【医師監修】陣痛がわからないこともある? そんなときどうする?



出産が近づくと普段からお腹が張る感覚をもつこともあるので、もしも陣痛がきたときにも、それが本当に陣痛かわからなかったら? と心配になる妊婦さんもいます。不安感があるときにどう対処すると良いのか、専門医に聞きました。
陣痛とは?

出産前の“陣痛”と呼ばれるものには「前駆陣痛」と「陣痛」があります。どちらも子宮の筋肉の収縮運動です。そして、どちらも自分の意思ではコントロールできません(不随意的) [*1]。
前駆陣痛とは
前駆とは“プレ”の意味ですから、前駆陣痛は出産予定日が近づくと起こるようになります。痛みの続く時間や間隔は不規則です。
陣痛とは
1時間に6回以上で規則的なお腹の痛みは分娩につながる陣痛で、この状態になることで「分娩開始」となります[*1]。
前駆陣痛と陣痛との違いは?

前駆陣痛は不規則ですが、陣痛は規則的です。また陣痛は痛みの強さが徐々に強く変化していきます。

陣痛とは赤ちゃんを押し出す力なので、子宮口が全開大になる(分娩第2期)と頻度と強さがさらに増し、分娩直前に最も強くなります。
普段のお腹の張りと“陣痛”との違いは?
お腹の張りの強弱が規則性をもって訪れる場合、陣痛につながる可能性が大きいと言えます。なお、陣痛ではない「普段のお腹の張り」の場合だと、妊婦さん自身に何かしらの“思い当たるきっかけ(原因)”があることが多いです。

松峯先生:

「妊婦さんがお腹の張りを自覚するとき、そのきっかけとして心当たりが多いのは『長時間立っていたとき』『走ったとき』のようです。ほかにも妊婦さんそれぞれの生活スタイルにより、お腹が張りやすいきっかけはさまざまです。妊娠9ヶ月以降、特にきっかけもなく、継続するお腹の張りがあれば、前駆陣痛または陣痛が考えられます。ひとまずかかりつけの産科に連絡をして指示を仰ぎましょう」

陣痛に気づかないことはある?

陣痛の始まりに気づかない人もいます。判断に迷うこともあります。初産婦さんにとっては初めての経験であり、痛みの閾値も人によって違うためです。
気づかない人もいる
初産婦さんにとっては未知の経験であり、痛みの程度は人によってさまざまなので、まれに陣痛の始まりに気づかない人もいます。もしくは、前駆陣痛と思って見過ごしていることもあるようです。

陣痛かどうか自分ではわからなくても、産科で赤ちゃんの心拍数と陣痛の状態を把握できるモニターをつけると、陣痛を図式化して分娩の経過を観察できます [*2]。
陣痛かも? と思ったらやること
陣痛が始まったと思う場合の対処についてまとめます。
陣痛周期を測る

分娩につながる陣痛は「1時間に6回以上で規則的なお腹の痛み」となりますから、痛みがあるときは痛みはじめと終わり、また次の痛みとの間隔を測りましょう。

「1時間に6回以上で規則的なお腹の痛み(10分間隔)」があったら産科に連絡し、指示を仰ぎます。出産が2度目以上の場合(経産婦)は、もう少し早め(15分間隔になったら)に連絡するように言われることもありますので、事前に連絡の目安を聞いておきましょう。

陣痛かどうかわからないが、不安がある場合も産科に連絡して指示をもらいましょう。また、たとえ間隔が不規則でも痛みが強く、生活に支障をきたす場合も産科に連絡して指示をもらってください。
コロナ禍での対応は?
現在、コロナ禍で受診や健診に不安を感じる妊婦さんもいるかもしれません。このような非常時も、何か不安や問題を感じた場合は、かかりつけの産科への電話での連絡をためらわず、主治医や助産師とコミュニケーションをとっていきましょう。

松峯先生:

「感染症の状況が流動的な今は自分と赤ちゃん、そしてみんなの安全のために、受診を考えるときは必ずまず電話をして指示を受けましょう。受診するまでのことはないかな? と迷うような心配事がある場合でも、電話ならできます。診察中などですぐに返事ができなくても、主治医や助産師などから必ず折り返しの連絡があるので、安心して過ごしていただきたいと思います。受診するよう指示が出たら、移動手段に気をつけて来院してください」

まとめ
人によって痛みの自覚の程度はさまざまで、それはとても自然なことで、妊婦さんの中には陣痛の始まりがわからないという人もいます。陣痛かな?と思ったら、まずは痛みの間隔を計ってみましょう。それでも陣痛かわからなかったり、ほかにも不安がある場合は産科に連絡し、主治医や助産師に相談しましょう。

この記事の監修ドクター

松峯美貴先生

医学博士、東峯婦人クリニック副院長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(ともに東京都江東区)妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします!どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。

http://www.toho-clinic.or.jp/

(文・構成:下平貴子、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです
参考文献

[*1] 「病気がみえるvol.10 産科」(メディックメディア),p228.230

[*2] 「病気がみえるvol.10 産科」(メディックメディア),p11.228

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

当記事はマイナビウーマンの提供記事です。

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