滝藤賢一も向井理も無職が似合う…“無職ドラマ”おすすめの5選

女子SPA!

2020/2/20 15:47

 今クールでは医療ドラマが6本もあることから、「医療ドラマだらけ」と言われ、ドラマ好きにとってはどうも食指が動かない状態かもしれません。

しかし、表看板は医療ドラマだらけですが、注目したいのはむしろ関テレや深夜帯などの攻めた枠が「無職だらけ」であることです。

◆古舘寛治と滝藤賢一が「レンタルおやじ」に

筆頭は、野木亜紀子脚本×山下敦弘監督の『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京、金曜深夜0:12~)。

真面目すぎて不器用な「休職中」の元・予備校講師の兄(古舘寛治)と、兄を反面教師としてチャランポランに育った「エターナル無職」の弟(滝藤賢一)が、ひょんなことから二人で1時間1000円という破格の金額で「レンタルおやじ」を始めます。

依頼者は、結婚式直前で婚約者に逃げられた妊娠中の女性や、DV夫と別れたい妻、余命わずかの女性などなど……。様々な人の様々な依頼に対し、二人で一人未満、場合によってはマイナスにもなりかねない凸凹でダメダメな兄弟が向き合います。

実は描かれることはシビアですが、その一方で、彼らの生活はどうにもユルい。独身・求職中の兄も、奥さんに出ていかれた無職の弟も、ないない尽くしですが、日常の些末なことにつまずき、引っかかり、右往左往する姿は愛おしく、なんだか楽しそうに見えます。行きつけの喫茶店のレンジでチンするだけのピラフもチープで手軽で美味しそうだし、彼らがレンタルおやじ1時間分の報酬で買える「モモ焼き1本500円」も、尊い気がして、余計に美味しそうに感じられます。

何も持たないコタキ兄弟を見ていると、「持たない暮らし」も、大変ながら楽しそうで良いんじゃないかと思えてきてしまうのです。

◆玉置玲央が無職のぐうたら夫に

一方、存在感を放っている「無職」といえば、『伝説のお母さん』(NHK総合、土曜夜11:30~)で、前田敦子演じる「伝説の魔法使い」メイの夫・モブ(玉置玲央)。魔王が復活したことで、赤ちゃんを抱えるメイのもとに魔王討伐の依頼がきたものの、保育所に空きはなく、実家の母は遠方で頼ることができず、悩んでいたところ、突然モブが会社をクビになります。

それは、メイを魔王討伐に行かせるため、メイの代わりに夫に育児をさせようと考えた国王の差し金によるものでした。

しかし、無職・モブは「専業主夫」とは名ばかりで、家事もせず、ヘッドフォンをつけてゲームばかりしていて、赤ちゃんの泣き声も耳に入らず、「うんちのオムツ替えるの、男にはハードルたけえだろ?」と言ってのけます。

現時点では魔王よりもよほどタチが悪い、メイにとっての真の魔王は、ワンオペ育児にさせている夫のモブであり、彼の成長こそが物語の裏テーマとなっているはずです。

◆向井理が、会社をクビになって大暴走

かと思えば、関テレの『10の秘密』(関テレ、火曜夜9:00~)では、シングルファザーで、娘のために全てを犠牲にしてきた「理想の父」である白河圭太(向井理)が、無職になり、どんどん暴走していきます。

取引先から裏金をうけとったことが会社にバレてクビになり、誘拐された娘を救うためとはいえ、不正データを入手すべく他人の家に不法侵入したり、企業を脅迫したり、大忙し。別れた妻や、彼女の元彼からは「平凡」扱いされますが、無職になったことで、自ら犯罪に手を染めるなど、大胆になっていきます。

「そんなことより、まずは仕事探したら……」「会社をクビになったんだから、企業を脅すよりも、娘を高い私立じゃなく公立に通わせたら」と思う視聴者も多いでしょう。知的な役を演じることの多い向井理が、なんとも浅はかで軽率なのん気者を演じているのも、ちょっと新鮮かもしれません。

◆中島裕翔はコンビニをクビになって大事件に巻き込まれる

また、コンビニバイトをクビになる主人公は、『僕はどこから』(テレビ東京、水曜深夜0:12~)の青年・竹内薫(中島裕翔)です。

文章を書き写すことで他人の思考も文字もそっくりにコピーできる特殊能力を持つ彼は、小説家を目指しつつ、若年性認知症を患う母を抱え、コンビニバイトで生計を立てていました。

しかし、母が事故に遭い、入院費が必要になったところに、元同級生でヤクザの組長(間宮祥太朗)が現れます。そこで、特殊能力を生かして、とある人物の大学入試・小論文の替え玉受験をすることになるのですが……。この場合の「無職」は、大変な事件に巻き込まれていく中の「オマケ」に過ぎません。『10の秘密』よりも、暮らしぶりも、事件の内容も、かなりヘビーで切実です。

◆小澤征悦が、中年ひきこもりに

また、コメディながらも、実は相当ヘビーな状況なのが、『パパがも一度恋をした』(東海テレビ・フジテレビ系、土曜夜11:40~)の「無職の父親」(小澤征悦)です。

なにせ最愛の妻を亡くして以来、3年間も引きこもりになり、娘に面倒を見てもらっているくらいなのですから。そんな彼が、中年男の姿で生まれ変わった妻と再会。信じられない思いと、信じたい思いの間で心が揺れ動きますが、現時点ではやはり仕事をする気配は全くありません。自身も辛いのに、そんな父を支えてきて、さらに「母」を名乗る中年男性に自分のポジションを奪われそうになり、面白くない気持ちも抱く娘のいじらしさときたら。

数字的な安定を提供する表看板の医療ドラマたちの裏にうごめく、「無職」の人々。ときにバカバカしく、ときに愛おしく、その悲喜こもごものドラマのほうに、つい惹かれてしまうのです。

<文/田幸和歌子>

【田幸和歌子】

ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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