初老の男と言葉を持たない同居人との奇妙な共同生活

NeoL

2020/3/26 11:11



水陸交通網の大拠点であり、「ヨーロッパの入り口」と呼ばれるロッテルダムは映画の街。1972年に始まったロッテルダム国際映画祭はヨーロッパにおいて、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と肩を並べる大規模の映画祭で、毎年1月の終わりなると世界各国から映画監督、俳優、そして30万人以上の映画ファンがこの地を訪れる。この映画祭はインディペン作品やアジア作品にフィーチャーすることで知られており、過去には日本から風間志織監督の『冬の河童』や橋口亮輔監督の『渚のシンドバッド』、古厩智之監督の『まぶだち』、池田暁監督の『山守クリップ工場の辺り』がノミネートされ、グランプリにあたる「タイガーアワード」を受賞した。

また、地元オランダの映画も同映画祭には多数出品されている。その中で、近年高い評価を受けた作品が『孤独のススメ』だ。

本作は、妻に先立たれて以来、人との繋がりを排して生活してきた初老の男性・フレッドと、そこに現れた、言葉も過去も持たない男・テオとの奇妙な同居生活が育む友情や再び生まれた人との繋がりを描く物語。

日曜の礼拝以外は表に出ず、単調で孤独な日々を繰り返していたフレッドの生活はテオの存在によって少しずつ変わっていく。ただ、それは好ましい変化ばかりではなかった。2人をゲイだとからかう町の人々や、神の名の下に平然とコミュニティから排斥しようとする協会など、2人に注がれる好奇の目は止まない。しかし、そんな差別や偏見を自ら受ける中で、今までの人生を振り返り、自分の過去の過ち認めていくフレットの姿が印象的だ。

身近にある様々な呪縛や過去のしがらみから解放され自分らしく生きることの意味を教えてくれる1作となっている。

『孤独のススメ』監督: ディーデリク・エビンゲ(86分)販売元: Happinet

当記事はNeoLの提供記事です。

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