「PayPay」が使えない…キャッシュレス決済のプロが行うトラブル対策

日刊SPA!

2020/1/16 15:50

 キャッシュレス決済社会の弱点、それは「システム障害」である。世の中にさまざまな「○○Pay」が存在するが、残高はちゃんとあるはずなのに、突然使えなくなってしまった。もちろんこれは、利用者のせいではない。何かしらの設備のトラブルが発生し、全国規模で○○Payの使用ができなくなったということは現に発生している。2019年11月、楽天ペイの機能が突如停止してしまった件が記憶に新しい。

現代人にとって、これは極めて悩ましい問題だ。では、最先端のテクノロジーメディアで執筆するライターなどの“キャッシュレス決済のプロ”たちはどうしているのかと言えば、じつは現金を常備している。

◆大手銘柄「楽天ペイ」「PayPay」が使用不能に…

去年11月、楽天ペイのアプリ決済とカード決済が一切できなくなり、復旧にも時間を要することになった。これはサーバーの電源設備のトラブルに起因するものだったが、「楽天ペイがシステム障害で使用不能」という話題はテレビのニュース番組でも速報として流れた。

そう、キャッシュレス決済サービスの不具合がニュース速報として取り上げられるのが現代である。それだけのニュースバリューがある、ということだ。その1ヶ月前、2019年10月にはPayPayでシステム障害が発生している。この際の復旧にも一晩を要した。システム障害の発生から復旧まではどうしても時間がかかり、その間の残高は文字通り「ただの数字」と化してしまう。

以上はQRコード決済サービスの話だが、これがもしSuica等の交通系ICカードだったらどうだろうか。その影響は予測すらできない規模に広がってしまうはず。今や交通系ICカードは社会インフラのようなものだ。

◆「キャッシュレス決済のプロ」も現金を常備

電車に乗っている最中に、交通系ICカードのシステム障害が起こってしまったら。しかも、その復旧にまるまる1日を費やしてしまったら……。駅の払い戻し窓口の混乱が目に浮かぶようだが、これは決してあり得ない話ではない。利用者としては、そうした事態も考慮しなければならない。

災難を乗り切る一番手っ取り早い手段は、現金である。さて、筆者は日刊SPA!では主にキャッシュレス決済サービスに関する記事を執筆しているが、その他のテクノロジーメディアでも筆を執っている。そこでは筆者(澤田真一)よりも遥かに豊富な知識と経験を有するライターがキャッシュレス決済関連記事を書いていたりするのだが、そんな彼らでも現金を常備している。

Suicaに5000円、PayPayに1万円、そして小さな財布に現金2000円といったように、緊急時を想定した現金を必ず持っている。電車やバスといった公共交通機関を利用するのであれば、尚更だ。このあたり、テクノロジーメディアで執筆するライターが一般人から誤解されやすい点かもしれない。キャッシュレス関連の記事を書いているからといって、徹頭徹尾キャッシュレス決済に依存しているわけでは決してない。むしろ、この仕事をしているからこそ「たったひとつに依存する恐ろしさ」を心得ているつもりだ。

◆掛け持ちのススメ

突然のシステム障害を乗り切るもうひとつの手段が、「銘柄の掛け持ち」である。QRコード決済サービスであれば、最低でもふたつの銘柄にアカウントを作っておきたい。これもいざという時のシフトの意味合いで、もしも楽天ペイが再び大規模障害を起こしてもPayPayにアカウントがあれば、そちらを利用すればいい。筆者のお勧めは、自分が契約する通信キャリアの決済銘柄を「緊急時の手段」にすることだ。

筆者は長年のauユーザーだから、当然au Payとの相性がいい。月々の携帯電話料金の支払いでポイントも発生する。だから普段はPayPayを使いつつ、その控え選手としてau Payをスマホ画面の片隅に待機させておく。財産運用をする上で、「分散」は欠かせない基礎知識だ。キャッシュレス決済にも、まったく同じことが言える。

◆基本は「分散運用」

そういうことがあるから、筆者はキャッシュレス初心者に対して「今日から現金決済をやめましょう」とは絶対に言わない。それどころか、今後どんなにキャッシュレス決済サービスが進歩しようとも「100%キャッシュレス生活」は非現実的ではないかと筆者は考える。最先端テクノロジーが我々現代人に求めているのは「分散運用」であり、たったひとつのセクターに全財産を放り込む行為ではない。

いずれにせよ、キャッシュレス決済サービスのシステム障害は今後もあり得ることだ。この記事を執筆している最中にも、主要銘柄のサーバーが停止してしまうかもしれない。それを念頭に置きつつ、キャッシュレス決済を賢く利用していこう。<文/澤田真一>

【澤田真一】

ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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