くさいでしょうけど。

続いて、「全車コミコミ価格」がウリの店を目指してディープ埼玉へ。そこは、地元のゆるキャラ看板や巨大ヌイグルミが待ち受ける、遊園地のような楽しい店でした。

このお店はうたい文句通り、コミコミ価格(保証費用もコミ)が表示されているので、諸経費でぼったくられる懸念ナシ! コミコミ19万円から100万円までの軽やコンパクトカーが並んでいる。なにしろコミコミ価格だから、ブツと値段を見比べて、気に入ったのを買えばオッケー! お笑い遊園地気分に浮かれて、1台買いたくなりました。

ただ肝に銘じるべきは、こういう激安車専門店でも、総額19万円が最安だということ。たとえ1万円で仕入れたクルマでも、オークション手数料に数万円かかり、そこに若干の利益と諸経費を乗っけると、どうしても総額20万円くらいになってしまう。そうしないとお店は利益が出ず、生きていけません!

それ以下でクルマが欲しければ、個人売買しかないか?

いや、あった!「その日に乗って帰れるお店」と銘打った、最終激安店に突入だ。しかし、その日に乗って帰れるとはこれいかに?

「車検が残っているクルマで、その場で任意保険に加入できる場合のみ、自分で名義変更することを条件に、その日に乗って帰れます」(店員)

す、すげえ。地方ではクルマは生活必需品。クルマがないと生活できないため、自転車でクルマを買いに来て、そのまま自転車を積んで帰る需要も存在するのである。

さらに驚いたのは、このお店はセルフチェックを導入していて、スタッフは一切セールスをしない。自己責任(保証ナシ)で買うクルマを決め、小屋の店員に告げてスピード契約。最短30分で乗って帰れるという、まるで自販機のようなシステムなのだ! このお店の場合、コストを極限まで切り詰めていて、最安で総額9.8万円からの品揃え! さすがにクルマの状態は値段なりだが、「動けばいい」なら文句あるまい。

都市部の人間は、中古車を怖がりすぎる傾向がある。世界に誇る信頼性抜群の国産車は、叩いても死なないゴキブリみたいなもん! 地方じゃ、「なんでもいいから20万円でクルマくれ」と店に電話をし、「えーと、赤いミラでいいですか」と言えば「ああ、それでいい!」と言って買っていく客が一定数存在するのだ。「どれを買えばいいかわからない」「壊れるんじゃないか」なんてビビッってんじゃねーよ!

【結論!】

激安中古車の需要の高まりにより、激安車専門店も多様化しつつあるのを実感! そう言えば途上国に輸出された日本の中古車は、「日本での走行距離はゼロ扱い」だそうだ。日本の中古車はそれだけ箱入りってことッス!

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

【清水草一】

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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