濃厚接触を確認できるアプリ「COCOA」を試してみた。改善点は?

日刊SPA!

2020/6/26 08:30

 厚生労働省が『COCOA』というアプリを配信した。これは新型コロナPCR検査陽性者との濃厚接触を確認できる設計だ。GPS位置情報は使わず、代わりにBluetoothを使う。故に、アプリ利用者の現在位置や移動履歴が外部に漏れることはない。

だがそれ以前に、このアプリは実用に値するものなのか?

◆コロナ陽性者との接触を通知

COCOAの機能は、「過去14日以内」にコロナ陽性者と「1m以内」の距離で「15分以上」近接した場合、その事実がスマホに通知されるというものだ。

たとえば、AさんとBさんが6月23日に東京で会合したとする。この時点で、ふたりは健康だ。しかし7月2日にAさんがPCR検査を受け、陽性と判断された。この際Aさんは、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システムに自分の携帯電話番号とメールアドレスを登録する。するとAさんのSMSまたはメールに処理番号が通知される。Aさんはこの処理番号をCOCOAに登録。

直後、Aさんと過去14日以内に濃厚接触した人のスマホにその情報が反映される。もちろん、その中にはBさんもいる。濃厚接触の事実を知ることで、Bさんは感染を広げないための具体的な対策を打つことができるのだ。

ここで注意点。Bさんが知り得る情報は、あくまでも「過去14日以内に陽性者と濃厚接触した」ということのみ。「6月23日にAさんと会い、その後Aさんは陽性者になった」ということはアプリでは分からない。

◆基本的に「待つだけ」のアプリ

筆者もアプリ配信初日にCOCOAをダウンロードした。このアプリは、一言で言えば「やることが殆どない」。まず、アプリの利用にユーザー登録やパスワード設定は一切必要ない。Bluetoothとプッシュ通知をオンにすれば、すぐ利用できる。もっとも、「利用」といってもユーザーが能動的に何かをするアプリではない。まるで魚のいない漁業のように、網を海中に垂らした状態でひたすら待つ。もちろん、このアプリの場合は何も起こらないことがベストだ。

故に、アプリの操作に悩むこともないだろう。スマホに慣れていない人でも取り扱える設計になっている。

ここでまた注意すべきは、Bluetoothは常時オンにする必要があるということ。これをオフにしている状態では、情報のやり取りは行われない。

また、ダウンロードの際に使っているスマホのOSバージョンを確認しておこう。iPhoneはiOS13.5以上、Android端末はAndroid6.0以上でなければアプリを利用することができない。ちなみに、筆者はアプリのダウンロードの直前にiOSをアップデートした。

◆「プロモーションの不備」が課題か

このCOCOAは、テクノロジーメディアでは概ね好意的に取り上げられている。読者にダウンロードを勧めているメディアもあるほどだ。

この反応は、筆者にとっては意外なことだった。ローンチ間もないアプリにありがちな不具合も発生しているが、それはアップデート毎に修正されていくはず。ただ、筆者が気になっているのは機能そのものよりも「プロモーションの不備」である。

アプリのデザインは、率直に言えば格好悪い。アイコンも厚労省のマークだ。COCOAという名前はどこに行ってしまったんだ? と疑問に感じてしまう仕上がりである。そもそも、iPhoneのApp Storeで「COCOA」と検索してもこのアプリが出てこない。これではネーミングの意味が皆無である。

多くの人がアプリをダウンロードしてみよう、というデザインになっていないのだ。このあたりのアップデートは1日も早く実現させるべきだろう。<取材・文/澤田真一>

【澤田真一】

ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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