新感覚のストリーミング・ライブ『Hiraeth -ヒラエス-』プレイベントのオフィシャルレポ到着

SPICE

2020/6/25 17:00

Hiraeth #0 2020.6.24


6月28日(日)に行われる新たな配信音楽イベント『Hiraeth -ヒラエス-』。ウェールズ語で“失われてしまった過去の時間や場所への郷愁、記憶や愛情などを懐かしむ”という意味の言葉=Hiraethをタイトルに冠した本公演が他イベントと異なるのは、チケット購入者と同じ数のキャンドルでステージを彩る、新感覚のストリーミング・ライブであるということ。本編に先駆けてYouTubeで6月24日(水)に生配信されたプレ・イベント『Hiraeth #0』は、いま注目のシンガー・ソングライター4組の魅力と、大小さまざまな形のキャンドルに照らされた美しい映像を堪能できる、これまでにない試みとなった。


■梅田淳平


梅田淳平
梅田淳平

配信スタートとともに映し出された、暗闇のなかで揺らめくあたたかいキャンドルの姿は、ライブハウスからの配信であることを忘れるほどに幻想的だった。柔らかなピアノのイントロからはじまるバラード「あい」で、今回のライブの持つ世界へと一気に引き込んでくれたトップバッターの梅田淳平は、説得力のあるストレートな歌声と、奇をてらわないポップスで、エヴァ―・グリーンな魅力を放つシンガー・ソングライターだ。キーボードに切り替え、優しい音色とともに歌い上げた雨の曲「思い出のペトリコール」や、ブルーに染まった舞台の上でオレンジのキャンドルがきらめく様子も美しい「moon」など、今回は7曲という大ボリュームのステージ。「実はウェールズにホームステイをしていたことがあり、(今回のイベントに)縁を感じている」と話す姿も、そのあたたかな人柄が伝わってくる場面だった。

■秋元リョーヘイ


秋元リョーヘイ
秋元リョーヘイ

ブルージーなギターの音色に自らの体を揺らし舞台中央に現れた秋元リョーヘイは、一点を見定めているかのような鋭い歌声と、自在に変化させる声色を武器に巧みなパフォーマンスで魅せていく。普段は溶接工の仕事をしているという音楽界の“小さな町工場の工場長”だ。軽快にスタートし、弾き語りだとは思えないほどダンサブルな「ダラダラ」(配信ならではの別アングルでの2画面映像も楽しい)、進むにつれどんどんと盛り上がりをみせ、中毒性抜群の「ノロイのウタ」など、歌声と同じくギターも感情を持っているかのように、楽曲ごとに表情を変える。「なにもできない、なににもなれない、そんな繰り返し、破ります」という語りからスタートした「BAKEMONO」は、そのハイトーンな歌声を高らかに響かせている姿が印象的だった。独特の世界観で突き進む秋元リョーヘイは、ステージの空気を一変させる掌握力を持った稀有な存在であることを、改めて知ることとなった。

■小林私


小林私
小林私

光が差し込むなか、キャンドルの灯の色とも近しいオレンジのTシャツ姿で歌い始めた小林私。低音で深みと奥行きがあり、時にざらっとした声を持つ、これまでの2組とも異なる魅力を放つシンガー・ソングライターだ。「荒らしていいのは僕のターンだけ」と語り、ステージ上でコメントを見るためにスマホを取り出すなど、そのユニークな人柄も織り混ぜながらライブを進めていく。配信ならではの手元のアップを経て、語り掛けるようにスタートした「スープが冷めても」は優しく歌う姿が印象的、続く「恵日」は力強いヴォーカルで自身の音をオーディエンスの心に突き刺さしていく。歌に、トークにとさまざまな姿を見せて盛り上げてくれた彼は、6月28日(日)の『Hiraeth -ヒラエス-』本編にオープニング・アクトで出演することも決定。今後の活動からも、目が離せなくなりそうだ。

■井上緑


井上緑
井上緑

この日のラストを飾った井上緑は、初夏の季節にぴったりの軽快なイントロで始まる「サボテンの育て方」で爽やかに幕が開けた。キャンドルの光から覗く柔らかな姿とは対照的に、スッと一本筋の通った凛とした歌声が画面からも伝わってくる。ステージに立つのは久しぶりという彼だが、目の前に観客はいなくとも、「あなたに届けるように、届くように、歌います」と、そのスタンスを変えることなく画面の向こうに語り掛けるように歌い進めていく。女の子の揺れる気持ちを歌った「アイコトバ」、等身大の言葉で葛藤や不安をつづった「以上です。」、まるで隣にいる友達に話すように、そっと背中を押してくれる「大丈夫」、立ち止まってしまった時に切なくも優しく寄り添う「前夜」など、彼の歌は日常に起こるふとした瞬間の景色や感情がぎゅっと濃縮されている。圧倒的なヴォーカル・スキルと表現力は、画面からもしっかりと伝わったに違いない。

ステージ上を彩ったキャンドルの美しさ、そしてさまざまな角度から見られる配信ライブという特性を活かして、これまでに見たことのない独特の世界観を届けてくれた『Hiraeth #0』。リアルタイムでその魅力を味わえなかった方は、アーカイブでぜひ堪能して頂きたい。そして、続く本公演『Hiraeth -ヒラエス-』には、七尾旅人、王舟、Mom、Nagie Lane、オープニング・アクトに小林私という、これまた個性豊かな5組のアクトが出演。美しいキャンドルの映像とともに、たっぷりと最高のパフォーマンスを届けてくれるだろう。


『Hiraeth #0』配信アーカイヴ

当記事はSPICEの提供記事です。

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