新型コロナ「“除菌グッズ”無理に買わなくていい」衛生のプロに聞いた

女子SPA!

2020/2/23 08:45

 インフルエンザ、新型コロナウィルス……、「予防」に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?

そこで、健康を守るお掃除士で、『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』(扶桑社)の著者であり、32年間病院の環境衛生に携わってきた松本忠男さんに、予防のための環境づくりについて聞いてきました。

◆①”除菌”グッズは無理に買わなくてもいい

今、「殺菌」しようにも、アルコールが手に入りにくい状況になっていますよね。おなじみ「手ピカジェル」もアマゾンで5倍近くの値段(300ml定価1000円のところ、5000円※1)で出品されているようなありさまです。「そこで登場するのが『除菌』という概念なのですが、除菌は何の意味もない無責任な言葉なんです」と、衝撃の発言が松本さんから飛び出します。

たとえば、実際に目の前に菌が見えたとして、それをフッと吹き飛ばしただけでも、ただの雑巾で拭いても、それは“除菌”になってしまうのだとか。

「その場から菌を除いたわけですから。殺しているわけじゃないので、たとえ菌がすぐ横に移動しただけでも、その場の菌が少しでも減れば、除菌になるんです」(以下、松本さん)。

「99.9%除菌」「アルコール除菌」など、数多く並ぶ除菌と銘打った商品たちは、「いい意味でも悪い意味でも商品力が強すぎて、『これを買えば安心』のような過信を生んでいます」。なるほど、除菌グッズに私たちが期待するような万能な力はなく、必死になって買う必要はなかったんですね。

「それよりも、大切なことは手洗いなど洗浄や正しいやり方のお掃除で、病原微生物の数を減らし、感染を拡げないことなんです」

◆②やはり「アルコール消毒がベスト」

新型コロナウィルスやインフルエンザを前提に考えると「やはり、アルコール消毒がベスト。細菌の活動を弱めて毒性を無効化する『消毒』や『殺菌』と書かれた、薬機法で効果効能が認められた商品を選んでください」。というのも、ウィルスは、「エンベロープ」という膜で覆われているものと、いないものに分かれており、エンベロープはアルコールに弱いのだそう。

「インフルエンザにしても、新型コロナにしても膜を持っているので、アルコールでウィルスにダメージを与えることができます」。

これがノロウィルスのような一部のエンベロープを持っていないウィルスについては、「アルコールに強いため、家庭であれば塩素系の漂白剤を使った殺菌が必要です」。

※【2/24追記】「次亜塩素酸水」についての記述は、編集部での事実確認が不十分だったため、削除します。

◆③最後に行きつくのは「手洗い」

結局、行きつく予防は「手洗い」と松本さん。いわゆる普通の石けんで、洗い残しのないように丁寧に手を洗うことが何よりなのだと言います。実際に、ハンドソープで10秒もみ洗い後、流水で15秒すすぎを2回繰り返すことで、手洗いなしでは残っていた約100万個の残存ウィルスが約0.0001%まで減ったことが東京都健康安全研究センター等の研究で分かっています※2。

「医療機関が繰り返し『感染防止のために手洗いが最も有効』と言っているように、家や会社についた時、食事をする前、お化粧などで顔を触るとき、自分のあらゆる行動の中で『手を洗うこと』を徹底することが大切です」

【NG手洗い】

・水(やお湯)で軽くすすぐだけ

・石けんを使ってもすぐに流してしまう

・念入りに洗うのは手のひらだけ

・タオルは家族で共有。取り替えるのは数日に一回

「何かに触るたびに手は汚染され、あらゆる菌を運んでいます。会社のデスクを触るのは自分くらいでしょうが、エレベーターのボタン・ドアノブ・トイレのレバーなど、無意識の行動を意識し、自分の動線を逆算して、リスクを最小にするべく環境を整えることが大事なんです」

◆④掃除は「1→100」の順番で

殺菌アイテムとして適しているのは、「80%前後のエタノールを含んだ消毒剤」です。しかし、なかなか手に入れられない今、わたしたちが掃除で気をつけなければいけないのは、その「順番」だそう。

「菌を『殺したわけではない』ということと、『掃除する順番』を意識してください。自分だけじゃなくいろいろな人が触るような場所は、汚染度が高いので、拭くのは最後に。この順番が逆になると、さっきまでは10しか汚れていなかった場所へ、汚れが移動して、20、30になり、家の中で汚れをならしているだけということになりかねません」

“除菌”に意味はないというのは衝撃ですが、逆に、除菌シートやスプレーがどこも品切れで手に入らないからといって絶望することはなさそうです。万能だと過剰に信じないで、リスクを最小限でとどめる行動をしていきたいですね。

●松本忠男著『図解 健康になりたければ家の掃除を変えなさい』

【松本忠男プロフィール】

健康を守るお掃除士。ダスキンヘルスケアを経て、亀田総合病院のグループ会社に転職。清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントや営業に従事し、現在は医療関連サービスのトータルマネジメントも手掛ける。大切な人の健康を守ることをテーマにしたオンラインサロン~福寺おそうじ教室を運営。

※1 価格は2月18日時点のもの

※2 森功次他:感染症学雑誌、80:496-500,2006

<文/女子SPA!編集部>

【女子SPA!編集部】

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