「スカーレット」81話。喜美子と八郎に弟子入りしたい現代っ子は「アシガール」の黒島結菜だ、高まる

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(これまでの木俣冬の朝ドラレビューはこちらから)

連続テレビ小説「スカーレット」 
NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~


『連続テレビ小説 スカーレット Part1 (1)』 (NHKドラマ・ガイド)

第14週「新しい風が吹いて」81回(1月8日・水 放送 演出・小谷高義)
弟子の回。弟子に次ぐ弟子。
八郎(松下洸平)の使えない弟子・畑山順(田中亨)と稲葉五郎(永沼伊久也)に引導を渡してすぐ、喜美子(戸田恵梨香)の兄弟子たち「1番」こと池ノ内(夙川アトム)、「2番」こと磯貝(三谷昌登)が訪ねて来た。10年ぶりの再会。

彼らは少女・松永三津(黒島結菜)を連れて来た。
ヒッピーみたいな格好をした三津は、東京で釉薬の研究をしていて、弟子入り先を探しているところ。いまだなお男社会の陶芸界で同性の喜美子に期待してやって来たが、喜美子の一存では決まらない。八郎の許可が要るが、彼は断る。いまは銀座で行う個展の準備で新たな弟子を育成しているどころではない。とりわけ、美術商・佐久間 (飯田基祐)が八郎に火をつけていた。

八郎が喜美子の作品に可能性を感じて、次世代展に出品させようとしていると聞いて、喜美子のことを気にかけていいる場合じゃないと佐久間は心配する。

「ひらめきや感覚だけでぱっぱとやってるときはたいしたことないんや。こわいんはこれに知識がついた時や。豊富な知識に裏打ちされた自由奔放な作品ほどこわいもんはないで」と言い、八郎が最近、伸び悩んでいることを指摘する佐久間。このときの劇伴が不穏な鍵盤の音。どうなる八郎……。一方、三津のテーマなのか新たな劇伴はブルースハープでボブ・ディランみたいな感じ。自由な風が吹いてくる。

「奥さん」と呼ばずに「喜美子」と呼んだ
日本全国を焼き物の勉強でひとり旅もしていた三津は自分の豊富な知識とアイデアを立て板に水のように語り、提示するが、八郎は聞く耳をもたない。そこで「新しいものを取り入れんで新しい作品が生まれるわけないやん」と八郎を「がんこ親父ちゃんや」と批判する。

一瞬、ずばっと創作の本質的な面に切り込むも、すぐに空気は三津の元カレの話にゆるーく切り替わる。だが、三津の指摘は八郎の心に引っかき傷をつけたに違いない。こういう余韻が良い。
そして、八郎は気づく。三津は「奥さん」と呼ばずに「喜美子」と呼んだことを。

三津役の黒島結菜といえば
NHKの土曜時代ドラマ「アシガール」(17年)。「スカーレット」の内田プロデューサーのプロデュース作で、戦国時代にタイムスリップしてしまった女子高生が、愛する若君(伊藤健太郎)を守るため足軽(アシガール)として大活躍する、漫画原作のドラマ。これがヤング層に人気で、若者向け時代劇の可能性を拓き、スペシャルドラマもできた。私も例えば大河ドラマに若者視聴者を呼び込みたいなら「アシガール」みたいなものをやればいいと極論を書いたことがあるくらいだ。

「アシガール」成功の一端は、ヒロインを演じた黒島結菜のピュアさ。恋に闘いに猪突猛進、少女らしい華奢な足で全速力の姿がフレッシュでまぶしく、若いうちに朝ドラヒロインをやってほしいと思ったものだ。それが今回、ヒロイン喜美子の弟子役で登板となって一歩前進という感じだ(ご本人がヒロインを目標にしているかはわからない、勝手な外野の妄想ですが)

喜美子役の戸田恵梨香とは、戸田の代表作「SPEC」の続編配信ドラマ「SICKS」でキーとなる役・一一十(ニノマエイト)を演じているという関わりが。戸田演じる当麻紗綾が宇宙規模の悪を封じ込めて作ったパラレルワールドで、再び蠢くあやしい人物イトと、何かと世界に痕跡を感じさせる当麻が出会うことはあるのかないのか、「SICKS」をハラハラ・ドキドキして見ていたら、朝ドラで出会ってしまった。高まる。
(木俣冬 タイトルイラスト/まつもとりえこ)

登場人物(週の終わりに更新していきます)
●川原家
川原喜美子…戸田恵梨香 幼少期 川島夕空  主人公。中学卒業後、大阪の荒木荘に女中として就職。三年働いた後、信楽に戻り、丸熊陶業初の女性絵付け師となるが、絵付け火鉢が下火になり、陶芸の勉強をはじめる。陶芸の先輩・八郎と結婚。主婦と陶工を両立させていたが、創作に目覚める。

十代田八郎 → 川原八郎…松下洸平 8人きょうだいの末っ子。父母は亡くなっている、京都の美術大学出身。丸熊陶業の新商品開発の仕事に携わり、喜美子と結婚(婿入り)。陶芸家として独立。昭和40年、金賞を受賞。

川原武志…又野暁仁 喜美子と八郎の長男。

川原常治…北村一輝 戦争や商売の失敗で何もかも失い、大阪から信楽にやってきた。気のいい家長だが、酒好きで、借金もある。口は悪いが、娘たちを溺愛し、喜美子の結婚に猛反対するも、体を壊すほど働いて離れを建てるという愛情を見せるも、そのまま弱って膵臓と肝臓癌を患い、昭和40年死亡。

川原マツ…富田靖子 地主の娘だったが常治と駆け落ちして結婚。体が弱く家事を喜美子の手伝いに頼っている。ぼんやりして何をしているのかよくわからないながら、なぜかなくてはならない存在感を放っている。

川原直子…桜庭ななみ 幼少期 やくわなつみ→安原琉那 川原家次女 空襲でこわい目にあってPTSDに苦しんでいる。それを理由にわがまま放題。東京の熨斗谷電機の工場に就職。父の葬式にも出ず、大阪で商売をはじめると宣言する。

川原百合子…福田麻由子 幼少期 稲垣来泉→住田萌乃 末っ子でおとなしかったが、料理もするようになり、直子が東京に行くと気丈になっていく。家庭科の先生になるため短大進学を目指すが、結局就職する。

●熊谷家
熊谷照子…大島優子 幼少期 横溝菜帆 喜美子の幼馴染で親友。喜美子とは幼いときキスした仲。信楽の大きな窯元・丸熊陶業のひとり娘。学徒動員で戦死した兄に代わって家業を継ぐため、京都の短大を卒業後、婿をとる。四人の子供の母となる。

熊谷秀男…阪田マサノブ  信楽で最も大きな「丸熊陶業」の社長。娘には甘い。昭和34年、突然死。
熊谷和歌子… 未知やすえ 照子の母。敏春を戦死した息子の身代わりのように思っている。
熊谷敏春…照子の婿。 京都の老舗旅館の息子。新商品開発に意欲を燃やす。先代の突然の死により
社長となり、八郎に期待を賭ける。照子には優しい夫。

●大野家
大野信作…林遣都 幼少期 中村謙心 喜美子の幼馴染。子供の頃は心身共に虚弱だったが、祖母の死以降、キャラ変しモテるように。高校卒業後、役所に就職する。早く結婚したかったが、来る者拒まず交際しても、毎回うまくいかない。

大野忠信…マギー 大野雑貨店の店主。信作の父。戦争時、常治に助けられてその恩返しに、信楽に川原一家を呼んでなにかと世話する。大手雑貨店の影響で雑貨店からカフェに商売替えする。

大野陽子…財前直見 信作の母。川原一家に目をかける。マツの貯金箱を預かったことで離婚の危機に直面するが一件落着。カフェサニーをきりもりしている。

●信楽の人たち 
慶乃川善…村上ショージ 丸熊陶業の陶工。陶芸家を目指していたが諦めて引退し草津へ引っ越す。喜美子に作品を「ゴミ」扱いされる。

工藤…福田転球  大阪から来た借金取り。  幼い子どもがいる。
本木…武蔵 大阪から来た借金取り。
保…中川元喜  常治に雇われていたが、突然いなくなる。川原家のお金を盗んだ疑惑。
博之…請園裕太 常治に雇われていたが、突然いなくなる。川原家のお金を盗んだ疑惑。

所沢…牛丸裕司 信作の上司
黒岩次郎…上野俊介 幼少期 溝上空良  信作の幼馴染 お見合い大作戦に参加する。

田畑よし子…辻本みず希 お見合い大作戦に参加、信作に好意を寄せるが、9対1で嫌いと振られる。

佐久間 …飯田基祐 美術商。信楽にジョージ富士川を呼ぶ。

●信楽 丸熊陶業の人々
城崎剛造…渋谷天外 丸熊陶業に呼ばれて来た絵付け師。気難しく、社長と反りが合わず辞める。
加山…田中章 丸熊陶業社員。
原下…杉森大祐 城崎の弟子。
八重子…宮川サキ 丸熊陶業で陶工の食事やお茶の世話をする。
緑…西村亜矢子 丸熊陶業で陶工の食事やお茶の世話をする。
西牟田…八田浩司 丸熊陶業の中堅社員。

深野心仙…イッセー尾形  元日本画で戦後、火鉢の絵付け師となる。喜美子を9番目の弟子にする。
若社長の代になり、長崎の若手陶芸家・森田隼人に弟子入りすることにする。
池ノ内富三郎…夙川アトム 深野の一番弟子。深野組解散にあたり、京都に就職。
磯貝忠彦…三谷昌登 深野の二番弟子。深野組解散にあたり、大阪に就職。

藤永一徹…久保山知洋 陶器会社で企画開発をやっていて、敏春に雇われる。
津山秋安…遠藤雄弥 大阪の建築資材研究所にいて、敏春に雇われる。

森田隼人…長崎の陶芸家。深野が弟子入りを申し込む。

柴田寛治…中村育二 窯業研究所の所長
橘ひろ恵…紺野まひる 窯業研究所所員 喜美子の花の描かれたカップを気に入る。

●大阪 荒木荘の人々
荒木さだ…羽野晶紀 荒木荘の大家。下着デザイナーでもある。マツの遠縁。
大久保のぶ子…三林京子 荒木荘の女中を長らく務めていた。喜美子を雇うことに反対するが、辛抱して彼女を一人前に鍛え上げたすえ、引退し娘の住む地へ引っ越す。女中の月給が安いのでストッキングの繕い物の内職をさせる。
酒田圭介…溝端淳平 荒木荘の下宿人で、医学生。妹を原因不明の病で亡くしている。喜美子に密かに恋されるが、あき子に一目惚れして、交際のすえ、荒木荘を出る。
庵堂ちや子…水野美紀 荒木荘の下宿人。新聞記者だったが、不況で、尊敬する上司・平田が他紙に引き抜かれたため、退社。女性誌の記者となり、琵琶湖大橋の取材のおり、信楽の喜美子を訪ねる。
田中雄太郎…木本武宏 荒木荘の下宿人。市役所をやめて俳優を目指すが、デビュー作「大阪ここにあり」以降、出演作がない。

●大阪の人たち 
マスター…オール阪神 喫茶店のマスター。静を休業し、歌える喫茶「さえずり」を新装開店した。
平田昭三…辻本茂雄 デイリー大阪編集長 バツイチ 喜美子の働きを気に入って、引き抜こうとする。
不況になって大手新聞社に引き抜かれた。
石ノ原…松木賢三 デイリー大阪記者
タク坊…マエチャン デイリー大阪記者
二ノ宮京子…木全晶子 荒木商事社員 下着ファッションショーに参加
千賀子…小原華 下着ファッションショーに参加
麻子…井上安世 下着ファッションショーに参加
珠子…津川マミ 下着ファッションショーに参加 
アケミ…あだち理絵子 道頓堀のキャバレーのホステス お化粧のアドバイザーとしてさだに呼ばれる。

泉田工業の会長・泉田庄一郎…芦屋雁三郎 あき子の父。荒木荘の前を犬のゴンを散歩させていた。
泉田あき子 …佐津川愛美 圭介に一目惚れされて交際をはじめる。

ジョージ富士川…西川貴教 「自由は不自由だ」がキメ台詞の人気芸術家。喜美子が通おうと思っている美術学校の特別講師。昭和40年、信楽に実演会を行いにやって来る。

十代田いつ子…しゅはまはるみ 八郎の姉 大阪で髪結いをしている。

草間宗一郎…佐藤隆太 大阪の闇市で常治に拾われる謎の旅人。医者の見立てでは「心に栄養が足りない」。戦時中は満州にいて、帰国の際、離れ離れになってしまった妻・里子の行方を探している。喜美子に柔道(草間流柔道)を教える。大阪に通訳の仕事で来たとき喜美子と再会。大阪には妻が別の男と結婚し店を営んでおり、離婚届を渡す。東京に住んでいたが、台湾に貿易の仕事に行くことに。

草間里子…行平あい佳 草間と満州からの帰り生き別れ、別の男と大阪で飯屋を営んでいる。妊娠もしている。

脚本:水橋文美江
演出:中島由貴、佐藤譲、鈴木航ほか
音楽:冬野ユミ
キャスト: 戸田恵梨香、北村一輝、富田靖子、桜庭ななみ、福田麻由子、佐藤隆太、大島優子、林 遣都、財前直見、水野美紀、溝端淳平ほか
語り:中條誠子アナウンサー
主題歌:Superfly「フレア」
制作統括:内田ゆき

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