【医師監修】子供の蕁麻疹(じんましん)。その原因は? 対処法を教えて!



子供の肌に赤いぶつぶつができると、もしかしたら食物アレルギーではないかとドキドキする人も多いのではないでしょうか。しかし、蕁麻疹(じんましん)の原因は必ずしも食物アレルギーとは限りません。ここでは子供の蕁麻疹について解説します。

この記事の監修ドクター

大越陽一先生

杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

蕁麻疹(じんましん)ってどんな病気?

「じんましん」は皮膚の一部が突然虫刺されのように赤くくっきりと盛り上がり、その多くは数十分から数時間程度であとかたなく消えてしまう病気です。じんましんの「蕁麻」とはイラクサという植物のことで、人がイラクサの葉に触れると似た症状が現れることからこの名前がつきました。

盛り上がった皮膚の大きさは1~2mm程度のものから手足全体に至るものまであります。形も円形、楕円形、線状、花びら状、地図状など、さまざまです。

じんましんの多くはかゆみを伴います。ときには、かゆみがなかったり、かゆみよりもチクチクとした感じや焼けるような感じを伴ったりすることもあります。症状の多くはしばらくすると消えるのですが、症状が激しい場合には次々と新しい赤いぶつぶつが出没して常に現れているように見えることもあります。
虫さされとはどう違う?
虫さされは後に何日かしこりのようなものが残ったり、ひっかいているうちに表面がジクジクしたり、数が増えたりします。しかし、じんましんはあとを残さずに消えてしまうところが虫刺されとは違う点です。また、じんましんの場合は全体が平たく膨らんだり、赤い輪のような形になったりすることもあります。
じんましんの原因は?
じんましんが出ると「食物アレルギーではないか」とドキドキしてしまう人は多いと思うのですが、じんましんの原因は食物アレルギーに限りません。じんましんを大きく分けるとアレルギー性と非アレルギー性のものがあります。

アレルギー性じんましんは、食品や薬など、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に反応することで発症します。非アレルギー性じんましんは、摩擦や圧迫などの物理的刺激・気温の変化・発汗・日光 ・ストレス・疲労などが原因となって起こります。
じんましんができるしくみ
皮膚の血管のまわりには、マスト細胞と呼ばれる小さな粒がたくさん詰まった細胞が散らばっています。このマスト細胞がアレルギーなど、何らかの理由で中にある粒を放出すると、血管がその粒の中にあるヒスタミンという成分に反応します。

ヒスタミンにより血管が膨むことで皮膚の表面が赤く見えますし、血液の中の血しょうが周囲ににじみ出やすくなるので皮膚が盛り上がります。このようにして、じんましんの症状は起こっています。また、ヒスタミンはかゆさを感じる神経を刺激するため、かゆみも感じるようになります。

そして血管や血しょうが元に戻ればこれらの症状は消えます。じんましんの跡が残らないのはそういった理由です。
食べ物以外の原因でも起こるの?
じんましんが出ると食べ物が原因ではないかと思いがちですが、「じんましんの原因は?」でも説明した通り、実はその原因はさまざまです。特に子供の場合は風邪など一過性の感染症に伴うものが多いとされています。また、お風呂などで体が温まると症状が出ることもあります。
食べ物が原因の場合もアレルギーとは限らない
何かを食べたあとにじんましんが出ると「これは食物アレルギーでは!?」と思うかもしれませんが、食物が原因ではあっても、「非アレルギー性」のじんましんである場合もあります。

たとえば、青魚、豚肉などの肉類、タケノコ、ほうれん草などの野菜類などは、食品に含まれるアレルゲンによりアレルギー反応が起こり、そのために放出されたヒスタミンによってじんましんが出ることもありますが、食品中にヒスタミンに似た物質が含まれていて、それが直接血管に働いたり、アレルゲン以外にヒスタミンを出させやすい成分が含まれてたりするために、非アレルギー性のじんましんを起こすこともあります。この原因物質は「仮性アレルゲン」と呼ばれ、真のアレルギーとは区別されています。

食品が原因であっても非アレルギー性のじんましんの場合は、同じ食品を摂取しても材料やその日の体調などで症状が出たり出なかったりする傾向があります。また、アレルギー性のじんましんの場合は、疑わしい食品を用いた皮膚検査や血液検査によって比較的簡単に原因を突き止めることができるのに対し、非アレルギー性のじんましんの場合は食べ方や量、吸収のされ方に左右されるため、そのような検査では原因を明らかにすることができません。

そうではあっても、特定の食品を摂取したときにだけ症状が出ることが多いので、原因として食品が疑わしいと気づくことはできるはずです。何週間も続けて毎日のように繰り返して出るじんましんの場合には、食物が原因となっていることはほとんどないといえるでしょう。
こんな場合は要注意!
たとえばアレルギー性のじんましんで、アナフィラキシーの症状が出ている場合は、命にかかわることがあります。下記のチェックボックスのめやす[*1]を参考に、適切に対応しましょう。
じんましんで救急車を呼ぶ場合
☑ 咳・ゼイゼイがある、呼吸が苦しそう

☑ ぐったりしている

咳で呼吸が苦しそうだったり、ぐったりしていたりする場合は、アナフィラキシーショックを起こしている可能性が高いのですぐに救急車を呼びましょう。

救急車を待つ間の注意[*2]

(1) 子供が動き回らないように注意します。

食べ物が口の中に残っている場合には、自分で吐き出させるか、背中を強くたたいて異物を吐き出させる「背部叩打法」などを行います。

ただし、意識がない場合には、無理やり吐かせる必要はありません。

(2)口をすすぎ、口の中に異物が無いことを確認したあとはあお向けで寝かせます。

もし、めまいやふらつきがあるなど、血圧の低下が疑われるようなら、あお向けの状態で、足側を15~30cmほど高くします。

その際は、気道の確保につとめてください。気道確保の際は、人差し指と中指の2指をあご先に当て、もう片方の手を額に当てて、あご先を持ち上げるようにしながら、額を静かに後ろに押し下げるようにして頭を反らします。

(3)もし、子供を移動させる必要があるのなら、担架など体を寝かせることができるものを使ってください。

背負ったり、座らせたりする姿勢で移動させることはやめましょう。

(4)上記の手当てを行っている間に、救急車等の手配を行います。

近くに大人が2人以上いるのなら、(1)~(3)と(4)は手分けして行うとよいでしょう。

(5)アナフィラキシーを起こした場合は、症状がいったん回復しても、数時間後に再び症状が現れることがあります。症状が回復したあとであっても医療機関には必ず行くようにしましょう。
時間外でもすぐに受診する
☑ 冷やしてもかゆみが強く、とても家では我慢できない

☑ 蕁麻疹が全身に広がっている

上記のような場合は、診療時間外であってもすぐに受診しましょう。
診療時間内に受診する
☑ 発疹が一部分で、かゆみが弱い(冷やすとかゆみが弱くなる)

☑ 症状が続く

※スマホで患部を撮影しておき、受診の際に見せると良い

上記のような場合は、診療時間になるのを待って受診しても大丈夫でしょう。なお、発疹は数十分から数時間であとかたもなく消えることが多いので、症状が出ている間にスマートフォンなどで患部を撮影しておき、受診の際に見せるとよいでしょう。
じんましんのケアはどうすればいい?

じんましんが出たらまず皮膚科または小児科を受診しましょう。治療は大きく分けて2つあります。

ひとつめの治療法は、原因を探してそれらを取り除いたり避けたりすることです。たとえば、何かの食べ物でじんましんが出た場合はその食べ物を避け、皮膚がこすれることでじんましんが起こるのなら体を締め付けない服を着るようにします。

2つ目の治療法は薬物療法です。じんましんの原因ははっきりしないことも多いものですが、その場合でも、飲み薬で症状が改善されることがあります。
治療はどうやってするの?
抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬が処方されます。子供の場合も、基本的には大人とほぼ同じ治療方法となります。ただ、「食べ物以外の原因でも起こるの?」でも触れた通り、子供の場合は風邪などの感染症に伴う場合が多いなど、大人と異なる特徴もあるので、その子に起こっている症状などを総合的に判断して治療が行われます。。
家で過ごすときのポイント
もし、じんましんの出ている場所が体の一部で、かゆみが弱いようであれば、そのうち症状は消えていくでしょう。冷やすとかゆみを抑えるのに役立ちます。

じんましんは一度消えても数日間は出たり消えたりすることがあります。症状が続いている場合は、お風呂で悪化することがあるので、入浴する際は、ぬるめのお湯で短時間で済ませるのがおすすめです。

体を洗うときは、よく泡立てた石けんでやさしく洗い、しっかりすすいで患部を清潔に保ちましょう。また、赤ちゃんの場合は皮膚が大人に比べて薄いので、お風呂上りには保湿剤をしっかり塗ってあげてください。
じんましんはどれくらいで治るの?
じんましんがなかなか治らないと、いつ治るのか気になりますよね。実は、じんましんがいつまで続くのかについては、まだあまりよくわかっていないようです。

ただ、明らかな原因がないのに発症し、発症後1週間以内に治療を始めた急性じんましんの多くは慢性化せずに治る傾向にあります。その一方で、6週間以上症状が続いた慢性じんましんのなかでも、抗ヒスタミン薬で症状が抑えられない場合は、その後何年も症状が続くことがあります[*3]。

とはいえ、子供の場合は大人よりも短期間で治ることが多く、ほとんどは数週間~数ヶ月で治るとされているので、あまり心配しすぎないようにしてくださいね[*4]。
まとめ
子供の肌にじんましんが現れると「アレルギーが出たのでは?」と慌ててしまいますよね。しかしじんましんにはアレルギー性のものと非アレルギー性のものがあるので、必ずしもアレルギーが原因とは限りません。まずは皮膚科や小児科を受診しましょう。
(文:今井明子/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献

[*1]佐久医師会教えて!ドクタープロジェクトチーム『子どもの病気・おうちケア』51p(KADOKAWA,2019)

[*2]アナフィラキシーショックを発現した児童・生徒への対応手引き 日本小児アレルギー学会 食物アレルギー委員会  食物アレルギーによるアナフィラキシー学校対応マニュアル 小・中学校編 2005

http://www.pediatric-world.com/asahikawa/st/pdf/guide09.pdf

[*3]日本皮膚科学会 蕁麻疹診療ガイドライン 2018

https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/urticaria_GL2018.pdf

[*4]日本アレルギー協会 蕁麻疹ってどんな病気?

https://www.jaanet.org/allergy/pdf/allergy_skin05.pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

当記事はマイナビウーマンの提供記事です。

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