医療系ドラマ6本集中に現役医師も驚き 局によってリアルの追求に差


いよいよ折り返し地点を迎える、1月スタートの冬ドラマ。いわゆる“医療系”作品が6本も放送されて話題になっているが、この状況に現役の医師はどう受け止めているのか。現在放送中の3本に関わっている、日本医科大学の松本尚教授に聞いてみた。

○■医者の目線より患者の目線

今期は、『トップナイフ ―天才脳外科医の条件―』(日本テレビ系、毎週土曜22:00~)、『恋はつづくよどこまでも』(TBS系、毎週火曜22:00~)、『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系、毎週金曜22:00~)、『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』(テレビ東京系、毎週月曜22:00~)、『アライブ がん専門医のカルテ』(フジテレビ系、毎週木曜22:00~)、『心の傷を癒すということ』(NHK、2月8日終了)という6本の“医療系”ドラマが放送。

日本におけるヘリコプター救急の第一人者として知られ、『コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』をはじめ、『海の上の診療所』『医師たちの恋愛事情』『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(いずれもフジ)など、多くのドラマで医療監修を務めた松本氏だが、今期は『トップナイフ』『アライブ』で医療監修、『病室で念仏を唱えないでください』では原作漫画を監修している。同じクールに複数はおろか、3本も携わるのは初めてだという。

そんな同氏も、今期6本が集中したことに「たまたまだと思うけど、すごいですよね(笑)」と驚きの様子。その背景については、「どこの局も、医療ドラマはある程度数字(視聴率)が獲れるというのがあると思います」と、長年監修を務めてきた立場から見解を示した。

また、「やっぱり、医者の目線より患者さんの目線で作らないと、ドラマは見てくれないのではないでしょうか。こちらは特殊な仕事ですが、患者さんになるというのは誰にでもあることですから、そちらのほうが共感を得やすいんだと思いますね」と分析する。

○■題材マイナー化も志望増加に期待

プロの目線から見ると、局によって制作スタンスに違いが出るのだそう。「医療ドラマとひとくくりに言っても、どこまでリアルを求めるかが違うと思うんですよね。例えば手術シーンでは、上半身しかカメラが撮らないので、手元は適当でいいという場合と、手元までちゃんと本物の動きをさせて上半身の動きにもリアルさを求める場合とあるんですよ。僕らから見たら分かりますから」と教えてくれた。

今クールの作品の印象を聞くと、『トップナイフ』については「『コード・ブルー』以来、(脚本の)林(宏司)さんとは親交があるのですが、やはり脚本が面白いですね。林さんの脚本は複数のストーリーが絡んでくるので、読むのに時間がかかる複雑な構成なんですが、よくできていると思います」、『アライブ』については「すごくリアルにこだわっているんです。美術セットも端っこまですごく細かく作ってくれているから、我々本当の医者からするとうれしいですね」と評価。また、『病院の治しかた』については、「舞台は病院ですが、完全にビジネス・経営の切り口になっているので、こちらも面白く見ています」と楽しんでいるそうだ。

これだけ本数が増えると、扱う題材も細分化、マイナー化していき、「医療ドラマの新しい切り口を探すのも大変なんでしょうね(笑)」と想像も。ただ、『コード・ブルー』がヒットして、フライトドクターの志望数が「本当に増えました」という経験をしているだけに、「いろんな職種でいろんな視点で、医療の世界を描いてドラマにしてくれるのは、うれしいですね」と話し、今期の話題化によって医師志望の増加にも期待を寄せている。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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