S-IST Stage『ひりひりとひとり』全公演中止を発表、作・演出務める石丸さち子からメッセージが

エンタステージ

2020/5/22 19:00


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2020年6月に東京・よみうり大手町ホールにて上演を予定していたS-IST Stage『ひりひりとひとり』が全公演中止を発表した。新型コロナウイルス感染症拡大の状況等を鑑み、協議を重ねた結果、公演準備を進めることが困難と判断し、この決断に至ったという。

全公演中止に伴い、e+(イープラス)にて実施していたオフィシャル先行にお申込みは全ての「落選」となり、チケットの支払いは発生しないという。

なお、公演に向けて準備を進めていた特設HP(https://www.s-ist-stage.com/)のリニューアルが行われ、公演は中止となったものの、公開を予定していた出演キャスト6名の個別キービジュアルや、中止に際して作・演出の石丸さち子からお客様へのメッセージが公開された。

以下、石丸のコメントを紹介。

◆石丸さち子(作・演出)

『ひりひりとひとり』を楽しみに待っていてくださった皆様へ。

この作品は、珍しい経緯で企画が立ち上がりました。
鈴木勝吾さんとミュージカルでご一緒してから、「いつか一緒に新作を」と語り合ってきた夢が実現したのです。この仕事をしていると挨拶がわりにもなる言葉ですが、実現することはとても稀なのです。

東映の中村恒太プロデューサーは、この企画を石丸さち子と東映の新たなタッグとしてS-IST Stageと名づけてくださいました。企画者のイニシャルからなるこの名称、ISTはドイツ語でbe動詞の三人称単数でもありますから、演劇者としての自分の存在を再び問うような仕事をしようと心に誓いました。

半年をかけて台本が脱稿した後に、わたしは一年前の自分のメモを見つけました。
「勝吾に青空を切り裂いて飛ぶひばりのような芝居を書きたい」とありました。
そんな作品に仕上がっていました。
そして、演劇と音楽に救われる一人の俳優を巡る物語は、七人の登場人物の、奇妙な群像劇でもありました。

世界中が新型コロナウィルスに立ち向かい、エンタテインメントが息をひそめている今、自らの仕事を問い続けるわたしたちにとって、今こそ上演すべき作品、今こそお届けすべき作品だと信じて、オンラインで、稽古やスタッフとの打ち合わせを重ねてきました。

この仕事は出会いの奇跡の重なりです。
鈴木勝吾さんは、今の己の全てを賭けて役に立ち向かう姿、鬼気迫るものがありました。その姿勢は彼の俳優としての日常かもしれませんが、今回の役は、彼の実感が様々に反映していました。

鳥越裕貴さんとの再会では成長に驚き、明るい熱量が眩しかった。難しい役柄を稽古場でともに創り上げるのを楽しみにしていました。

能條愛未さんには、ステレオタイプではない強さと明るさがあり、伸び伸びしていて、新しい女優との出会いに演出家は感謝していました。

菅原りこさんは、ひたむきに純粋に作品に向き合い、成長したいという意気込みに満ちて、いつもきらきらと輝いている目に、オンラインの稽古でも魅了されました。

百名ヒロキさんは、経験したことのない役柄に高いモチベーションをもって向き合い、演出家の想像を超えて活き活きと演じる準備が出来ていました。

佐藤誓さんは、作品に重層性や多様性をもたらしてくださる存在でした。重量感のある存在が、稽古場で弾ける姿を楽しみにしていました。

森大輔さんによる劇中曲、劇中歌は、すべて出来あがっていました。

前向きに過ごしていても、誰もがひりひりし続けているコロナ禍の今、癒やしと勇気をくれる曲たちを、登場人物として生演奏して下さる予定でした。
今まで当たり前のように感じていた、一堂に会しての稽古はできなくとも、全員で作品の未来を見つめる時間を過ごすことができました。

この厳しい現実に直面する中でも、稽古は熱く楽しく、希望を持って進んできましたが、今回、上演することは叶いませんでした。
楽しみにお待ちくださっていたお客さまには、あえてお詫びの言葉を申し上げず、この「ひりひり」した気持ちをともにして、もうしばらくお待ちいただけるよう、お願い申し上げます。

先の読めない、不安の多い時代ですが、どうぞ皆様も、それまでお元気で。
時を改めて、劇場でお会いすることを楽しみにしています。

当記事はエンタステージの提供記事です。

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