「彼と母親がべったりで気持ち悪い」35歳女性が悩む、結婚の障害

日刊SPA!

2020/3/24 08:30

―[インテリジェンス人生相談]―

“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

◆彼と母親の距離が近すぎて気持ち悪い

★相談者★はん(ペンネーム) 派遣社員 女性 35歳

夫の浮気で5年前にバツイチになりました。2年ほど前から付き合っている男性がいて、再婚を考えるようになりました。しかし、彼の母親をどうしても受け入れられません。彼は優しくて、頼りになります。彼の母親は私のことを受け入れてくれているのですが、月に2~3度は彼と私が住んでいる家に泊まりにきて、保存のきく料理などを作っていきます。

彼には弟がいて、その弟の家にはもっと頻繁に母親が行って家事をしているようです。その母親と彼と弟と4人で一緒に食事に行ったときには弟に激しくボディタッチしていました。子供にべったりで、気持ち悪さを感じるのです。

しかし、彼に「義母さんが気持ち悪い」なんて言えません。彼のことは大好きでも、あの母親とは家族になりたくないなんて言えません。どうしたら母親と距離を取りながら、彼と一緒になれるでしょうか?

◆佐藤優の回答

あなたの気持ちはよくわかります。あなたは彼と結婚するのであって、彼のお母さんと結婚するのではないのですから、「彼は彼、お母さんはお母さん」と割り切る必要があります。哲学者の岸見一郎氏がこんなことを述べています。

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「課題に取り組む勇気」と並ぶもう一つの勇気とは、「対人関係の中に入っていく勇気」です。なぜ対人関係の中に入っていくのに勇気がいるのかというと、人と関われば必ずといっていいくらい摩擦が起きるからです。

(中略)人と関わる時、皆がいい人とは限りませんし、そうなると精神的に疲れ果ててしまうということはあります。世の中は、いい人ばかりではありません。いやな人もいます。そういう人たちと関わって嫌われたり、憎まれたり、裏切られたりというような経験を避けることはできません。

アドラーは、このようなことを念頭においてでしょう、「あらゆる悩みは対人関係の悩みである」といっています。対人関係は悩みや不幸の源泉であり、対人関係以外の悩みはないといっても、過言ではないのです〉(『哲学人生問答 17歳の特別教室』78~79頁)

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私も同じ考えです。岸見氏は「人と関われば必ずといっていいくらい摩擦が起きる」と述べています。あなたと彼のお母さんとの接触が過剰だからストレスが溜まるのです。社会通念に照らしてみても、お母さんが月に何度も滞在して家事をこなすのは、奇異な感じがします。結婚とは、男と女が夫婦になって新たな家庭をつくることです。言い換えれば、男も女も自分の親元を離れて、新しい生活を始めることです。

こういう問題は、初動が大切です。恐らく、あなたの彼はお母さんと仲がいいので、切り出すのには勇気がいると思いますが、将来、大きなトラブルに発展する可能性が高い事柄の芽は、早いうちに摘み取っておく必要があると思います。あなたがここで相談した内容を、率直に彼に伝えることをお勧めします。あなたは、「弟に激しくボディタッチしていました」と書いていますが、あなたが見ていないところで、お母さんは彼にも同じことをしていると思います。

こういう関係は、結婚後は、やめるべきと思います。私は高校や大学でも教えていますが、母親が息子を恋人のように扱っている例が少なからずあります。そういう状態のまま結婚すると、ほとんどの場合、嫁と姑の深刻な対立に発展します。嫌なことは嫌だと結婚生活を始める前にきちんと伝えたほうがいいと思います。そうすると結婚の機会を逸してしまうのではないかと、あなたは不安を感じているのかもしれませんが、近すぎる母と息子の関係は、夫の浮気と同じくらいストレスがかかる問題です。

あなたよりもお母さんのほうを選択する人ならば、結婚してもうまくいきません。人生にとって重要な決断をするときには自分の思いを相手に率直にぶつけたほうがいいと私は考えます。

★今週の教訓……近すぎる親子関係は浮気よりもストレス

―[インテリジェンス人生相談]―

【佐藤優】

’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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