「まずは運ゲーからの脱却を」カリスマトレーダーが語る“はじめの一歩”とは~田畑昇人「武器としてのFX」~

日刊SPA!

2019/12/4 15:51

 トレーダーとしての初陣はおよそ10年前。寝食を忘れて没頭したFXで50万円の元手を1000万円まで増やした経験を基に、2015年に執筆した『東大院生が考えたスマートフォンFX』は10万部超えのベストセラーとなったカリスマトレーダーがいる。たばてぃんこと田畑昇人氏だ。前作から4年経ち、さらなる進化を遂げた氏のトレード術をまとめた新著がこの度、刊行された。題して『武器としてのFX』――出版を記念して、短期集中連載を開始する。

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100人の個人投資家がいたら、「勝てているのは5人から10人程度」と言われるほど厳しいのが為替市場のリアル。

「FXで勝つのは、実はそう難しくはありません。ただ、“勝ち続けること”が本当に難しい」

と田畑氏も語るが、その大きな要因のひとつにマーケットのランダム性がある。

「各種インジケーターを使うと“それっぽいエントリーポイント”が視覚化されるのでついポジションをとってしまいがちですが、市場が上に行くか下に行くかはコイントスのようなもの。この状態をランダムウォークと呼びます。特に最近ではアルゴリズムやHFT(ハイフリークエンシートレード=高頻度売買)勢の影響もあって、ランダム度は高まっている。たった数分間でレートが急変し、また元に戻るフラッシュクラッシュなんて予測のしようもありません。

このような状態で丁半博打を続けていたら、それはただのギャンブルであり“運ゲー”。取引コストであるスプレット分をじりじりと削られていくのは自明だし、約上の遅延で大損失を被るリスクも負うことになる」

では、運が支配するランダムウォークの世界から脱却するにはどうすればいいのか。氏の答えは、「ランダム性が弱まる時を狙って取引する」という方法。マーケットに明確な方向感を確認できたときのみトレードする、という発想だ。

それには多角的な視点から判断を下す必要があるが、前著でも触れたのは「3大マーケットの時間」に着目したトレードだ。

◆時間帯のクセを読むのは定石

日本時間をベースに考えると、東京市場が開くのは9時から15時。その後、16時に始まるロンドン市場は21時まで続き、22時にはニューヨーク市場がオープン。翌朝4時まで続くことになる。

こんなことからも、ランダム性が低まる時間を見つけることができる。

「銀行や年金基金、ヘッジファンドといった金融機関で働くトレーダーたちがどう動くのか? 想像してみてください。朝、デスクに座ったトレーダーはニュースや市況を確認してから、ポジションを構築します。為替市場に参加するほとんどのトレーダーは短期の利益を目的とした投機筋。その多くの人が『ドル買いだ』と判断すれば、ドルの上昇トレンドが発生します。つまり、市場がオープンしてから2~3時間はトレンドが続きやすいと考えられます。

では、彼らは一度持った買いポジションをいつ解消するでしょうか? 『せっかく乗った利益を翌日に持ち越してリスクにさらしたくない』と考え、帰社する前に手仕舞いしたくなる心理は、トレーダーならわかるはずです。つまり、各市場の最後の1時間くらいは利益確定による売りが入り、巻き戻しが起きやすくなる。もちろん、そうならない日もたくさんありますが、少なくとも市場には時間帯のクセがあることを知っていると有利な場面でポジションを持つことができる」

これはランダム度を低めるための、ほんの一例である。「武器としてのFX」では投機筋の保有ポジションが見れるIMMや、「個人投資家がどのレートに、どれくらい注文を入れているか」がわかるオアンダの活用法にも言及。さらに、各種テクニカル指標をどう生かすか、ファンダメンタルズの織り込みをどう考えるかにも踏み込んで解説している。

「中でも相場の恐怖感を測るVIX指数を利用したトレード方法は今、僕がもっとも頼りにしている考え方です。FXのトレードについて書かれた書籍は星の数ほどあり、ファンダメンタルズやテクニカルと言ったありふれたものは巷でよく見ます。ところが、肝心の『値動きをどう利益に変えるか?』という点について言及したものを僕は知りません。ファンダメンタルズ分析をしたところで、あるいはテクニカル分析でチャートに線を引きまくったところで、肝心の値動きがなければ利益は出ませんから」

10年間のトレーダー生活を経て氏が辿りついた「武器としてのFX」。そのエッセンスを次稿以降でも紹介していきたい。

【田畑昇人】

(たばた・しょうと)大学3年生からトレーディングを始め、わずか50万円を9か月で1000万円に。大学院在学中に刊行した『東大院生が考えたスマートフォンFX』は10万部を超えるベストセラーとなった。新著『武器としてのFX』。FXを始めとするトレードで生計をたてる。公式ブログ

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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