「食べると肛門から油がしみ出る」と言われる魚にかぶりついた感想 → 罪深い美味さ / 珍怪魚フェスで食べたパンクな魚たちについて



今、ブリが美味い。タラだって美味いし、アンコウも美味い。しかし、言ってみればそれらは有名どころ。バンドでいえば、メジャーデビューを果たした連中だから、「美味い」と言われるのは当たり前である。

今回紹介するのは、インディーズのバンド(魚)たちだ。知名度に関して言えば、メジャーには劣る。だが、演奏の腕(味)まで劣るのかというと……そんなことはない。

むしろ、インディーズシーンにとんでもないバンド(魚)がいたのだ。感じ方は人それぞれだが、私としては「ブリやタラなどのメジャーな連中が束になってもかなわないくらい美味い!!」という印象。そいつの名は……

アブラボウズ

──という。名前を聞いたことがある人は多いだろう。また、グルメな読者の中には「それは結構メジャーじゃない!?」と感じる人だっているかもしれないが、先に挙げたブリやタラなどのメジャーな連中に比べたらインディーズ的存在とご理解いただければ幸いだ。

・肛門から油?
さて、そのアブラボウズだが、厚生労働省のホームページでは以下のように紹介されている。

「肉は美味であるが、食べると肛門から油が滲み出るといわれている」

──うん? 食べるのを禁止されている魚? と思うかもしれないが、そうではない。バリバリ合法なのだが、「肛門から油のリスクを覚悟せよ」ってことのようだ。

・食べてみた
実にパンクな魚である。演奏はすごいが、「近寄ってきた客の頭をギターでかち割ります」と宣言しているバンドのようなもの。そんな魚、死ぬまでに1度は味わってみたい……と、思っていたらつい先日。幸運にも、食べる機会があった。

いただいたのは、アブラボウズの鍋。見るからにプルプルなそれを箸でつかみ、口の中に放り込むと……

ジュワチュルン

何が起きたかのか一瞬分からなかったが、こんな感じでトロけて消えたのだ。「今トロ食べたっけ?」って気がしたけれど、よく考えればトロどころじゃない。中トロ以上にトロという表現がピッタリなトロトロ感。

え?

こんなに美味い白身の魚あったんですか?

である。参考までに、私がどこで食べたのかをお伝えしておくと、今年の11月30日に品川で行われた「珍怪魚フェス」というイベントだ。その名の通り、珍しい魚を食べるイベントで、入場チケットは6500円(飲食代込み)。

「高っ!」と思うかもしれないが、主催者側は「このイベントは儲からない」とガチっぽい感じで言っていたので、それだけ原材料費にお金がかかっているかと思われる。

ちなみに、そこで出された料理はどれもレア度高め。私にとっては、食べたことがないものばかりであった。せっかくなので、その中で個人的に印象に残ったものをいくつか挙げておきたい。

・オオオカミウオの唐揚げ
見た目も名前もイカついが、アッサリとした白身。食感がしっかりしており、万人受けしそうな味。誰からも恐れられているが、話をしたら「好青年の集まりかよ!」と突っ込みたくなるパンクバンドのような印象。

・謎の魚卵
主催者側が、「何の魚卵か分かりませんが、漁師さんによると「イケる」そうです」と冗談交じりに紹介していた。コリコリしていて、驚くほどクセがない。いくらでも食べられるヤツ。

・モウカザメの唐揚げ
ビールにもっとも合いそうだったのがコレ。ニンニクがガッツリ効いていて、食べやすい。調理の上手さもあるのだろうが、臭みは感じなかった。サメのくせに、優しすぎる。

・ワラスボの素揚げ
これだけは数が限られており、私は運悪く食べられなかった(クイズに勝った人が食べられる仕組み)。したがって味はよく分からないものの、顔がイカつかったので挙げておきたい。なお、「ワラスボ」は海のエイリアンと呼ばれているらしい。

──といったところ。

・肛門から油は出た?
最後に、気になる人もいるだろうから、アブラボウズを食べて私の肛門から油が出たのかどうかを報告しておきたい。結果は……セーフ! これを書いている時点でイベントから数日経つが、ノーオイルでフィニッシュだった。もちろん、そのほかの体調不良も一切ない。

とはいえ、先述のように「肛門から油」と紹介されている魚なので、体質的に無理な人だっているに違いない。また、アブラボウズはめちゃくちゃ脂が多いため、好み的に受け付けない人もいるはずだ。なので「万人にオススメ」とは言い難いものの……個人的には良い意味で強烈な体験だった。

もし「中トロかアブラボウズのどちらかを好きなだけ食っていい」と言われたら、私はアブラボウズを選ぶだろう。肛門がオイリーな事態に陥ったとしても本望である。まぁそういう人が後を絶たないから、厚生労働省だって注意喚起しなきゃいけないのかもしれないが。

参考リンク:珍怪魚フェス(※すでに終了したイベント)、厚生労働省
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

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