共用部の消毒、マスクのおすそ分け…緊急事態宣言下で大家にできること

日刊Sumai

2020/4/27 21:04

新型コロナウイルス感染拡大防止のために緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出は自粛するよう呼びかけられています。
入居者の方に少しでも快適に過ごしてもらえるよう、大家としてどんな工夫をしているのか、東京・世田谷区で築古マンションの大家をしている日刊Sumaiライター・アサクラさんにお聞きしました。
感染リスクが考えられる共用部を消毒&清掃
宅配ボックス
freeangle / PIXTA(ピクスタ) ※写真はイメージです
まず、いちばん怖いのが共用部をきっかけに感染が広がってしまう事態が起こることです。幸い、うちのマンションにはオートロックのエントランスドアがありません。
入居者のみなさんが共通に触れる可能性があるものといえば、宅配ボックスくらいです。
これに加え、外部の方が触れる郵便ポストもリスクが高いでしょう。うちのマンションでは、この2か所を中心に定期的に清掃と消毒をおこなっています。
もうひとつ、マンションで怖いのがエレベーターや廊下での感染リスクですが、うちにはエレベーターはありません。廊下も外廊下ですし、まわりの建物よりも高いため、風が強く吹き抜けます。
台風の日などは廊下を歩いただけで体が濡れることも多いのでいつもうらめしく思っていましたが、今回ばかりは換気の効果が高いことに感謝せざるをえません。
こう考えると、密閉性が高く設備の充実した最新マンションよりも、うちのような築古マンションのほうが感染リスクは低いかもしれません。
余ったマスクを入居者さんに配布
巷ではマスクをめぐる行列騒ぎや政府による配布などが話題になりました。うちのマンションでは非常時用に倉庫に備蓄していたマスクを入居者のみなさんにお配りすることにしました。
入居者のみなさんに配布したマスク
「1人1枚」ですので大した助けにはならないかもしれませんが、緊急事態もいつまで続くかわからないですし、少しでもお役に立てればと思っての配布です。
各戸のポストに入れるだけなので配布自体は簡単ですが、マスクを袋詰めにして封筒に入れる際には消毒に十分配慮しました。良かれと思っておこなったマスク配布が悪い結果を招いては大変ですから、こういう点は気をつかいます。
マスクが切れかかっていたという方からはメールやラインもいただき、中にはわざわざお礼の電話をくださった方までいらっしゃいました。
在宅ワーカーにデスクの貸し出しを提案
リモートワーク
nonpii / PIXTA(ピクスタ)
緊急事態宣言下では、在宅での仕事に切り替わる方も増えています。うちのマンションでも、入居者のみなさんと連絡を取っていると、在宅でお仕事をされている方がかなり多い印象を受けます。
これまで出社して仕事をしてきた方々にとっては、在宅での仕事は慣れないことも多いようで、在宅での仕事にあたってテーブルやイスについて相談を受けることもあります。
そこで、事務所に余っているテーブルや折りたたみチェアの貸し出しを提案してみました。
一度ワークデスクを購入してしまえば、在宅での仕事がなくなった後、置き場に困るかもしれません。借りたテーブルなら返却すればいいので、気が楽かなと考えたわけです。
こういう非常時以外にも、余った家具の貸し出しをおこなっても面白いかな、と思いました。
お菓子や果物の交換でほっこりすることも
焼き菓子
tazuko / PIXTA(ピクスタ)
仲の良い入居者さんで在宅ワークをなさっている方には、お茶菓子を差し入れたりもしています。家に缶詰めで仕事をしていると気が滅入ることも多いと思うので、少しでもリフレッシュになればという思いからです。
もちろん手渡しするわけにはいきませんから、ポストに投函したり、在宅であることを確認したうえでドアノブに袋を引っかけたりして渡しています。
これが思いのほか好評で、いい気分転換になったという声をいただいています。「子どもが喜びました!」なんていう報告を受けたり、お返しにお菓子や果物をくださる方もいらっしゃったりして、こちらもほっこりさせられます。
ラインで連絡しているうちに「コロナが終息したら、食事に行きましょう」なんて話になることもあり、緊急事態を乗り越える励みにもなります。
こういった場面では、大家と入居者の関係というよりは、ご近所づきあいに近い感覚です。
試験的に屋上の貸し出しサービスを開始
マンションの屋上
hirocy / PIXTA(ピクスタ)
緊急事態宣言から2週間後に、試験的に屋上の貸し出しを開始しました。
ふだんはカギがかけられて立ち入り禁止となっているのですが、まわりに高いビルなどもなく風通しもいいので、気候の良いこの季節にのんびり日向ぼっこでもしてもらえればいいかなと思ってのサービスです。
狭い部屋での在宅ワークや外出自粛にストレスがたまっていたのか、開始早々、申し込みがありました。キャンピングチェアを持ち込んでピクニック気分を味わっていただいたようです。
怖いのが階下への騒音トラブルです。入居者さんの気晴らしのはずが他の入居者さんのストレスになっては元も子もありません。
「運動は厳禁」「なるべく足音の出ない靴を着用いただくこと」などを事前にしっかりと説明したうえでご利用いただいているせいか、今のところ苦情などはなく好評です。
厳しい日々が続きますが、今後も入居者さんが快適に過ごせるよう工夫していきたいと思っています。

当記事は日刊Sumaiの提供記事です。

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