日テレ『24時間テレビ』、「全然やる予定」で押し通すのか 視聴者からは「もうやらなくていい」の声も

wezzy

2020/5/29 06:00


 新型コロナウィルスの影響を受け、フジテレビ系列の『FNS27時間テレビ』は早くも今年の放送中止を決めた。昨年は11月に放送。「にほんのスポーツ」をテーマに2020東京オリンピックのムードを盛り上げており、今年は東京オリンピック後の8月中旬に放送予定で準備を進めてきたが、リモートだけで番組制作を行うのは難しく、出演者やスタッフの安全を最優先にして34年目で初めての放送中止を決めたという。

一方、日本テレビ系列の大型特番『24時間テレビ』はまだ放送について正式発表がない。5月25日付東京スポーツが報じたところによると、放送予定日は9月5日~6日で内定しており、メインパーソナリティーは嵐。チャリティーパーソナリティーは中島健人(Sexy Zone)と平野紫耀(King & Prince)、リレー方式となる24時間マラソンは中居正広などが参加する方向で、それぞれ調整が進んでいるという。

『24時間テレビ』は、障がい者や難病患者に密着しての番組作りを定番としてきたが、今年は感染症対策の面で大きな危険がある。前述・東京スポーツの記事では、制作関係者が「健常者よりも免疫力が落ちている人たちを危険にさらすことがないよう、細心の注意を払い、VTRを制作します」と発言しているが、医療現場で専門家がどれだけ注意していてもパンデミックが起きている現実を見れば不安は募る。また、24時間マラソンを行うのであれば、沿道に人が集まってしまうことも予想され、対策が必要だ。

3月23日の定例会見の時点で日テレの小杉善信社長は『24時間テレビ』の実施について言及、「全然やる予定です。やらないといけないという我々の使命感を持っていますので」「どういう形になろうが、必ずやると考えております」と宣言。その後4月に緊急事態宣言が発令されたとはいえ、解除された以上、やはりなんとしても「やる」つもりなのだろうか。

しかし綿密な打ち合わせと膨大なVTR、多くの出演者とスタッフを必要とする『24時間テレビ』を、人々の密集や密接を避け、ソーシャルディスタンスを保ち、また過労にもならないよう配慮して敢行できるものだろうか。小杉社長の口にした「使命感」はチャリティ番組としての矜恃なのかもしれないが、定例会見の模様を伝えるネットニュースには「無理にやらなくていい」「感動ポルノはもうたくさん」といった視聴者の否定的なコメントが相次いだ。

もちろん「どういう形になろうが」と留意しているため、これまでの慣例とは全く異なるやり方での番組制作もあり得る。また、テレビ局は慈善団体ではなく、事業として恒例の『24時間テレビ』を外すわけにはいかない事情もあろう。であれば、前述批判コメントにもあるような「感動ポルノ」要素を排し、しばしばチャリティ番組としての矛盾を指摘される出演者への高額ギャランティについても検討し直すなど、新しい生活様式にもマッチする『24時間テレビ』の構築が望ましいだろう。

ちなみにテレビバラエティやドラマの撮影は徐々に再開しているが、民放各局の制作マニュアルはかなり厳しいようだ。5月26日付スポニチAnnexによれば、日テレはとりわけ厳しいガイドラインを立てているという。

そのガイドラインには「打ち合わせは完全リモート」「現場では朝・昼・夕に検温」といった多くの職場で行われている施策から、「メインキャストは本番の撮影時以外はセット内でフェイスガードを着用」「食事はなるべくひとりで食べる」といった事細かなものまで明記。また、ラブシーンやアクションシーンなどの接触が濃密な場面は、本人の了承を取ったうえで「一発撮り」で行うという。編集を前提として何回も撮ることはできず、NGも許されないわけだ。

そうした細かいガイドラインを守りながら、以前のようなハイペースでの撮影を何本も並行していくやり方は、もう難しいのではないか。コロナと共存しながらの映像コンテンツ作りは、泳ぐことをやめられないマグロのようになっていたテレビ業界を否応なく変革させることになるのだろう。

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