「エール」52話 窪田正孝演じる裕一が福島凱旋、二階堂ふみの赤ちゃんのあやし方がうまい

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第11週「家族のうた」52回〈6月9日 (火) 放送 作・嶋田うれ葉 演出・松園武大〉

52回はこんな話裕一と音と華は校歌完成披露会のあと、福島の実家を訪ねる。その晩、家族、喜多一の番頭、川俣銀行の仲間等、全員集合で宴会が催され、皆、あたたかく裕一を迎えてくれる。

地味だった裕一が……二階堂ふみの赤ちゃんのあやし方のリズムが心地よく見える。赤ちゃんもきっと気分がいいだろう。抱く手付きも堂に入ってる。

藤堂先生に頼まれた校歌の完成披露会に呼ばれ、悩んだ末、福島に凱旋した裕一。
藤堂は、待ち構えていた人たちに「地味で~~地味な子でした」と2回も「地味」を使って裕一を紹介する。
それほど地味な裕一がいま「先生」と持ち上げられるほどヒット作曲家になったわけは、少年時代、「人より ほんの少し努力するのがつらくなくて、ほんの少し簡単にできるもの」「それが見つかったらしがみつけ。必ず道は開く」と藤堂に励まされたから(第5話)。それで裕一は「音楽」にしがみついたのだ。

すっかり変わった福島の人たち音楽にしがみつき、逃げるように故郷を捨てた裕一が2年ぶりくらいに帰郷してみると、地元の人々はすっかり変わっていた。
藤堂は川俣銀行の事務員・昌子と結婚し、もうすぐ父になる。昌子は4度目の結婚で初産らしい。

喜多一は半年前にたたみ、浩二は役場で働いていて、茂兵衛は陶芸に打ち込んでいる。
川俣銀行は人手に渡り、行員は離散。鈴木は奥さんに逃げられていた。
川俣銀行、暇そうだったものなあ…。みんな全然仕事してなくて、裕一の問題に首つっこんでばっかりだった。
日本が不況で、結局、立ちいかなくなったのだろう。茂兵衛が陶芸やっているのも、引退したということか。

皆、決していい状況ではないのだと思うが、ゲラゲラ明るく笑って話す鈴木たちを見て、ちょっと胸が痛そうな顔をしている裕一が印象に残った。裕一が我慢して権藤家を継いでいたら、喜多一も川俣銀行もまだ続いていたのだろうか。

裕一的には、地味で冴えない自分がせっかく輝ける音楽という目標をみつけたにもかかわらず、家族は家や家業を守るために裕一を犠牲にしようとして。そんな故郷を思い切って捨て東京に出たことでいまの成功がある。

いまでは、立場逆転。裕一はみんなに尊敬の眼差しで見られている。音楽の才能を存分に発揮し、お金にも困らない。愛する妻も子もいる。裕一は幸福である。でも、裕一の成功と幸福の影には、しずかにその時代を終えていく人たちもいるのである。

宴会にではいなかったが、弟と喜多一の若い番頭は、裕一が継がないと喜多一が潰れるとはっきり言っていた。でもねえ、他者のために自分の幸福を我慢するべきとは言えないだろう。



宴会で「船頭可愛や」の藤丸版をかけ、しみじみ聞き入る三郎とみんな。やっぱりここはオペラ歌手版よりも民衆の心が滲む民謡調である。三郎は浪曲好きだったし、こういうのが染みるのだろう。毎日の暮らしは決して楽ではないが、こういうとき聞いて染み入る歌こそ、流行歌の真髄である。
裕一は、店や銀行を救えなかったが、人の心を救っている。

そんな三郎、元気そうだったが、急に具合悪そうになる。どうなる、三郎?
ちなみに、三郎も第2話で「なんでもいい夢中になるものを探せ。それがあれば生きていけっから」と裕一を励ましていたことも覚えておきたい。

赤ん坊を音から抱かせてもらったまさの「いい匂い~」という台詞が良かった。でも華がすごくいやな顔をしているのも正直で笑える。おばあちゃん、おじいちゃんとはいえ、赤ちゃんにとっては知らない人だもの。

覚えてますか。52回に出てきた福島編の登場人物を振り返ろう藤堂清晴…森山直太朗/裕一の担任。音楽教育に熱心で、裕一の音楽の才能を「たぐいまれなる」と評価する。一時、教師を辞めて実家に戻ろうと悩んでいたが、まだ教師を続けている。

古山三郎…唐沢寿明/裕一の父。福島の呉服屋・喜多一の三男坊。兄ふたりが亡くなったので店を継いだ。商売がうまくなく、借金で喜多一が窮地になり、そのかたに裕一をまきの実家の養子に出す。

古山まさ…菊池桃子/裕一の母。実家がお金持ち。三郎や兄の茂兵衛の言うままで主体性がない。

古山浩二…佐久本宝/古山家の次男。裕一の2歳下。喜多一を継いだことで割りを食い、兄ばかりがやりたいことをしていると不満を募らせる。喜多一をたたんだのち、役場で働く。

落合吾郎…相島一之/権藤家が経営している川俣銀行の支店長だったが転職。自暴自棄な裕一に優しく接する。独身。
菊池昌子→藤堂昌子…堀内敬子/川俣銀行事務員だった。バツ3だったが藤堂と結婚。妊娠中。
鈴木康平…松尾諭/川俣銀行行員だったが転職。ダンスホールで出会った女性と結婚したが離婚。
松坂寛太…望月歩/川俣銀行若手行員だったが転職。かつて、裕一の情報を茂兵衛に報告していた。

大河原隆彦…菅原大吉/喜多一の番頭。実直な人物。

楠田史郎…大津尋葵/小学校で裕一を虐めていたが、福島ハーモニカ倶楽部で裕一と仲良くなる。

佐藤久志…山崎育三郎/裕一の小学校に転校してきた。県会議員の息子。東京で裕一と再会する。

村野鉄男… 中村蒼/魚屋・魚治の息子。父の都合で夜逃げ。川俣で新聞記者になっているとき裕一と再会。「福島行進曲」の作詞をして東京に出てくる。

権藤茂兵衛…風間杜夫/まさの兄。資産家。妻が病弱で跡継ぎが生まれないことが悩みの種。
(木俣冬)

東京編の主な登場人物古山裕一…幼少期 石田星空/成長後 窪田正孝 主人公。天才的な才能のある作曲家。モデルは古関裕而。
関内音→古山音 …幼少期 清水香帆/成長後 二階堂ふみ 裕一の妻。モデルは小山金子。

小山田耕三…志村けん 日本作曲界の重鎮。モデルは山田耕筰。

廿日市誉…古田新太 コロンブスレコードの音楽ディレクター。
杉山あかね…加弥乃 廿日市の秘書。
木枯正人…野田洋次郎 「影を慕ひて」などのヒット作をもつ人気作曲家。モデルは古賀政男。

山藤太郎…柿澤勇人 人気歌手。モデルは藤山一郎。
小田和夫…桜木健一 ベテラン録音技師。

梶取保…野間口徹 喫茶店バンブーのマスター。
梶取恵…仲里依紗 保の妻。

佐藤久志 …山崎育三郎 東京帝国音楽大学の3年生。あだ名はプリンス。モデルは伊藤久男。
村野鉄夫 …中村蒼 裕一の幼馴染。川俣で新聞記者をやっている。詩を書くことが好き。モデルは野村俊夫。

夏目千鶴子 …小南満佑子 東京帝国音楽学校の生徒 優秀で「椿姫」のヒロインに最も近いと目されていた。

筒井潔子 …清水葉月 東京帝国音楽大学で音と同級生。パートはソプラノ。
今村和子 …金澤美穂 東京帝国音楽大学で音と同級生。パートはアルト。

先生 …高田聖子 東京帝国音楽大学の教師。
双浦環 …柴咲コウ 著名なオペラ歌手。モデルは三浦環。



番組情報連続テレビ小説「エール」 
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~、再放送 午後11時~
◯土曜は一週間の振り返り

原案:林宏司
脚本:清水友佳子 嶋田うれ葉 吉田照幸
演出:吉田照幸ほか
音楽:瀬川英二
キャスト: 窪田正孝 二階堂ふみ 唐沢寿明 菊池桃子 ほか
語り: 津田健次郎
主題歌:GReeeeN「星影のエール」
制作統括:土屋勝裕 尾崎裕和

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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