【映画コラム】最近は珍しくなった骨太な男たちの熱血ドラマ『フォードvsフェラーリ』

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 実話を基に1960年代のカーレース界を描いた『フォードvsフェラーリ』が1月10日から公開される。

1959年、ル・マン24時間耐久レースで優勝した米国人のキャロル・シェルビー(マット・デイモン)。だが心臓を悪くした彼は、車のデザイナー兼セールスマンに転身する。彼のチームには優れたレーサーだがくせ者の英国人ケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)もいた。そんな中、フォードモーターズ社は、シェルビーを起用して、ル・マンの絶対王者イタリアのフェラーリに勝つことを企てる。

本作は2時間半余りの大作だが、大筋は、1960年代のカーレース界の裏側を、シェルビーとマイルズの不思議な友情と意地、マイルズの家族愛、フォードの企業論理、フェラーリへの対抗心、などを軸にして描くことにある。米宇宙開発史を描いた『ライトスタッフ』(83)を小粒にしたような印象を受けた。最近は珍しくなった骨太な男たちの熱血ドラマを、正攻法で描いているところがポイントだ。

個性的なデイモン、ベールにも増して、フォード社会長ヘンリー・フォード2世役のトレイシー・レッツがもうけ役をもらって好演を見せる。監督のジェームズ・マンゴールドはレースシーンで極力CGを使わないことを心掛けたというが、アメリカ人は本当に車やレースが好きなんだなあ、と思わせる映画でもある。

ちなみに、『ラッシュ/プライドと友情』(13)をはじめ、カーレースを描いた映画は枚挙にいとまがないが、ル・マンを中心に描いた映画では、本作の劇中で名前が登場するスティーブ・マックィーン主演の『栄光のル・マン』(71)、米車業界の裏側を描いた映画ではフランシス・フォード・コッポラ監督の『タッカー』(88)、最近では『ジョン・デロリアン』(19)もある。(田中雄二)

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