元国税芸人さんきゅう倉田の「役に立ちそうで立たない少し役に立つ金知識」 第132回 高校生でも分かる住民税


元国税局職員さんきゅう倉田です。好きな地方税は「自動車税」です。

今回は、高校生の立場になって、住民税を紐解きます。

ぼく個人でいうと、住民税との出会いは、社会人2年目でした。2年目の6月でしょうか。給与から初めて住民税が天引きされたのを覚えています。

当時は、「おお、2年目から天引きされるものなんだ」と思っていました。また、一緒に働いていた先輩は、ぼくが1年目の頃に「住民税があるから、手取りはお前のほうが多いよ」と言っていました。

○どうして、社会人2年目で引かれるの?

ほとんどの人が、ぼくと同じように2年目から住民税と邂逅すると思います。

住民税は、所得税と同じように所得にかかる税金です。でも、所得税は国の税金、住民税は地方自治体の税金です。所得税は、毎月のお給料から計算した金額を源泉徴収して、年末には年末調整をして、1年間の所得税を会社に計算してもらっています。住民税は、その年末調整をした後のみなさんの所得から住民税を計算しています。だから、所得が計算できる年明けでないと、住民税の金額がわかりません。

さらに、フリーランスやお給料以外の所得がある人は、2月・3月に確定申告をします。このとき、1年間の所得が確定するので、それらがすべて終わって、やっと住民税の金額を計算して、5月や6月に納付書が送られてきます。
○高校生や大学生のときは引かれなかったのに!

「2年目、2年目っていうけれど、バイトしてたときは2年目になっても引かれなかった!」というあなた。わかります。

思い出してください。「103万円以内で働きなさい!税金かかるよ!」という名言を知っていると思います。はじめに誰が言ったかは知りませんが、税金界隈でもっとも唱えられているそうです。ちなみに、2番目は「住民税って高くない?」で、3番目は「税務署混むよね」で、97番目は「ドバイは税金ないらしい」です。

103万円以内で働くと所得税がかからないというのは、控除の範囲で働いているからです。同様に、住民税にも控除があります。自治体によってやや異なりますが、基本的に
年間100万円です。

だから、103万円以内で働くことを目指していた人は、結果100万円以内であることが多く、住民税がかかっていませんでした。

あるいは、103万円以内を目指していなくとも、学業を疎かにしないように働いていたら、自然と100万円以内だったということもあると思います。100万円を12で割るとおよそ8万3千円。時給1000円で月に83時間。週に20時間強。週4で働いて一日5時間。高校生や大学生がそれほど働くのは大変です。ぼくが大学生の頃は、月に5万円が限界でした。

さらに、20歳未満だと年間200万円くらい稼いでも住民税が非課税だったり、たくさん働く学生のための勤労学生控除があったりするので、なかなか住民税がかからないようになっています。
○住民税の税率

所得税の税率は累進課税です。低い人は5%、高い人は45%の税率で納めています(累進課税だから、所得のすべてが45%になるわけじゃないよ。1億円の所得があっても5%の部分や10%の部分があるよ)。

「富の再分配」という税金の役割があるので、お金持ちにたくさん納めてもらって、そのお金で公共サービスを提供しています。でも、住民税は、累進課税になっていません。みんな一律10%です。

自治体によって、若干10%を超えるところがありますが、それは誤差の範囲。全国的に10%です。あそこの市が高いとか、あそこの村が安いとかありません。

いつのまにかお給料から天引きされている住民税。嫌だけど、誰に聞いていいのかわからないから放置していると思います。でも、子供や弟妹(ていまい)に聞かれるかもしれない。きちんと答えられるように、税率や仕組みを理解しておきましょう。

○さんきゅう倉田
芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。法人の税務調査を行ったのち、吉本興業に。ツイッターは こちら。YouTubeチャンネルはこちら

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ