少年ジャンプがなおも盛り上がる理由 『鬼滅』超え期待の『アクタージュ』

しらべぇ

2020/6/28 09:00




『週刊少年ジャンプ』の『鬼滅の刃』『約束のネバーランド』『ゆらぎ荘の幽奈さん』の連載終了が話題となっている。だが週刊少年ジャンプの盛り上がりは今後も続くと予想できる。なぜだろうか。

■長期連載の終了


まだまだ勢いが衰えない『鬼滅』だがジャンプ誌上では連載が終了した。また『約ネバ』も連載が終了したのだ。さらにはお色気ラブコメディ枠の『ゆらぎ荘』の連載も終了した。

『ゆらぎ荘』は連載開始当初よりじつは設定されていたループものの設定を活かし、主人公の周りに女性キャラが集うハーレム設定すらもストーリー内で理由づけがなされるなど、お色気ラブコメディ枠ながら見事に深く複雑な物語を紡ぎ、幕を閉じたのだ。

こうしてジャンプの長期連載作品が次々と最終回を迎えている。


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■注目の作品の数々


これを受け、今後の週刊少年ジャンプは大丈夫なのかと疑問を呈する、とってつけたような物言いも散見されるのだ。しかし、読者であればそのようには思わないだろう。

まず言うに及ばないトップ漫画『ONE PIECE』が健在なのが大きい。これはちゃんとジャンプを読まずとも分かるほどである。

そして『アンデッドアンラック』『チェンソーマン』『呪術廻戦』『タイムパラドクスゴーストライター』と話題作が多いが故であるが、特に注目したいのが『アクタージュ act-age』だ。

■女優が主役という異色作


『アクタージュ』はシンプルに言ってしまえば、 主人公が女優として頂点を目指すような物語である。とはいえ、そこまで女優の頂点が明示されているわけでもないが、 結局のところ主人公がライバル俳優たちと切磋琢磨するあたりはなかなかジャンプ的だ。

またストーリーとしては非常に深いものとなっている。よって全体的にはジャンプ的でない設定とストーリーと言えるが、物語の随所にはジャンプ的なわかりやすさがしっかりとあるのだ。

■『銀河鉄道の夜』


特にストーリーの深さは特筆すべきだろう。 主人公の夜凪景(よなぎけい)は憑依的になりきる演技法を駆使する。しかしなりきるにはその対象と共鳴するかのごとく、その対象を理解しなければならない。

このような背景の上で、宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』の舞台を演じるストーリーでは、 死期が迫った舞台演出家・巌裕次郎(いわおゆうじろう)の経験や心情を喰らい取り込み、巖が率いている劇団天球を舞台を通して代わりに夜凪が伝え導く物語となっている。

なぜならば夜凪は、主人公のジョバンニに「ほんとうの幸」へと同じく伝え導こうとする死者であるカンパネルラを演じるがためだ。

■挑戦的ストーリー


『羅刹女』編では舞台演出家が、夜凪をまともに育ててこなかった小説家の父と不倫関係にあったという因縁を描く。その舞台演出家・山野上花子はその因縁を使って、羅刹女を演じるための夜凪の怒りとして利用した。

とても少年漫画とは思えない題材であるが、もちろん単なる倫理に背く内容ではなく見事に物語の収拾をつけている。

■役者漫画のポテンシャル


もちろん『アクタージュ』は小難しい話ではなく、漫画としてのキャラ造形も見事。役者業を舞台としている漫画なので主要キャラクターが実写映画化された時、その面白さは二重となる。

故にキャスティングを想像するだけでも非常に面白い。その具体例は別の機会に譲るが、役者業という現実的な舞台設定であるがゆえに、『DEATH NOTE』以来のポテンシャルを秘める作品であるといってよいだろう。

その点、『鬼滅の刃』をも超えうる、作品内容はもちろんメディア上のポテンシャルを有していると言えるのだ。

・合わせて読みたい→菅田将暉、潔い『鬼滅の刃』連載終了を絶賛も「長期連載案」の妄想爆発

(文/メディア評論家・宮室 信洋

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