黒人男性が抗議デモの渦中で白人男性を救う「黒人対白人ではない!」(英)

世界中で広がっている人種差別に抗議するデモだが、イギリスでも激化しており、デモ参加者によって奴隷商人らの銅像が破壊され撤去されるという事態が起きている。これに対立する極右活動家のデモも行われ、事態はますます深刻化している。そんな中で人種差別への抗議デモをサポートしていた黒人男性が、極右側の白人男性を救出する一幕があった。『The Sun』『Mirror』などが伝えた。

今月13日、英ロンドンの中心部で「Black Lives Matter:BLM(黒人の命は大切だ)」を訴える抗議デモが行われた。同日には、BLM抗議者から銅像や歴史建造物を守るためにデモを行っていると主張する極右活動家も集まったため、多くの警察官が投入された。

デモは激しく、極右側が警察と衝突するという一幕もあったようだ。そんな中で極右側の白人男性がウォータールー駅近くで負傷して歩くことができずにいた。その白人男性を囲むようにして多くの興奮したBLM抗議者が拳を高く掲げて唸り声をあげていた。このままではこの白人男性が危険にさらされる可能性が高かった。

しかしその群衆に一人の黒人男性が割って入り、負傷した白人男性を肩に担ぎ、警察官のいる安全な場所まで運んだ。この黒人男性はBLM抗議者をサポートするために現場にいたようだが、対立する側の白人男性を救ったのだ。メディアが現場を捉えた写真を報じ、この黒人男性は「ヒーロー」と呼ばれ、多くの称賛の声を集めた。

男性はロンドン南西部のウィンブルドンで多くのエリート・アスリートをサポートするパーソナルトレーナーのパトリック・ハッチンソンさん(Patrick Hutchinson)だった。武道家の彼は警備会社に勤務しており、デモ当日にはBLM抗議者を危険から守るため、同僚4人と「アーク・プロテクション」というチームを作ってデモを見守っていたという。

しかし今回、彼が救ったのは対立する側の白人男性だった。パトリックさんは当時のことを次のように述べている。

「あの時、彼は危険な状況下にあった。私は彼を担いで警察官のいる安全なところまで歩いて行ったんだ。それは自分にとっても危険だと思ったよ。だけど彼を救うことしか思いつかなかったんだ。やらなきゃならないことをやったまでだよ。」

またパトリックさんが白人男性を抱えて歩く間、周りからの攻撃を防ぎ続けていた同僚のピエール・ノアさん(Pierre Noah)は「群衆はこの白人男性を踏みつけて暴行を加えるところだった」と話しており、『ロイター』のジャーナリストも「白人男性がBLM抗議者から殴打されていた」と伝えていることから、現場は非常に危険な状況だったようだ。

称賛の声を集めたパトリックさんだが、Instagramに「今日、私達は命を救うことができた。それは“黒人対白人”じゃない。“全ての人対人種差別主義者”なんだよ! 我々は協力し合い、我々を必要とする人を守ることができた。チームに感謝する」と真摯に綴っており、世界中から感銘の言葉が寄せられている。

画像は『Patrick Hutchinson 2020年6月13日付Instagram「We saved a life today @arkprotection.」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ