『バック・トゥ・ザ・フューチャー』再放送で“意外なモノ”が転売ヤーの餌食に

日刊SPA!

2020/6/19 08:30

 名作映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が『金曜ロードSHOW!』で放映されたのをきっかけに、ある現象が発生している。この作品には、様々な日系メーカー製品が登場することでも知られている。その中でも特に注目されているのが、主人公が身につけていた腕時計。これとほぼ同様のものが、現在でも生産されているのだ。

しかし、需要あるところに必ず忍び寄るのが転売ヤーである。

◆主人公の腕時計が話題に

バック・トゥ・ザ・フューチャーは、タイムスリップものの金字塔だ。マイケル・J・フォックス演じる主人公のマーティは、ひょんなことからタイムマシンに乗って30年前の世界にたどり着いてしまう。そこにいたのは自分の両親。ところがマーティの母ロレインは、のちに結婚する父ジョージではなく何とマーティに惚れてしまう。このままではマーティは生まれなかったことになり、存在が消滅してしまう――。

マーティは1985年の高校生という設定。この当時、アメリカにはメイド・イン・ジャパンの製品が溢れていた。マーティが憧れているピックアップトラックはトヨタ製、そして彼が巻いている腕時計はカシオのデータバンクシリーズだ。ボディーにテンキーを備え、電卓としても使えるこの製品は当時としては時代の最先端を行くガジェットだった。

マーティのデータバンクはCA-50という型番。そのマイナーチェンジモデルのCA-53W-1Zは現在でも生産されていて、Twitterでも話題になった。さて、筆者がこの記事を書いているのは2020年6月16日である。今日の午前、筆者の自宅にネットで注文していたCA-53W-1Zが届いた。

これはYahoo!ショッピングで購入したものだ。出品者は個人ではなく法人。価格は2700円で、筆者の住まいである静岡県までの送料は無料。そしてこの企業は、独自の保証書を製品に添付している。安価な腕時計だが、保証書のおかげでアフターケアに不安を覚えることはない。「優良企業」と形容するにふさわしい。

しかし残念ながら、ネットショッピングの世界はこのような模範的な販売業者ばかりではない。

◆倍の価格で出品されている…

筆者が製品を手に入れたその日、改めてネットでCA-53W-1Zの売値を調べてみる。まずは、筆者が購入したのと同じYahoo!ショッピングを見てみると……。

概ね5000~6000円台にまで値上がりしている。しかも1000円を越える送料を別途請求する業者もある。Amazonではこれよりも安い価格設定のCA-53W-1Zが出展されているが、それでも4000円台。適正価格とは言い難い。販売業者発行の保証書も見込めなさそうだ。

大手オンラインショッピングサイトがこの有様だから、ネットオークションは尚更だ。ヤフオク!で「CA-53W-1Z」と検索すると、出てきたのは案の定割高な出品ばかり。2000円台の即決価格に設定されたものもあるが、こちらも1000円以上の送料を落札者に要求している。

◆転売は長く続かない

より懸念すべきは、金曜ロードSHOW! での「BTTF祭り」がまだ続くという点だ。

本日夜(19日)にはBTTF2、26日にはBTTF3が放映される。この作品に登場するガジェットの需要は、今月末までは右肩上がりと考えるべきだ。マーティの腕時計の価格高騰は、当面続く可能性が高い。

しかし、来月になれば一気に値崩れするはずだ。そもそも腕時計というものは耐久消費財で、CA-53W-1Z自体も高級品というわけでもなければ、最先端ガジェットというわけでもない。絶版が発表されているものでもない。要するに、マスクやNintendo Switchのように「売値の高止まり」が長引くための要素が殆ど見られないのだ。

もしも本記事を読んでいるあなたがこの製品を欲しているとすれば、とりあえず1か月ほど様子を見ることをお勧めする。<文/澤田真一>

【澤田真一】

ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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