「ラブホだから火事消すの止めるとはならない」 持続化給付金不支給が国会の議題に

しらべぇ

2020/5/22 17:15




新型コロナウイルスの流行拡大が経済に甚大な影響を及ぼす中で、5月1日から運用が始まった中小法人・個人事業主のための持続化給付金。前年同月比で売上が50%以上減少した中小法人は最大200万円、個人事業主は最大100万円の給付を受けることができる。

しかし、現状すべての業種がこの支援を受けられるわけではない。たとえば身近な例では、ビジネスホテルには給付される一方で、ラブホテル(レジャーホテル)は、風営法(第2条5項)で「性風俗関連特殊営業」定義されているため、支給を受けることができない。

■衆院経産委員会で議題に


22日、衆議院の経済産業委員会において、立憲民主党の本多平直衆院議員(北海道比例区)が「ラブホテル排除」について質問を行った。本多議員のもとには、長野県で親の代から42年にわたってラブホテルを経営している人からメールが届いたという。

「法に従って納税し、一般企業と変わらない経営をしている。何の根拠があってこのような差別を受けなければならないのか理解に苦しむ。暴力団員でも反社会勢力でもない。合理的な根拠のない職業差別ではないか」という悲痛な声だ。


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■高齢者雇用の受け皿にも


本多議員は、「ベッドの清掃をする人など高齢者なども多いのではないか」と、地域の高齢者にとって雇用の受け皿になっている可能性も示唆した。

また、警察に届け出て風営法のもとで適正な経営をしているホテルは対象とならず、「届け出ずに旅館を名乗っているが実態はラブホテル」といった業者には支給されるといった矛盾も指摘。

質問の中で本多議員が発言した「火事のとき、『ここはラブホテルだから消すの止めますわ』とはならない」という例示は、非常にわかりやすく感じられる。

■梶山経産相は「検討進めている」


本多議員の質問に対して、梶山弘志経済産業大臣は、「業種や要件についてさまざま声が届いているが、風営法で定義されている性風俗関連特殊営業については、災害対応も含めて一貫して公的金融支援や国の補助制度の対象としてこなかったことを踏襲している」と答弁。

「支給対象外としているが、対応が可能かどうか検討を進めている。5月初めから検討の俎上には乗っている」と答えた。

厚労省が管轄する雇用調整助成金についても、当初、キャバクラ嬢や風俗嬢は不支給の方針が示されていた。これについては、当事者以外からも大きな批判が巻き起こり、厚労省は方針を転換。水商売や性風俗関係でも助成を受けられることになっている。

■識者は「地下経済化避けるべき」


公的なセーフティネットからこぼれてしまいがちな性風俗産業とその従業員たち。世界的に甚大な被害を拡げている緊急事態において、こうした「排除の論理」は適切なのだろうか。

共著で『風俗嬢意識調査』『売る売らないはワタシが決める』などの著書もある、セックスワーカーの支援を行うグループ『SWASH』代表の要友紀子さんに話を聞いた。

「ラブホテルがない韓国では、カラオケボックス、カフェ、理髪店、マッサージ店、飲み屋などが隠れ蓑となって、性産業が地下経済化している。このようにラブホテルの存在は、セックスワークの衛生とリスク回避にとっても大変重要だ。


アンダーグラウンドになればなるほど、人身売買も増加するというのは、トランプ政権の政策評価でも明らかにされている。安全に合法的に働ける労働場所を国として支えていただきたい」

■7割が利用経験あり


衆院委員会で紹介されたメールの送り主は「親の代から42年間経営」とのことだったが、ラブホテルは一般市民にとってもきわめて身近な存在だ。

しらべぇ編集部が全国20~60代の性体験がある男女1,284名を対象に実施した調査では、ラブホテル利用経験者は全体の66.2%。40代女性では8割に迫っている。



専門家が指摘する地下経済化のリスクも踏まえ、政府の対応を期待したい。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2019年2月1日~2019年2月4日
対象:全国20代~60代の性体験のある男女1,284名 (有効回答数)

当記事はしらべぇの提供記事です。

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