今さらYouTuberになっても稼げるのか? 月収10万円以上の人数は…

日刊SPA!

2020/2/3 08:53

 トップYouTuberの年収は余裕で“億超え”。さらに’19年には芸能人やスポーツ選手が多数参入し、市場は大活況を迎えている。今春“5G”が本格的に普及し、さらに動画が身近なコンテンツになることは自明だが、素人でも今さら稼げるのか!?

◆有名人の参戦で土壌に変化が。YouTubeで稼ぐ人の現在地

YouTubeの現状を踏まえて、副業としてチャレンジする価値はあるだろうか。次世代YouTuberと提携するメディア企業、ユーチューバーNEXT代表で弁護士の岡野武志氏に聞いた。

「会社員が副業で月10万円稼ごうと思ったら、今ならYouTubeが最適です。なぜなら、収益化の構造がしっかりしているから。見る側からすれば使いやすく、作り手から見れば単純に儲けられるので人が集中している。Googleが運営している以上、流れはしばらく変わらないとみています」

実際に動画を投稿している大半のYouTuberが兼業という。

「弊社の調査では、YouTuberの85.8%が兼業で、その人たちのうち37.5%が会社員。ごく普通の人たちが料理や釣り、DIYといった自分の趣味を動画にしているんです。ファンがついてチャンネル登録者が1万人になれば、月に10万円ほどの収益になります。簡単に達成できる数字ではないのですが、まずは登録者100人を目標にして、地道に続けていくことが大事だと思います」

▼YouTuberの“兼業”割合

・専業 116人(含学生12人)

・兼業 701人

収益を得るには、YouTubeパートナープログラムへの参加が必要だ。

「’18年2月に基準が変更され、現在はチャンネル登録者数1000人以上かつ、過去12か月の総再生時間が4000時間以上を達成して初めて収益を得ることができます。以前よりも厳しい条件ですが、稼げている人数は増えていて、日本では、チャンネル登録者数が1000人を超える人が1万5000人ほど。登録者1万人以上が8500~9000人。登録者10万人以上となると一気に減って2500人になります。

収入は視聴回数や広告単価などで変動するので人によって異なるのですが、ざっくり平均値をとるとチャンネル登録者数×10円が月収の目安と考えていいと思います。月収10万円以上を稼げているYouTuberは1万2000人程度ということですね」

広告単価は動画と視聴層との相関で決定されるという。

「視聴数が多くても子供向けのチャンネルは単価が低く、中年層に見られる大人向けの広告が入るチャンネルは単価が高めな傾向です」

◆大人の視聴に堪えうる価値あるコンテンツが増加

では、実際にどんな動画が見られ、そしてどのYouTuberが稼いでいるのか。霜降り明星の「しもふりチューブ」などを担当する放送作家の白武ときお氏に今のトレンドを教わる。

「やはり有名人の参入が目立っています。本田圭佑選手がYouTubeで移籍を発表したように、好きなタイミングで自由に発信できる便利さに惹かれるのでは」

一方、カリスマブラザーズやパオパオチャンネルら人気の「YouTuber第2世代」が相次いで解散や活動休止を発表。白武氏は「YouTubeが大人のものになりつつある」と分析する。

「数年前まではYouTuberそのものが目新しい存在でしたが、参入者が増え、視聴者も“○○やってみた”のような楽しい動画に加え、ためになる動画を求めているように思います。有名人が参入してきた今、専門性のない総合YouTuberの新規参入は厳しい。YouTube側も広告収益の評価軸として視聴数だけでなく総再生時間や視聴者維持率も重視しだしたので、広告が複数つけられる長時間化や、離脱を防ぐテロップの多用が目立ちます」

そんなプロをも唸らせる注目すべきチャンネルは?

「6人組YouTuberの『だいにぐるーぷ』さんはアイデアも編集もクオリティが高く、テレビのような丁寧な作りです。青山テルマさんやkemioさんが出演する旅チャンネル『勝手に世界遺産委員会』も、プロの映像チームが制作しているため作品性が高い」

話を聞くと、技術的にはなかなかハードルが高そうだが……。

「高い制作技術がなくても再生されているチャンネルはあります。魚を捌く動画の『きまぐれクック』さんや釣り動画の『釣りよかでしょう。』さんのように、趣味系の企画。身近なところだと、やはりグルメ系は強くて、つい料理より胸に目がいく『くまクッキング』さんも再生数を伸ばしました」

ほかにも、資金力のある企業が目をつけているジャンルがある。

「“マンガ動画”ですね。『フェルミ研究所』さんが代表格ですが、『ヒューマンバグ大学』さんや『エモル図書館』さんなど、チャンネルが激増しています。1本作るのに20万円ほどかかるうえ、収益化まで時間がかかり真似はしにくい。同様にドラマやマンガの伏線などの考察動画も増えました」

そんな白武氏が今後伸びると予想するのが、ラーニング系動画。

「昨年の4月に開設された『中田敦彦のYouTube大学』さんの登録者数はすでに100万人。政治やテクノロジーなどのトレンドも押さえつつ、歴史ネタのような腐らないネタも丁寧に解説しているので時間がたってからも見られる。ダルビッシュ有選手や里崎智也元選手のYouTubeが人気なのも、一流の野球選手が野球をテーマにしているからで、その道に通ずる人が教えてくれる動画へのニーズは大きいです」

ニーズはあれど、そのぶんチャンネルも増えている今、すでに市場は飽和状態なのでは?

「アイデア次第でまだまだ稼げますよ。例えば中年男性でいうと、『プロ霊能力者チャンネル』さん。見るだけで運気が上昇するという動画なのですが、月に40万~50万円の収益はあるでしょう」(岡野氏)

YouTuberになるうえで、注意したいこともあると岡野氏。

「“歌ってみた”動画などは法律的に詰めていけば著作権侵害になります。あとは、自らYouTuberをやって感じたのが、承認欲求でどんどん過激になっていくこと。そのせいで本業を懲戒解雇される事態になったら笑えません」

コンプライアンス意識を高く持ちつつ、いざチャンネル開設だ。

◆<YouTuber史>

’05…米でYouTube設立

’06…GoogleがYouTubeを買収

’07…6月、日本語対応。動画投稿者が広告収入を得られる「YouTubeパートナープログラム」運用開始

’07…HIKAKIN(当時高校生)がYouTubeに初投稿

’07…日本ではニコニコ動画が最盛期で、弾いてみた、踊ってみた等の動画がブームに

’08…YouTubeとJASRACとの間で音楽著作権に関する包括許諾契約を締結

’10…HIKAKINのビートボックス動画がバズり、1週間で100万回再生達成

’10…尖閣諸島中国漁船衝突事件の映像がsengoku38によって投稿される

’11…「YouTubeパートナープログラム」一般ユーザーに開放

’12…はじめしゃちょー、フィッシャーズらがチャンネル開設

’13…初のYouTuberプロダクション、UUUM設立

’14…ユーザー数の減少などから、ニコニコ動画のゲーム実況者たちがYouTubeに移行

’15…当時19歳の少年が「店の商品にいたずらしてみた」と陳列されたお菓子に爪楊枝で穴を開ける動画をアップし逮捕

’15…ヒロシがYouTubeに動画投稿を始める

’16…ピコ太郎の「PPAP」が世界的な大ヒット

’16…VTuberキズナアイがブレイク

’16…27歳の男がチェーンソー片手にヤマト運輸の営業所を襲撃。その一部始終を配信し逮捕

’17…「ユーチューバー」が「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネート

’17…はじめしゃちょー二股疑惑で炎上

’17…YouTubeが音楽チャートを提供開始

’18…デマ動画などの乱立を背景に、YouTubeがニュース動画の信頼性を高めるための施策を発表

’18…カジサック、本田翼らがチャンネル開設

’19…中田敦彦、藤田ニコルらがチャンネル開設

’19…10歳の不登校YouTuberゆたぼんを巡り議論が噴出

’20…ローラがチャンネル開設

’20…misono chで島田紳助氏が8年半ぶりに肉声披露

【岡野武志氏】

次世代YouTuberと提携するウェブメディア、ユーチューバーNEXT代表取締役。弁護士資格、税理士資格を保有するYouTuber「闇弁タケシ」としても活動

【白武ときお氏】

’90年生まれ。放送作家。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』ほか、YouTubeチャンネルでは「しもふりチューブ」「みんなのかが屋」などを担当

<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/いらすとや>

―[動画で稼ぐ!]―

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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