憎悪の闇から抜け出そうとした<元レイシスト>の壮絶な実話『SKIN/スキン』6.26公開

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の影響で公開延期となっていた映画『SKIN/スキン』が、6月26日より全国順次公開となることが決まった。

差別主義者として生きてきた男の再生の軌跡を描く本作。イスラエル出身、ユダヤ人のガイ・ナティーヴ監督が、過去の自分と決別するため計25回・16ヵ月に及ぶ過酷なタトゥー除去手術に挑んだブライオン・ワイドナーを追うテレビドキュメンタリー『ERASING HATE』(11)に感銘を受けたのがきっかけで生まれた。

生まれて初めて愛を知った差別主義者は、組織からの脱会を決意した。だがその肌に刻まれた憎しみの象徴を、社会は決して許そうとしなかった―。スキンヘッド、顔面に憎悪を象徴する無数のタトゥー。白人至上主義者に育てられ、差別と暴力に満ちた生活を送るブライオンは、シングルマザーのジュリーと出会い、これまでの悪行を悔いて新たな人生を築こうと決意する。

ブライオン役を演じたのは『リトル・ダンサー』(00)、『ロケットマン』(19)のジェイミー・ベル。ダニエル・マクドナルドがブライオンに新たな道を示す女性ジュリー役を演じ、ビル・キャンプ、ヴェラ・ファーミガらベテランが脇を固める。

奇しくも米国では5月末にミネソタ州ミネアポリスで警察官が黒人男性を死亡させたとして、各地で抗議デモが相次いでいる。今もなおやむことのない差別主義の連鎖をどのように断ち切ることができるのか。本作は差別主義者として生きてきた男の再生の軌跡を通し、その手がかりを教えてくれそうだ。

アメリカ研究者の渡辺靖氏は本作について、「欧米で台頭する白人至上主義。しかし、差別主義者として生まれてくる子はいない。では、なぜ、人はそうなるのか。そして、その荒んだ心を改めさせるものは何か。不寛容の時代と向き合う手がかりがここにある」とコメント。

神学者で国際基督教大学教授の森本あんり氏は「全編を通して伝わってくるのは、『立ち直りたい』という本人の強烈な意志である。悪の力は、愛をあざ笑う。愛する者をもつことは、弱みをもつことだから。だが、その弱みこそが彼を強くする。これは、脅迫にも暴力にも挫けず、愛する者のために新しい自分を作ってゆく、魂の再生の物語である」と評価。

作家の谷村志穂氏は「身体表現とは、踊りだけではないのだと改めて感じた作品だった。差別主義者たちの中で、歪んだ連帯のもとに育った主人公が持っていた愛情深さとは、果たして何なのか。それが人間の持っている力なのだと信じたい」としている。

映画『SKIN/スキン』は6月26日より全国順次公開。

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