足元が寒いと高血圧の通院リスクが1.51倍!古い家に気をつけて

日刊Sumai

2020/1/16 21:04

「暖冬」と言われる今年の冬。洗濯物がよく乾いたりお出かけしやすかったりと嬉しいことが多い反面、朝晩の冷え込みが油断しがちに。特に高齢者のいる住まいでは、冬に気をつけなければいけないことは少なくありません。
東京ガス株式会社都市生活研究所から、寒さによる住まいの健康リスクに関するレポートが発表されました。その内容を詳しくご紹介します。
住まいと健康に関して国交省が新たなガイドラインを策定
2019年3月、国交省が策定した「高齢期の健康で快適な暮らしのための住まいの改修ガイドライン」。高齢期に起こりやすくなる住宅内でのヒートショックやけが、病気などの健康リスクを防ぐため、既存住宅の改修に関する8つの配慮事項がまとめられました。中でも、「温熱環境」に関しては特に重要な項目として挙げられています。

このガイドラインが策定された背景には、高齢者の住む世帯の7割を占める持ち家戸建住宅の半分が、1980年以前に建築されたという実態があります。これらの住宅は断熱性の現行基準を満たしておらず、多くの住まいで健康に関するさまざまなリスクが潜んでいることが危険視されているのです。

東京ガス都市生活研究所が20~74歳男女を対象に「今後の生活で重視したいこと」について行ったアンケート調査では、高齢になるほど健康への関心が高まっていましたが、住まいそのものへの関心は決して高いとは言えない結果となりました。外で運動をしたり食事の栄養を考えたりする上での健康には関心が高いものの、住まいの健康リスクについては認知度が低い可能性もあります。

国交省がガイドラインを策定したばかりの今だからこそ、住まいの温熱環境に関わる健康リスクについて知り、高齢期の住まいを賢く備えることが大切ではないでしょうか。
なぜ、部屋の温度を適切に保たなくてはいけないのか
今回のガイドラインで特に重要視された温熱環境については、すでに国内外でさまざまな知見が得られています。それは、室温が人体への健康リスクを左右するということです。

たとえば、2015年に出されたイングランド公衆衛生庁の指針では、室温は最低でも18度と設定されています。18度未満だと、徐々に循環器系疾患、呼吸器系疾患、低体温症などのリスクが生じると同指針は伝えています。

また、2018年11月にWHO(世界保健機構)が「強い勧告」と位置付けて策定した「住まいと健康に関するガイドライン」でも、「室温は、寒さによる健康被害から居住者を守るために 十分高くなければならず、 寒い季節に安全な温度として18度以上を提案する。」としています。健康のために部屋の室温を18度以上に保つことは、もはやグローバルスタンダードとなっているのです。
リフォームで床暖房にすると、老後も安心?
一方、約9割が低断熱・無断熱住宅である日本の住宅。こうした事実から国交省では数年前に、スマートウェルネス住宅等推進事業調査を行いました。調査の結果、「就寝前の居間の室温が低い住宅ほど、過活動膀胱症状を有する人が多い」ということがわかっています。

別の調査では、「暖かい家」の高血圧の通院リスクを1とした時に、「足元の寒い家」ではリスクが1.51倍、「全体が寒い家」では1.53倍に。

さらに、足元が温かいことで高血圧リスクを軽減できる可能性が示唆されたのは、この調査だけではありません。健康長寿医療センターが行った研究では、低断熱住宅を暖めるために床暖房改修を行ったところ、床付近の温度上昇とともに、最高血圧(24時間連続測定の全日の平均値)が低下。居間の断熱・床暖房改修で血圧を低減できる可能性が示されました。

筆者の親せきの家では、数年前にリビングをリフォームした際に床暖房を設置しました。高齢夫婦のみの暮らしのため、足元が温かいことで10月頃から4月頃まで続く秋から春にかけての季節はクオリティオブライフが高まったと感じているようです。床暖房の設置やリフォームを考えている人は、老後の快適な暮らしという点で考えてみてもいいかもしれませんね。
■参考
これからの寒い季節は要注意!高齢者が安心して住める家とは?

当記事は日刊Sumaiの提供記事です。

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