マスクの穴の大きさはウイルスの50倍?それでもマスクに「予防」効果はあるの?

All About

2020/2/13 21:50

しっかりと顔を覆っていても、マスクの生地の穴は意外と大きいです。花粉や口から出たばかりの飛沫は防げますが、ウイルスや菌にはほとんど効果がありません。

マスクで感染症予防はできる? 飛沫飛び散りには有効・ウイルスにはほぼ効果なし

マスクは種類によって感染予防力が異なります。薬局などで売られている一般的な「サージカルマスク」は飛沫感染の予防になり、主に咳エチケットの一つとして効果を発揮します。

「サージカル」とは手術のことですが、手術時に医療者がマスクをするのは唾液や痰などで清潔な術野を汚染しないためです。これと同じように、咳が出る時に、病原体を含む飛沫を飛ばして、他の人に病気をうつしてしまわないために、マスクは効果的です。

一方で自分を感染症から守るためのマスクの効果は限定的。口や鼻の粘膜に大きな飛沫が侵入するのは防げます。しかし、咳やくしゃみで口から出た時点では大きな飛沫も、空中を飛ぶうちに小さくなって広がっていきます。飛沫の粒子が小さくなると、マスクの性能によっては、防御することができません。

そのため、結核などの空気感染する菌に対しては「N95マスク」などの特殊なマスクが使われています。高性能なマスクであっても目の粘膜からも病原体は感染しますので、マスクだけでは予防を完全にすることはできません。

マスクの穴は意外と大きい! ウイルス・菌・花粉のサイズとの比較

直径5μm以上のものの侵入を防げるマスクでも、0.02~0.1μmのウイルスには効果を発揮できません
薬局などで売られている「サージカルマスク」は、直径5μmまでの粒子を除去することができます。では、ウイルス、細菌、花粉は大体どれくらいのサイズでしょうか?

・ウイルス:0.02~0.1μm
・細菌:1μm
・花粉:20~40μm

マスクの穴は、最も大きなウイルスと比較してもその約50倍ほどの大きさです。運よくマスクにひっかかって防御できることの方が稀だということは、すぐにイメージできるでしょう。このことからも、マスクの予防効果は過信するべきではないのです。

家庭内に感染者がいる場合は、手洗いとマスクで予防効果UP?

一方で、家庭内でインフルエンザが発症した場合、36時間以内に手洗いとマスクを併用するとインフルエンザの家族への感染率が低下した、という報告があります。マスクの予防効果がどれくらい寄与したかは不明ですが、マスクと手洗いをどちらも実践したのがよかったのでしょう。

マスクでウイルスの侵入を防ぐことはできなくても、マスクをしていることで、看病中にウイルスがついてしまった手で、自分の口や鼻に直接触ってしまうことが防げ、結果的に感染率を下げたことも考えられます。

感染症拡大を止めるために、まずは共助の気持ちを

マスクは症状のある人がつけることで、周りの人への感染拡大を抑えることができます。症状のない人はマスクをしなくてもよいわけです。

社会全体で感染症と闘わなくてはならない場合、お互いのことを考えて行動することで、感染拡大リスクを減らすことができます。パニックでマスクの大量の買い占めなどをする前に、災害と同じように共助の気持ちで対処していきましょう。

◆ 清益 功浩プロフィール
小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院にて小児科診療に従事。論文発表・学会報告多数。診察室に留まらず多くの方に正確な医療情報を届けたいと、インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。
(文:清益 功浩(医師))

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