【通算19曲目の全米No.1記念】マライア・キャリーによる歴代の全米首位獲得曲をプレイバック(前編)

Billboard JAPAN

2019/12/30 18:00



1994年にリリースされたマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が、2019年12月21日の米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”でNo.1に輝いた。マライアは、これで通算19曲目の首位を獲得。歴代1位のザ・ビートルズの記録(20曲)に王手をかけ、女王の存在感を改めて示した。その快挙を記念して、歴代の全米首位獲得19曲をご紹介する記事の<前編>をお届けする。

◎「ヴィジョン・オブ・ラヴ」
https://youtu.be/tov22NtCMC4

デビュー・アルバム『マライア』からの1stシングルで、マライアの輝かしいキャリアをスタートさせたデビュー曲。1990年5月15日にリリースされ、8月4日~25日付チャートの計4週をマーク。同年の年間チャートでは6位にランクインする大ヒットを記録した。プロデュースは、マライアも“リスペクト”する故アレサ・フランクリンや故ホイットニー・ヒューストン等を手掛けたナラダ・マイケル・ウォルデン。売れ線とは言い難いブルージーなハチロク・スロー・バラードで、凄まじい歌唱力を開放するようアプローチしている。間もなく発売(デビュー)30周年を迎えるが、色んな意味で貫禄ある現マライアの方がフィットする曲かもしれない。



◎「ラヴ・テイクス・タイム」
https://youtu.be/FkDpwF6-QiA

『マライア』からの2ndシングルとして1990年7月9日リリースされ、11月10日~24日付チャートの計3週をマークした、スタンダードなバラード曲。翌年と集計期間が分散したため、年間チャートでは上位にランクインしなかったが、ミリオンに迫る高セールスを記録している。プロデュースは、初期の作品全般を手掛けたウォルター・アファナシェフ。アルバムの完成間近に、元夫でソニーの会長だったトミー・モトーラがウォルターにこの曲の存在を持ち掛け、急遽11曲目に収録することになった……という経緯は、有名な話。たしかに心に響くいい曲で、この曲の存在なしでは『マライア』の大成功もなかったかもしれない。



◎「サムデイ」
https://youtu.be/4RWfSUWVP2I

1990年11月15日にリリースされた、『マライア』からの3rdシングル。翌1991年3月9日~16日付チャートの計2週首位を獲得し、同年の年間チャートでは13位にランクインするスマッシュ・ヒットを記録した。当初、六本木や渋谷あたりの箱でも大ブームを巻き起こしていたアシッド・ハウスで、アップ・チューンとしては初のシングルとなる。プロデュースは、ダイアナ・ロスやテイラー・デイン等のヒットを手掛けたリック・ウェイク。サウンド自体は懐メロっぽいのに古臭い感じがしないのは、時代を超越したマライアのボーカルにある。



◎「アイ・ドント・ウォナ・クライ」
https://youtu.be/QfG1qwl-Zho

『マライア』からの4thシングルとして1991年3月19日にリリースされ、1991年5月25日~6月1日付チャートの計2週No.1をマーク。同年の年間チャートでは26位にランクインした。4曲目のシングル・カットとしては、異例のヒットといえるだろう。「ヴィジョン・オブ・ラヴ」、「ラヴ・テイクス・タイム」とはまた違うマイナー調のメロウ・チューンで、アンニュイな曲の雰囲気にフィットするよう、マライアも物憂げなボーカルにシフト・チェンジしている。この曲もナラダ・マイケル・ウォルデンによるプロデュース。旋律・構成共に完璧な傑作だが、スルーされがちなのはナゼ?



◎「エモーションズ」
https://youtu.be/NrJEFrth27Q

2ndアルバム『エモーションズ』からの1stシングルとして1991年8月13日にリリースされ、10月12日~26日付チャートの計3週をマークした。集計期間が短かったにもかかわらず、同年の年間チャートでは22位にランクインし、プラチナ認定(100万枚)されている。デビュー曲から5曲連続で全米首位獲得を果たしたアーティストはマライアだけで、その記録は未だどのアーティストにも破られていない。プロデュースは当初「エヴリバディ・ダンス・ナウ!」で大ブレイクしたダンスユニット=C+Cミュージック・ファクトリー。サビのホイッスルを真似るアーティストは絶えないが、マライアの完成度に達した例はない。



◎「アイル・ビー・ゼア」
https://youtu.be/UIt3dx4an9c

1992年6月リリースのライブEP『MTV アンプラグド』から、同年5月26日に先行シングルとして発表され、6月20日~27日の2週間1位を記録。年間チャートでは16位にランクインする快挙を達成した。ライブ音源をシングル・カットすること自体珍しいが、それが首位を獲得するというのは異例も異例で、当時マライアがいかに勢いがあったかを物語る。同曲はご存知ジャクソン5のカバーで、原曲は1970年10月17日~11月14日付チャートの計5週No.1をマークし、同年の年間7位にランクインする大ヒットを記録した。そういえば、パートナーのトレイ・ロレンツはどうしているのだろう。



◎「ドリームラヴァー」
https://youtu.be/CqBtS6BIP1E

3rdアルバム『ミュージック・ボックス』からの1stシングルとして1993年7月27日リリースされ、9月11日~10月30日付チャートの通算8週No.1をマークし、同年の年間チャートでは8位にランクインした大ヒットナンバー。メアリー・J・ブライジやアッシャー等R&Bシンガーを多数手がけるデイヴ・ホールがソングライターとして参加したこともあり、ヒップホップ色が強くクラブ・シーンでも人気だった。同曲には、「ベスト・オブ・マイ・ラブ」(1977年)で知られるガールズ・トリオ=エモーションズの「ブラインド・アレイ」(1972年)がサンプリング・ソースとして使われている。サウンドをイメージした、草原で戯れる夏っぽいMVも◎。



◎「ヒーロー」
https://youtu.be/0IA3ZvCkRkQ

1993年10月19日に、アルバム『ミュージック・ボックス』からの2ndシングルとしてリリースされ、同年12月25日から1994年1月15日付チャートの計4週トップを維持した、キャリアを代表するバラード曲。1994年の年間チャートでは5位にランクインし、累計売上枚数も200万枚を突破した。制作は、ウォルター・アファナシェフとマライアの共作。日本では、女優の中山美穂がカバーしヒットに繋げたことで、マライアの知名度も上昇。「恋人たちのクリスマス」が同94年秋クールのドラマ『29歳のクリスマス』に起用されたのも、少なからずその功績があったからだと思われる。和訳はうまくハマっていなかったが……。



◎「ファンタジー」
https://youtu.be/qq09UkPRdFY

4thアルバム『デイドリーム』からの1stシングルとして1995年9月12日にリリースされ、9月30日~11月18日付チャートの計8週トップに居座った大ヒット曲。9月の発売にもかかわらず、同年の年間チャートでは7位にランクインするスピードヒットを記録した。故マイケル・ジャクソンの「ユー・アー・ナット・アローン」(1995年)に次ぐ歴代2番目の「初登場1位獲得曲」で、女性アーティストとしても初の快挙となる。80年代のクラブ・シーンを彩ったNYのニュー・ウェイヴ・ユニット=トム・トム・クラブの「悪魔のラヴ・ソング」(1981年)をサンプリングしたヒップホップ・チューンで、パフ・ダディーが手掛けたリミックス<Bad Boy Fantasy Mix>の人気もヒットに繋げた大きな要因。



◎「ワン・スウィート・デイ」
https://youtu.be/UXxRyNvTPr8

『デイドリーム』からの2ndシングルとして1995年11月14日にリリースされ、前曲「ファンタジー」に続き2曲連続の初登場1位を記録した。初登場1位を2曲連続で達成したアーティストは、マライアの他ドレイクとアリアナ・グランデがいる。1995年12月2日から1996年3月16日付チャートまでの通算16週連続首位獲得を果たし、同年の年間チャートでは2位にランクイン。90年代以降しばらくは歴代最長記録として受け継がれたが、2017年にルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキーの「デスパシートfeat.ジャスティン・ビーバー」が同16週でタイに並び、今年2019年にはリル・ナズ・Xが「オールド・タウン・ロードfeat.ビリー・レイ・サイラス」で19週をマークし、その記録を打ち破った。この頃のマライアとボーイズIIメンは向かうところ敵ナシ状態で、リリース毎に首位獲得、年間上位にランクインしていた。



◎「オールウェイズ・ビー・マイ・ベイビー」
https://youtu.be/LfRNRymrv9k

『デイドリーム』から3rdシングルとして1996年3月9日にリリースされ、5月4日~11日付チャートの計2週をマークした。首位獲得週は少ないが、ロング・ヒットの末1996年の年間チャートでは5位にランクインしている。シングルが3曲年間TOP10入りしたアルバムは『デイドリーム』のみ。プロデュースは、以降マライアのヒット曲を多数手がけることになるジャーメイン・デュプリで、両者によるタッグの初首位獲得曲となる。原曲も非の打ち所がないが、マライアもお気に入りのファンク・バンド=S.O.S.バンドによる「テル・ミー・イフ・ユー・スティル・ケア」(1983年)をサンプリングしたリミックスも最高。キャリアを代表する一曲であり、この曲をフェバリット・ソングとして挙げるファンも多い。



Text: 本家 一成

当記事はBillboard JAPANの提供記事です。

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