「現代型栄養失調」のせいで更年期トラブルが加速?40代の注意点|更年期#1

OTONA SALONE

2020/1/15 21:00



40半ばから、何となく月経が乱れてきたり、何となく以前と違って疲れやすくなったり、イライラしやすくなったり。

不調を感じることが増えてくると、「これって、いわゆる更年期障害?」という疑問が湧いてくるのではないでしょうか。

でも、はっきりと明確な症状ではなく、「不調」や「不定愁訴」と言われるような、極めてふんわりとした症状として現れることも多いので、はっきり言って、よく分かりません。

今回は、漠然とした「更年期」について、ハッキリさせながら、更年期を楽に乗り切る為の5つの方法を、栄養療法や腸内フローラの最新情報も取り入れながら、医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗が全6回シリーズでお伝えします。

【医師が教える「更年期の乗り切り方」 vol.1】

掴みどころがない「更年期」。楽に乗り切りたい


人間って、例えば「幽霊」のように、掴みどころが無いものについては、何となく不安になります。

しかも、他の体の機能も一様に衰え始めている為に、更年期障害以外の症状も合併していることがほとんどです。

普段からどう対処したら良いものか、全く分かりませんよね。

ただ、ここで明かなのは、何も対策をせず、負担をかける生活を続けてしまうと、明かに更年期障害は悪化して、最悪、日常生活も社会生活もままならなくなる可能性だってあるということです。

逆に言えば、食事やライフスタイルのちょっとした工夫次第で、女性にとって人生半ばの大きな山場を楽に乗り越えることだって不可能ではありません。

徒歩で息を切らしながら山頂まで登るか、リフトに乗って鼻歌を歌いながら登るか、大違いだと思いませんか?

因みに、私は、登山は好きじゃありません。

まずはおさらい、更年期障害の基本のキ



まずは、更年期とは何かについて、ちょっと前知識を持っておきましょう。

更年期と閉経とは


まず、「更年期」とは、「閉経」の年齢のプラスマイナス5歳。

つまり、閉経前後10年の期間のことを言います。50歳で閉経が起きるとしたら、45歳から55歳までを指すことになります。

閉経とは、卵巣機能が低下して、完全に月経がない期間が1年以上続いた状態のこと。

卵巣では、女性の一番の若さと活力の源である女性ホルモン・エストロゲンが分泌されている為、この分泌が急に低下することで、体全体に不調が現れてきます。

最近では、30代から閉経する人もいるほどですが、こちらにはストレスが大いに関係しています。

更年期障害の程度は人それぞれ


この更年期に、卵巣機能が低下して女性ホルモン・エストロゲンが低下することで起こる様々な不調を全部ひっくるめて、更年期障害と言います。

「あら?ちょっとのぼせるかしらん?」くらいの症状しか出ない人もいますが、「この世の終わりというほど辛く苦しい」と寝込まざるを得ない人もいます。

なるべく、軽く乗り切る為には、日々のちょっとした工夫が効いてきます。

更年期の症状はパッとしない



更年期障害に起こりやすい症状の10項目を見てみると、本当にパッとしません。

1. 顔がほてることがある

2. 汗をかきやすい

3. 手や足、腰が冷えやすい

4. 息切れ・動悸が起きる

5. 眠れない・眠りが浅い

6. イライラする・怒りっぽくなる

7. 落ち込む・くよくよする

8. 吐き気・頭痛・めまいがする

9. 疲労感・だるさがある

10. 肩こり・腰痛・手足の痛みがある

1の「顔がほてる」はホットフラッシュと呼ばれ、確かに更年期に特徴的な症状です。2の「汗をかきやすい」も、これまでかかなかった上半身からドッと汗をかくので、比較的わかりやすいかも知れません。

でも、その他は、本当にふわっとしており、単なる「不調」で片付いてしまいそうです。

だからこそ、どんな対処をしたものかも、はっきりしませんね。

更年期を疑う前に、隠れた原因に自分で対処


ここで、はっきりとお伝えしたいと思います。

これらの更年期障害の症状は、閉経に差しかかったことによる女性ホルモンの低下だけで起こる訳ではありません。

これまで繰り返してきた食生活やライフスタイルの乱れ、ストレスなどによる心身への負担の積み重ねによっても起こり、更年期症状を悪化させてしまう原因になります。

全てを、避けられない女性ホルモンの低下のせいとして片付けてしまうと、自分ではどうしようもない変化に翻弄される被害者になります。

でも、これらの症状は、日々ちょっとずつ工夫することで、自分の力で軽減できるものだと考えてみて下さい。

食生活やライフスタイルの乱れ、ストレスの蓄積によって

・慢性的な栄養不足

・腸内環境の乱れ

・自律神経の乱れ

などが起こります。

その為、更年期障害と見分けがつかない症状が起きたり、また、更年期障害を悪化させてしまったりする原因になります。

ですから、諦める前に、これまでの自分の生活を見直して、できることをやってみて頂きたいのです。

第1回はまず、完全に盲点になっている「現代型栄養失調」による慢性的な栄養不足についてお話ししたいと思います。

月経のある女性は、閉経まで全員に関係するお話と思って、ぜひお聞き下さいね。

現代型栄養失調による不調



栄養失調なんて、戦後話と思いがちですが、実は、何気なく生きているとほとんどの人が「現代型栄養失調」の状態に陥っています。

更年期の不調の原因になる栄養不足


現代的な食生活では、糖分や脂肪分が多く、カロリーは十分に足りているのに、タンパク質やビタミン、ミネラルが不足している状態になり、これを「現代型栄養失調」と呼びます。

【50歳になるまでにやめる100のこと】シリーズの記事もどうぞご参考に。

『「お昼は菓子パンだけ」な人が知らずに招くヒサンな末路』( https://otonasalone.jp/137415/ )

「今すぐやめて!炭水化物オンリーランチで「腸がカビだらけ」に?』( https://otonasalone.jp/137412/ )

若い頃から持続している慢性的な栄養不足に気づかず、「何となく疲れやすいなぁ」「気分が滅入るなぁ」「イライラするなぁ」などの不定愁訴をそのままにしていると、更年期に心身を直撃します。

特に、女性に不足し、更年期の不調を悪化させ得るのが

・タンパク質

・鉄

この2つの栄養素の不足です。

女性ホルモンの分泌を低下させ、メンタルを不安定にさせてしまいますので、要注意です。

タンパク質は、パンや麺類、ご飯など炭水化物中心の生活をして、肉や卵、魚、豆類などをあまり食べない女性で不足します。

は、月経がある女性は、毎月の月経で定期的に出ていきますので、多くの女性が何らかの程度の鉄不足と考えてください。

「貧血」と診断されていなくても、「隠れ貧血」の可能性が十分にあり、女性の不調の重大な原因になっています。

タンパク質不足はホルモン不足の原因に



健康診断などの血液検査で、「コレステロール」の数値を覚えていますか?

高い場合以外は、全く気に留めていないものですから、記憶にないと思います。

健康診断では、高い場合のみ問題にされて、低い場合は無視されてしまうのですが、今回は、低い場合が問題になります。

実は、女性ホルモン・エストロゲンやストレスに対応する副腎皮質ホルモンは、コレステロールから作られています。

ですから、コレステロールが低いと、エストロゲンを作ることが上手くできなくなりますし、ストレスにも上手く対応できなくなります。

コレステロールが低い場合、よほどストイックに油抜きの菜食をしている人以外は、食事に含まれるコレステロールの摂取が少ないことが原因ではありません。

実は、タンパク質不足によって血液中のコレステロールが低くなっている可能性を考える必要があります。肝臓で作られるコレステロールを血液中に運び出す為の運搬役に、タンパク質が不可欠なので、タンパク質不足は、血中のコレステロール低下として検査に現れるのです。

女性ホルモンや副腎皮質ホルモンが上手く作られなくなると、月経が乱れる上に、ストレスにやられやすくなることで「更年期かしら?」と勘違いするような症状が起こりがちになります。

ぜひ、引き出しの奥にしまい込んだ検査結果を引っ張り出してみて下さい。

もし、コレステロールが低値であれば、食生活を見直してみましょう。

タンパク質をあまり食べていないならば、肉や卵、魚、豆類などを増やしてみましょう。

胃が悪いとタンパク質不足になる


もしかすると、「タンパク質は十分食べているのに、おかしいな」と思う方もあるかも知れません。

タンパク質は、まず、胃で消化されます。

胃が弱いタイプは、消化力が低下してタンパク質を食べても利用できていない可能性があります。

ヘビーな肉を食べると胃もたれするからと、自然に避けているかも知れませんね。

この場合の可能性として考えられるのは、

・ピロリ菌感染で胃が弱っている

・慢性的なストレスで胃が弱っている

・タンパク質不足で消化酵素が上手く作れていない

このようなケースです。

■ピロリ菌感染

ピロリ菌感染があると、慢性的に胃炎が起きてしまい胃酸や消化酵素の分泌が低下します。

タンパク質だけでなく、ミネラルなどの吸収も弱ってしまい、食べているのに慢性的に栄養が不足してしまいがちです。

将来の胃がんのリスクにもなるものなので、どこかで除菌を検討されても良いと思います。

ただし、強い抗生剤を大量に飲むことになりますので、腸内環境にも打撃を与えます。腸内環境を整える工夫をした上での除菌が望ましい為、腸内フローラ検査なども行なっている消化器科の医師に相談して下さい。

■ストレス

ストレスは、胃腸の働きを極度に低下させてしまいます。ひどい場合は、胃潰瘍にもなりますね。

この場合は、ストレス自体を解消して、体をリラックスさせる必要があります。

意識すべきは、自律神経のうち副交感神経を高めるリラクゼーション。
アロマテラピーやヨガ、瞑想、ゆったりとした入浴、睡眠など、「ゆるゆる」を心がけて下さい。

■タンパク質不足による消化酵素不足

「卵が先か、鶏が先か」の議論になるのですが、タンパク質が慢性的に不足すると消化酵素が不足して、タンパク質がますます消化できなくなります。

実は、酵素の原材料も、タンパク質なので、タンパク質不足は、酵素不足の原因になってしまいます。

消化酵素だけでなく、体のあらゆる機能は、酵素の働きが不可欠ですので、疲れやすさや太りやすさ、メンタルの不調などを引き起こし、更年期っぽい症状の原因になります。

この場合、まず、酵素を補いながらでもタンパク質を食べること。

大根おろしを添えて食べることで食物酵素が消化をサポートしてくれますし、一時的にサプリメントや処方薬で消化酵素を補うこともできます。

ヘビーな肉は、胃の負担になりますので、よく噛んで食べる他、ミンチ肉にして料理すると消化しやすくなります。

次回は多くの人が欠乏している栄養素、「鉄」についてお話します。

サプリの選び方にはコツがあるんです!

>>>次の話(1/22 21:00)( https://otonasalone.jp/?p=149748&preview=true )

当記事はOTONA SALONEの提供記事です。

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