「浪漫と算盤」は椎名林檎と宇多田ヒカルが貫く生き方を綴った歌

UtaTen

奇跡の共演、再び


2019年、デビュー20周年の節目を迎えた椎名林檎。

同年秋には初のベストアルバム『ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~』が発売された。

今回この中から取り上げたいのが『浪漫と算盤 LDN ver.』である。

2016年に『二時間だけのバカンス』で初共演した宇多田ヒカルとの2度目のコラボとなった。

▲椎名林檎と宇多田ヒカル - 浪漫と算盤 / Sheena Ringo & Hikaru Utada- The Sun&moon

MV動画コメント欄には、「神々の遊び」「最強のママ友」等のユニークな称賛の言葉が並んでいる。

これほどに期待され人々を惹きつける、日本を代表する女性シンガーである2人。

今回の歌詞の世界はどのようなものだろうか。

2人の生き方の反映




前作のコラボ曲は宇多田らしいファンタジーな世界観を感じさせていたのに対し、今回は椎名林檎らしい色気のある哲学を感じさせる音楽性が垣間見える。

一見小難しいことを言っているように聞こえてしまうが、じっくり読んで頂ければきっと分かるはずだ。



信念を持って務め成し遂げたことは、生活のためだけでない意味を持ち合わせた仕事である。

それ故か、自分が「やりたいこと」と「やるべきこと」の境界が現れてしまうが、それには気づかないフリをしていたいのだろうか。

自分の成し遂げたそれはあらゆる人々に批評され、消化されていく。人しれぬ苦しみや辛さもあるだろう。

しかしそれを浴びた上で、さらに新しいことに挑戦したいのだと語る。

この歌詞の主人公は、まさに椎名林檎と宇多田ヒカルそのものではないだろうか。

同じようにソロアーティストとして活躍を続ける2人。まるでお互いの生き方について対話し、理解し合っているようだ。

浪漫で算盤は弾けるのか




この「浪漫」と「算盤」というのも、自分の「夢・願望」と「仕事・義務」等を対比した表現なのだろう。

こんな簡単なキーワードで分かった気になれる歌詞ではない気はするが、おそらくその真意は彼女達しか知らない。



アーティストという仕事であるが故の苦悩は多々あることだろう。

それでも、他人の作品や生き方、自分の作品に対する声に心を打たれることもあるはずだ。

そうして得た「生きていこう」という思い。これは果たしてポジティブな意味合いなのか、それともなげやりな諦めの感情の表れなのか。

もしかしたら、その時に抱えている仕事や、関わった人、新しく気がついたことによってその意味が変わるのかもしれない。

例え算盤を弾いて完成された作品であっても、私は彼女達の生み出す音楽を暢気に楽しむだろう。

凡人には分からない、アーティストの苦悩を覗き見ることができる楽曲なのだろう。

TEXT 島田たま子

当記事はUtaTenの提供記事です。

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