『仮面ライダージオウ』奥野壮「本当にプレッシャーだらけ」駆け抜けた1年間 - ソウゴとともに成長「最初の作品がジオウでよかった」


●ずっと一人で戦っているような気がしていた
平成最後の仮面ライダー『仮面ライダージオウ』と、令和最初の仮面ライダー『仮面ライダーゼロワン』の2つの作品世界が交差する映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』が、現在公開されている。元号が変わり、断絶したかに見える仮面ライダーが並び立つ時、何が起こるのか。その共演に大きな注目が集まっている。

今回のインタビューには、『仮面ライダージオウ』で主演を務めあげた奥野壮が登場。レジェンドライダーとして先輩ライダーたちが次々と作品に登場するプレッシャーと戦い続けた彼が、今度は先輩ライダーとして映画に出演する時、何を思うのか。そして1年以上にわたって常磐ソウゴ/仮面ライダージオウとして駆け抜けた今の思いを聞いた。

――一年以上にわたって主演をやり遂げた今、振り返ってみて、この一年間は長かったですか? 短かったですか?

長かったですね。今までのみなさんがどう感じてきたのかも気になりますが、僕の場合は長かった。ずっと一人で戦っているような気がしていました。ゲイツ(演:押田岳)とウォズ(演:渡邊圭祐)は年齢がちょっと上というのもあり、撮影が終わってみんなでご飯に行こうとなっても、僕はお酒が飲めない年齢で、食事の後の飲みには行けないので、そこで思いを吐露するということがありませんでした。だから早く成人したいな、早くお酒を飲めるようになりたいなというのはずっと感じていました。

主人公って、当たり前だけど一年のあいだずっと現場にいるんですよね。最初のうちは「こんなに毎日いるんだ俺」って、すごく戸惑いがありました。でもあらためて振り返ってみると、それはすごくありがたいことで、「みんなが休んでいる時にも俺は芝居ができるぞ、みんなができていないことをできているぞ」という思いに途中からは変わって、一年間演じてきました。

――『ジオウ』は特にレジェンドライダーが次々に登場することもあり、レギュラーキャストのみなさんは相当なプレッシャーがあったのではないかと思います。

最初のころは「プレッシャーなんて感じない」って生意気なことを言っていたんですけれど、いま終わってみて思うのは本当にプレッシャーだらけでした。レジェンドの方がくるにしても、押し負けないようにしたいということはずっと思っていました。終盤はずっと"ディケイドのジオウ編"だってネットで言われたりしているのを見て、「ああやっぱりそうやって感じる人もいるんだな」って思ったし、それがプレッシャーにもなっていました。

でも、そうした意見があっても、そう感じる人がいるのであれば僕たちがもっと芝居をうまくなって、もっと『ジオウ』のよさを引き出せばいいんだとプラスの感情にもっていくことができたので、すごくお芝居の糧になっていたように思います。毎回の放送が終わると、SNSのリプなどでいろんな感想をいただきました。それがお芝居の参考にもなったので、僕たちにとってすごくよかったことなのかもしれません。

――そのプレッシャーがあったためか、『ジオウ』キャストのみなさんはチームワークがよく、みなさんが同じ方向を向いて進んでいる印象が強くありました。

そうかもしれないですね。作品が決まって、まずは岳くんとしぇりさん(大幡しえり)と3人で顔合わせがありました。まだ最初だけれど、一年間戦っていくことがわかっていたから、お互いがお互いに歩み寄っていこうという部分があったので、最初からすごく仲良くなりました。それはたぶん圭祐さんも同じだったんじゃないかな。そういう関係性ができていたので、一年間を通して、視聴者にすばらしいと思ってもらえる作品を作ろうという同じ気持ちをもって取り組んでこれたのだと思います。

●人としての在り方も学んだ『ジオウ』の現場

――1年間取材をさせていただいて、奥野さんがすごく大人になられたなという印象があります。

それは自分でも感じますし、周りのみなさんからもよく言われました。最初、僕は何も知らない状態で『ジオウ』の現場に入ったので、お芝居のことも、撮影のことも、取材やイベントもすべてが初めてでした。それから比べると、考え方や人に対する姿勢はすごく変わったなと思います。まだまだ足りないところはたくさんあるので、もっともっと人としても役者としても成長していきたいですね。

――特に考え方のどんなところが変わったのでしょう。

思ったことをすぐ言葉に出すのではなく、一度考えてから言葉にするようになりました。それは、岳くんや圭祐さんの人に対する接し方を1年間見ていて、影響を受けたからかもしれません。人やものごととのかかわり方は、自分の在り方によってプラスの方向にしていくことができるんだなって。だから、自分の中でもっとポジティブな言葉を使おうとか、お仕事も自分が楽しんで取り組めば、周りももっと楽しんでくれるんじゃないかとか、そういう考え方はすごく変わりました。

あとは謙虚でいたいということ。序盤にすごく注意されたことがあって、挨拶とか人として当たり前のことを自分が思っている以上にちゃんとしなきゃいけないなと考えを改めたことがありました。ちゃんと叱ってくれる環境ってありがたいんです。自分はちゃんとできていると思っているから、いわれないと気づけないんですよね。でも、そういわれるということは、ほかのところでもそんなふうに思われているということですから。もし何もいわれないまま、ほかでそんなことをしていたらと思うとゾッとします。

『ジオウ』は、ちゃんと基礎から教えてもらえる環境で、お芝居の仕方、挨拶から始まる人としての在り方も、いろんなことを教えていただきました。お芝居の力もそうですけど、人として成長させていただいたという気がします。最初の作品がこの作品でよかった、本当に感謝しかありません。

そうした思いがあったので、『仮面ライダージオウ』という作品があったからこそ経験させてもらえることは、ひとつひとつを大事にしたい、一日一日もっともっと成長できるようにというのは意識していました。だから、一話の自分と最終話の自分で成長がわかりやすく出ていたんじゃないかなと思います。

――第一話と最終話のソウゴの「なんかいける気がする」の違いにも表れているように思います。

最初の軽い感じのものと、最終話でのすべてを見据えて自分への励ましという意味を込めた「なんかいける気がする」は、言葉の重みが違いました。「ソウゴはやっぱり仮面ライダーなんだな」ということを改めて実感できた。最初は、僕のお芝居の拙さもあって「本当に仮面ライダーなのかコイツ!?」というふうに思ってしまう頼りないキャラクターだったのかもしれません。でも最終話ではそれが限りなくゼロに近い状態になったんじゃないか、ちゃんとソウゴがヒーローになっていたなと思いました。

――映画では、そのヒーローなソウゴが見られるのでしょうか。

そうですね。レジェンド感というか、すべてを見据えたソウゴです。すべてを俯瞰して見ている、落ち着いたソウゴを演じました。

――映画ではレジェンド感は意識されていましたか?

意識していませんでした。意識していなくても、自然と出てくるといいなって。映画ではソウゴの最終話までの記憶が全部戻るんです。あの楽しい学園生活から一変したことも、ゲイツが死んだことも、自分勝手に世界を戻したことも全部知っている。となると、僕の中ではローテンションのソウゴなんです。きっとそれは、あまり見たことがないソウゴで、そういう状態でゼロワンの或人くん(演:高橋文哉)と対峙しているので、必然的に先輩っぽく、レジェンドっぽいソウゴが見られると思います。めちゃくちゃ自然にレジェンドしてたんじゃないか、そして、いい形でゼロワンと会えたんじゃないかなと思っています。

――年齢が近いとは思うのですが、先輩ライダーとして高橋文哉さんはどのように映っていますか?

すごく素敵です。去年のいまごろの僕と比べるとまったく別物で、文哉くんは素晴らしいものをもっているし、経験が少ない中でのお芝居の力も相当なものだし、或人をしっかり演じられているんだなという印象を受けます。プライベートや或人じゃない部分でも、真面目で、取材やイベントでもすごく気遣いができる人だなって。また別の作品でも共演してみたい役者さんの一人ですね。

――映画の脚本を担当した高橋悠也さんが描くソウゴは初めてなんですね。

そうですね。でも、高橋さんが考えるソウゴと僕が考えるソウゴの解釈が一致していたのか、違和感はまったくありませんでした。落ち着きのある、大人なソウゴを描いてくださっていて、すごく僕は演じやすかったですし、セリフも入ってきやすかったです。

●ジオウからゼロワンへ、ソウゴらしいバトンタッチ

――映画でのジオウチームとしての見どころはどんなところでしょう。

僕以外の話になるのですが、ゲイツ、ウォズ、ツクヨミが、生身ですごいアクションをしていて、これがめちゃくちゃかっこいいんです。そこが見どころですね。僕はちょっとレジェンドな、いままで見たことがないソウゴを見ることができます。ソウゴとして、ちゃんとゼロワンに対してバトンを渡している感じがしたので、そこも一つの見どころだと思っています。

劇中でこんなにしっかりバトンタッチができたのって、ほかになかったんじゃないでしょうか。ジオウからゼロワンへ、素直なやり方じゃないけど、ソウゴらしくバトンが渡せる、それを劇中でできたというのがすごく大きいと思っています。観た方にはちょっと意外に思われたかもしれないけど、劇中の台詞は"魔王の"ソウゴが言いそうなことであり、「次の時代は君が守っていくんだよ」という意味も込めての言葉だと思うので、僕もそうしたゼロワンへの思いを込めて演じました。

――もう少し遡って、「仮面ライダージオウ ファイナルステージ」はものすごく盛り上がりましたね。

泣く気なかったんですけど……泣いちゃいましたね。岳くんが「レジェンドの人たちに負けたくなかった」と言っていたあたりからけっこうきてました。そういう思いがあったし、正直いうと僕たちよりレジェンドの人たちのほうが目立っていたので悔しかったし、もっと『ジオウ』や『ジオウ』のメンバーのことを見てほしいのに、ってずっと思っていたので、それが岳くんの言葉から出た時は、「頑張ってきたな、みんな」って。なんの涙なのかはわからないですけど、込み上げるものがありました。

地方も無事回ることができたので、「1年間見守ってくださって、支えてくださってありがとうございました」という感謝を伝えることができました。会場に来ることができなかった方にも、SNSなどを通じて感謝の言葉を伝えることができたので、悔いはないです。

――ファイナルステージでファンのみなさんの前に立たれて、『ジオウ』のキャラクターたちがどれだけ愛されているかを感じることができたのではないですか。

今まで「レジェンドの方が……」と思っていたのが、そうやってたくさんの人にきていただいて、僕たちに対する愛を歓声から受け取れたので、僕たちの1年間は間違いじゃなかったんだなと思えたし、すごくいいイベントだったなと思います。

――1年間をものすごい速度で駆け抜けて、奥野さんご自身がこれからやりたいことはどんなことでしょう。

もう全部やりたいですね。舞台、ドラマ、映画、CM、それこそイベントであったりなんでも手を出してみたいし、どんなことでも挑戦したい。いろんなことを経験して、それを自分のものにしていきたいですね。たくさんの作品に出会って、たくさんの人たちに見てもらいたいです。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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