可愛いクリーチャーたちを堪能できる!児童文学の映画化『スケアリーストーリーズ 怖い本』#野水映画“俺たちスーパーウォッチメン”第七十四回

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TVアニメ『デート・ア・ライブ DATE A LIVE』シリーズや、『艦隊これくしょん -艦これ-』への出演で知られる声優・野水伊織。女優・歌手としても活躍中の才人だが、彼女の映画フリークとしての顔をご存じだろうか?『ロンドンゾンビ紀行』から『ムカデ人間』シリーズ、スマッシュヒットした『マッドマックス 怒りのデス・ロード』まで……野水は寝る間を惜しんで映画を鑑賞し、その本数は劇場・DVDあわせて年間200本にのぼるという。この企画は、映画に対する尋常ならざる情熱を持つ野水が、独自の観点で今オススメの作品を語るコーナーである。
今年の1月2月にかけて、たくさんのホラー映画が公開されている。『ペット・セメタリー』、『犬鳴村』、『ミッドサマー』などなど……皆さんはどの作品をご覧になっただろうか。そんな中で今回紹介するのは、原作の児童文学書が全米で700万部を突破した『スケアリーストーリーズ 怖い本』だ。「子ども向けなら怖くないんじゃない?」なんて考えている人は、要注意。「ホラー版デスノート」とも言えるこの本の恐ろしさをナメてはいけない。
(C)2019 CBS FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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ホラー映画好きな少女・ステラは、仲間と共に町外れの幽霊屋敷に忍び込み、一冊の本を見つける。本を家に持ち帰った彼女は、余白のページに文字が浮き出て、新たな物語がひとりでに書き上げられるのを目撃してしまう。本に描かれていたのは、ステラの仲間たちを主人公とした物語で、それぞれが思う“一番怖いもの”に襲われるというものだった。やがて、物語の主人公となった仲間たちが次々と消えてゆく。彼らはどこに消えてしまったのか。次の主人公は誰なのか。ステラは本の謎に挑むこととなる。

可愛さが魅力の個性的なクリーチャーたち

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劇中には、原作のスティーブン・ガンメルの挿絵に忠実なクリーチャーたちが登場する。実在しそうな話に加え、この挿絵が怖いということで原作本は図書館から排除されてしまったこともあったそうだが、私からしたらみんなキュートな子たちばかり!
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中でも、予告にも登場するpale lady(青白い女)には、とびきりのインパクトがある。乱れた黒い長髪に青白い顔……と聞くと、貞子のような日本らしい幽霊を思い浮かべる方もいるかもしれない。だが彼女は、ニタ~ッと微笑みを浮かべ、水死体のようにぶくぶく膨らんでいるのが特徴。そして、走って追いかけてきたり、襲いかかってくることもなく、静か~にジリジリとこちらに迫ってくる。うーん、いじらしい!冷たいのか、プニプニしているのか、体を触って確かめたくなってしまうほど愛らしいクリーチャーだ。ただし、可愛いからといって、テーマパークのキャラクターグリーティングのようにはいかない。彼女に出会った者は、やはり恐ろしい末路を辿るのである。

怖さとファンタジーの絶妙なバランス

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主人公のステラは、ホラーオタクのいじめられっ子。はみ出し者の彼女と仲間たちも、いじめっ子に仕返しのイタズラをして返り討ちに遭うくらいには冴えない毎日を送っている。私も学生時代はオタクだったし、ファッションセンスもなかったし、友だちも少なかったし……と、悲しいかな共感してしまう。皆さんはどうだろうか?いわゆる“陰キャ”を経験している人ならば、この気持ちをわかってもらえるかもしれない。ステラたちが怖いものに立ち向かい奮戦する姿を観ていると、自分も子どもに戻って一緒に冒険をしているようで、心をくすぐられるのだ。

同じくティーンエイジャーが謎に挑む『IT/イット “それ”が見えたら、終わり』(17)や『サマー・オブ・84』(17)といったホラー作品にくらべ、、本作は童話のような感覚で楽しめるのが特徴的。製作を務めるギレルモ・デル・トロが得意とするダークファンタジーの雰囲気と、『ジェーン・ドウの解剖』(16)のアンドレ・ウーヴレダル監督による(恐怖演出が合わさり、見事なバランスで古くから愛されてきた児童文学を映像化している。ぜひ親子で観に行ってほしいな~と思うものの、子どもが観たら泣いてしまうくらいには怖い仕上がり。“怖すぎて親が子どもに読ませたがらなかった本”の実写化としては百点満点と言っていいのではないだろうか。
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最近、私が「そんなに怖くないよ」と言っても、「野水さんは怖いものないから……」と信じてもらえないのだが(泣)、本作は怖いだけでなく“コワ楽しい”作品であると保証する!!「怖いのは得意じゃないけど気になるなぁ」という方も、ぜひチャレンジしてみてほしい。

『スケアリーストーリーズ 怖い本』は公開中。

当記事はSPICEの提供記事です。

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