マキタスポーツ「ズレのポイントだけをフワッとみせてくれる」宮沢章夫が書く文章の魅力を語る

TOKYO FM+

2020/5/22 06:40

禁酒法の時代に、こっそりひそかに経営していたBAR『SPEAKEASY』。2020年の東京の街にも、そんなひそかなバーがありました。月曜から木曜の深夜1時にOPENする“ラジオのなかのBAR”『TOKYO SPEAKEASY』。各界の大物ゲストが訪れ、ここでしか話せないトークを展開するとか、しないとか……。

5月5日(火・祝)のお客様は、お笑い芸人のマキタスポーツさんと劇作家の宮沢章夫さんです。



(左から)マキタスポーツさん、宮沢章夫さん

◆マキタ「宮沢さんの文体をパクりました」
マキタ:僕は宮沢さんのエッセイとかが大好きで。それで、何て言うんでしょうかね、宮沢さんの書かれるコラムやエッセイに影響を受けてない書き手は、いないって思うくらい、影響を受けている人たちがいると思うんです。

宮沢:ありがとうございます、それはね、自分でも驚きますけどね。ある文体模写の大型掲示板のなかに、そういったスレッドがあったんですけど。それで、みんなが僕のを模写して何か書くんですけど、“あ、確かに俺はこういう風に書いてる”って。

マキタ:自分でそうやって気が付いたんですか?

宮沢:そうです。

マキタ:あとね、僕も結構、文体をパクりましたよ(笑)。最初、ブログとか、別に発注がないじゃないですか。それで、ちょうど僕なんかがデビューした頃っていうのは、ネットが普及し始めて、ブログとかも段々と普及してきて。それで、文章とかを書いたことがほとんどなかったんですけど、とりあえず書くときに宮沢さん(の文体)をパクりました。

宮沢:あ、そうですか。ありがとうございます。

マキタ:パクれるんですよ。でも、面白いかどうかは別ですよ。でも、“宮沢さん文体”ってあったと思います、絶対。

宮沢:マキタ君の音楽の仕事とかを聞いてもわかるんだけど、マキタ君は「構造」を発見する力がすごいでしょう? それで僕の文体が見えたんだな、きっと。ただ、最初、僕が文章を書き始めた頃は、当時のライターのお手本が、椎名誠さんだったんですよ。昭和軽薄体という。

マキタ:あ、そうなんですか。

宮沢:だから、みんなその文体になっちゃったの。そんななかで、僕がエッセイを始めるにあたって、それと一緒のことをしないようにするにはどうしたら良いか、っていう。それで、今までのエッセイとかコラムは、何か勢いをつける、それから“面白いですよ”っていうような文章を書いていたけど、それを止めて、あの……難しい顔でくだらないことを言ってる人っているじゃないですか。

マキタ:はいはい。それは僕も感じましたよ。宮沢さんの文章から感じました。

宮沢:感じてくれました(笑)?

マキタ:“堅い”感じなんですよね。ところが、すげぇとぼけたことを言っているから、ちょっと虚をつかれたり。あと、常識的な世界がちょっとだけズレる瞬間に、たまらなくおかしくなるような衝撃ってあるじゃないですか。それを、多分普通の生活をしていると全部流しちゃっているんですけど、そこのズレのポイントだけをフワッとみせてくれる感じがして。

宮沢:まあね。

マキタ:だけど、その“おかしくなる瞬間”をちゃんと文章にして、“ここが面白いところですよ”っていうのが何の指導もされていないのに分かるような気がするんですよ。だから、容易に真似ができたんですよ。凄かったですよ、だから。

宮沢:でもそれは、読み手がそこを読んでくれるっていう、読み手の読解力もかなり試されていると思いますよ。

マキタ:でも、読解力がない人たちも多分読めたから。例えば、音楽でもロックの歴史でも、何か簡単そうに見えないと、“真似したい”って思わせるものがないと人気が出ないじゃないですか(笑)。それをすごい思いましたよ。

宮沢:井上陽水さんが、ボブ・ディランの「I Want You」を聴いてて、「あ、分かった」って言ったっていう話は知ってます?

マキタ:知らないです(笑)。「分かった」って言っちゃったんですか。

宮沢:あの歌は、普通の歌詞があった後に“I want you. I want you.”ってずっと歌っている。これで良いんだ。前の詞が、どんなに難解でも、その後、単純なフレーズが繰り返されたら、これでヒットする。それが「夢の中へ」で使った手法じゃないか、という話をどっかで聞きましたね。

マキタ:そっか。でも、それが正しかろうが何だろうが、自分のなかで、“分かった”って衝撃が面白いですね。“勘違い”というか。

宮沢:そうそう、そうなんですよ。

マキタ:だから、僕も宮沢さんの文体を“真似できる”って思ったのは、勘違いだと思いますけどね。

宮沢:そうですかね? あれを書くときは真面目なんだけど、自分がどうやってバカにするか、バカになっていけるか、っていうことを考えていましたよ。それが技術なんです。バカになる技術(笑)。

▶▶この日の放送内容を「JFN PARK」でチェック!

来週の「TOKYO SPEAKEASY」のお客様は……

5月25日(月):NON STYLE・井上裕介さん×上田慎一郎さん
5月26日(火):高須光聖さん×トータス松本さん
5月27日(水):カンニング竹山さん×松尾貴史さん
5月28日(木):吉田照美さん×斉藤和義さん

がご来店。一体どんな話が飛び出すのか……!? お楽しみに!

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<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00~26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/

当記事はTOKYO FM+の提供記事です。

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