劇場版「シンカリオン」佐倉綾音&杉田智和親子役対談後編「劇場で観られる状況そのものが嬉しい」

エキレビ!

宇宙最強の敵・ナハネ&オハネフと、日本各地から再び集まった「チームシンカリオン」の戦いを描いた劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』が公開中。


エキレビ!では、主人公でシンカリオン運転士の速杉ハヤトを演じる佐倉綾音と、ハヤトの父で本作では行方不明になってしまう速杉ホクト役の杉田智和による対談を実施。後編では、戦闘中、行方不明になったホクトの代わりに現れた9歳のホクトに対する印象や、約半年ぶりの『シンカリオン』の収録の雰囲気などを語ってもらった。終盤までのストーリーなどの内容も含まれているため、本編をまだ観ておらずネタバレを避けたい人は、先に映画館へ足を運んだ後に読んで欲しい。

(前編はこちら)


やっぱり、ホクトは二人のお父さんなんだなって、ちょっと安心
──本作で初めて描かれた子供時代のホクトに対しては、どのような印象を受けましたか?

佐倉 まず、表面的なところでは、「こんな子供だったんだ!」という感想が先立ちました。今の大人のホクトからは想像もつかない幼少期だったので。ハヤトが(人見知りの)ホクトに対してどんどんアプローチをかけていき、ホクトが心を開いていくと、すでに9歳の時から「誰かのために」という思いを持ちながら生きていることが分かってくるんですよね。その血は、しっかりとハヤトにも受け継がれているし、もちろん、今の大人のホクトの根本にも流れている。そういう性格が9歳でもう開花しているんだということは、劇場版のストーリーが進む中で、すごく理解できました。

──新幹線や列車が好きなところはハヤトそっくりですが、語尾に「なわけで」と付く口調が妹のハルカにそっくりなことは意外でした。ハルカも実はお父さん似だったのか、と。

佐倉 前に、杉田さんがハヤトとハルカがあまりにも似ていないと言っていて。たしかに、私もハルカがちょっと速杉家から独立している感じがするなって思っていたんです。髪の色も速杉家で一人だけ違いますし。でも、今回の劇場版の少年ホクトを見て、やっぱり、ホクトは二人のお父さんなんだなって、ちょっと安心しました。


杉田 ハルカは(母親の)サクラちゃんにもあまり似てないし、ホクトとはどこが似ているんだろうと思うくらいだったので。たとえ、電車や新幹線じゃなくても、何か好きな物に対して素直に好奇心が向かう。そして、それを相手に伝えて、温かく伝わった時、とても自分も幸せになる。そういう(速杉家らしい)ところがハルカにもあると良いなと思っていたんです。本当に親が子育てで悩むのと同じような感覚で、「それはどこなんだろう?」「この子を理解しなくては」と。でも、その「理解しなくては」と思うこと自体、間違っていたんだなとも思いました。子育てにおける父親としては、不自然な行動になってくるので。

──ハルカについては、今回、ドラマの『北の国から』が大好きという速杉家らしい一面も描かれましたね。ちなみに、杉田さんは、少年ホクトを演じた釘宮理恵さんと、ホクトについて何か話したりはしたのでしょうか?

杉田 スタジオでは隣の席でしたが、必要最少限の言葉を伝えただけです。

──大人のホクトがどういう人物なのかなどを伝えたのですか?

杉田 というよりは、テレビシリーズの時の現場の雰囲気とかです。それも、導くとか誘導するとかではなくて。釘宮さんという圧倒的に大きな幹はしっかりとあるので、自分は枝になる可能性のものを情報として伝えたくらいです。それをどうするのかはご本人の取捨選択。必ず最適解が出てくると分かっていたので、何の不安もありませんでした。

アフレコ現場は、本編にシンクロする部分は多いと思う
──久しぶりに行われた『シンカリオン』のアフレコ現場は、どのような雰囲気でしたか?

佐倉 わりとテレビシリーズの延長線上っぽい雰囲気でしたよね。

杉田 うん。そんなに変化もなく。

──では、いつもの『シンカリオン』のアフレコ現場というのは、どのような雰囲気だったのですか?

杉田 本編にシンクロする部分は多いと思います。面白いことをするのはツラヌキ(村川梨衣)だし。アキタ(沼倉愛美)は、一歩引いたところからすごく現場を見ているけれど、子供みたいに笑うし。


佐倉 本庄さん(古島清孝)がいじられていて。

杉田 本編さながらにね。

佐倉 本編以上かも(笑)。途中から参加されたソウギョクの山内(健嗣)さんはすごくお茶目で。スタジオにパンを作ってきてくれたこともあったんです。

杉田 あったあった。みんなで「ソウギョク、器用!」って(笑)。

佐倉 だんだん、ソウギョクも本編の中で、そういうキャラになっていったじゃないですか。

──最初は裏で暗躍する得体の知れない敵という印象でしたが、いつの間にかギャグ要員にもなっていきました。

佐倉 最終回では、新橋の高架下とかで焼き鳥、食べてたし。

杉田 完全に人の社会に溶け込んでいて。キトラルザスの中では、恐らく一番俗っぽくなったなあ。一番、人間社会に適合してる。

佐倉 今回の劇場版でも、ちょっとネタ枠みたいなところありましたよね。それに、ゲンブのマックス(マックスウェル・パワーズ)さんは、私たちにとっては異文化でしたし、マックスさんにとっても異文化交流だったと思います。

──ゲンブも、キトラルザスでありながら、シンカリオンが大好きになり、今作では超進化研究所のメンバーとして、人間と一緒に働いていますね。

杉田 (テレビシリーズ最終回で)ゲンブが初めてシンカリオンを動かした時の台詞があまりにも良すぎて、その場で台詞が増えていました(笑)。ゲンブのリアクションがあまりにも良くて、テストで見ていると自然に「良かったね」って声が出るんですよ。

佐倉 シンカリオンが変形した後の機体名の読み上げは、ずっと、じんぼぼんじさんがやっていて。その時も、最初は今まで通りにじんぼさんの声だったと思うんです。でも、ゲンブが乗った時は、それもゲンブ役のマックスさんがやることに。

杉田 その場で決まって。

佐倉 そういう、すごく楽しい現場でした。

杉田 本編さながらというか、本編のキャラクター以上に、(キャストが)キャラクターを発揮している現場なんです。

劇場版をきっかけに、まだまだ『シンカリオン』を応援して欲しい
──本作では、『エヴァンゲリオン』や『初音ミク』(劇中では発音ミク)とのコラボレーションを始めとした様々なコラボレーションや、伊藤健太郎さん、吉田鋼太郎さんというゲスト声優の参加など、劇場版ならではの仕掛けが数多くありました。特に大きなインパクトを感じたのは、どのようなことでしたか?

杉田 まったく個人的な話になりますが、敵のオハネフ役の吉田鋼太郎さんは、今年すごく気になっている俳優さんでしたので、共演できて嬉しかったです。アニメーションに出ている時も、ご本人が出ている映画も好きでしたし、今回はどんなアプローチで来るんだろうと、すごく楽しみでした。一緒に録れなかったのは残念でしたが、『シンカリオン』では、どんなお芝居になっているのか、楽しみです。


佐倉 私も、何年か前に舞台を拝見してからずっと吉田鋼太郎さんは気になる役者さんでした。今年のご活躍もすごかったですし。本当に面白いお芝居の組み立て方をする方だなと思って拝見していたので、ご一緒できることを楽しみにしていたんです。でも、現場ではご一緒できなかったので、後日、音響監督の三間(雅文)さんに会った時、「どうでした!?」と開口一番に聞きました。今回、新しい敵のヴァルハランのナハネとオハネフに関しては、未知の敵という描かれ方であるため情報がすごく少なかったんです。伊藤さんが演じるナハネの胸の内もあまり明かされず、ナハネとオハネフの関係についても情報が少ない。そんな中、三間さんは、吉田さんに「『ナハネを動かしているのがオハネフである』というつもりで演じてください」という情報を渡したと仰っていて。実際に試写で観たとき、腹に一物抱えている感じがありつつ、ナハネに対しても思うところがあるんじゃないかな、と想像力をかき立てられる感じがすごく出ていました。スクリーンの中だけでしたけど、ご一緒できて嬉しかったです。

──その他にも、この劇場版で実現して嬉しいことや、ぜひここを観てもらいたいと思うことを教えてください。

杉田 劇場の大きなスクリーンと音響で『シンカリオン』が観られるという状況そのものが嬉しいですね。あと、自分は「家族みんなで観に行きましょう」とか、あまり言わないんですよ。そういうことって、言ってもしょうがないじゃないですか。別に何か嫌なことがあったとかではないのですが(笑)。家族や絆は、そのまま言葉にしたら陳腐になる気がして、あまり自分から言う事ではないと思っているんです。でも、『シンカリオン』に関しては、「観に来て!」と言いたい。家族みんなで、大きなスクリーンと音響でやる『シンカリオン』をぜひ観にきて欲しい。それが楽しかったなら、僕はとても嬉しいです。

佐倉 子供たちにとっては、テレビよりも大きいスクリーンで観る『シンカリオン』は、シンプルに楽しいんじゃないかなと感じています。スクリーンが大きい分、細かいところがよく見えると思うので。進化する時にどの部品がどこに連結するのかなど、そういうことも含めて観ていただきたいです。あと、引っ切りなしに音と音楽が鳴っているんです。それを余すことなく体感できるのも、劇場版ならではだと思います。何より、たくさんの大人達が『シンカリオン』を楽しんでもらいたいという一心で、いろいろなコラボレーションを実現させて、みんなが幸せになれる未来を思い描いて作ったのがこの劇場版。一番最後には、スクリーンに「シンカリオンはまだまだ止まらない!」という文字も出るのですが、その未来をより良いものにしていくため、劇場版をきっかけに、まだまだ『シンカリオン』を応援していただけたら嬉しいなと思います。

≪作品情報≫
劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』
12月27日(金)全国ロードショー
【スタッフ】
監督/池添隆博 脚本/下山健人 キャラクターデザイン/あおのゆか 
メカニックデザイン/服部恵大 音楽/渡辺俊幸 音響監督/三間雅文
【キャスト】
佐倉綾音 沼倉愛美 村川梨衣 真堂圭 竹達彩奈 杉田智和 雨宮天 うえだゆうじ 山寺宏一/釘宮理恵 伊藤健太郎 吉田鋼太郎
【配給】
東宝映像事業部
(C)プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・The Movie 2019

(取材・文・写真/丸本大輔)

当記事はエキレビ!の提供記事です。

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